高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

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最終章 高校生編 〜全てを失うまで〜

第49話 2人の新たな道

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サトル「おはよう、チサト」

チサト「おはよう、サトル」

朝、いつも通りに学校に向かう
この見慣れた景色も今日で最後だ

2人は高校3年生になり、今日は卒業式だ

サトル「なんか、あっという間だな」

チサト「ああ、2年前はあれ程大変だったと言うのに」

そう言って2人は手を繋ぎながら歩く
2年前、そこにはもう1人の女性がサトル達と一緒に歩いていた

しかし、ある男によりその道は別れ
一方は破滅の未来へと向かった

サトル「人は変わる、環境によって人間は醜い化け物にもなってしまう」

それは昔、両想いだった2人が、ある男により奪われ、引き裂かれ絶望した時の事

自分の彼女は大丈夫そうならないと信じていたのに、それを簡単に裏切り、その姿を見てしまった時の事

チサト「あんなに清楚な女の子だったのに、R18のNTR漫画の用に堕ちるなんてな」

サトル「え?読んでんの?」

チサト「…参考書のケースの中」

サトル「…1人でヤル時用です」

そんな絶望の中、ずっと支えてくれて
助けてくれた彼女に今でも感謝している

しつこいと言われる時もあるが、あの時もし誰もいなかったら、今頃サトルはこの世にいないだろう

そう思える程、彼女はサトルにとっての支えなのだ

勿論彼女…チサトもサトルに助けてもらっている

チサトは昔サユをいじめていた主犯格の子だ
サトルと喧嘩したこともある
サユのお陰で2人は仲良くなり
今は隣を歩いている

チサト「サトル…」

サトル「ん?」

チサト「…大学からよろしくな」

サトル「…ああ、よろしくな」

2人は大学に進学する事が決まった
一緒に受験勉強をし、共に同じ大学に受かったのである

そして、2人は同棲をする事が決まった
これはサトルの親には言っていないが
お金の事もあり、2人で暮らした方が効率が良いため一緒に住むことになった。

サトル「親には言ってないが、まぁバレんだろ(バレないだろう)」

チサト「そうだね、家ももう売ったし」

チサトの親は2人とも居なくなった、そのため一人暮らしをしていたのだが、大学に行くにあたって、家を手放したのだ

サトル「そのお陰で、当分は家賃払えるしな」

チサト「ちゃんと働いてよね?」

サトル「当たり前だ、バイトもあっちに行ったら早いとこ見つけないとな」

親からの仕送りもあるが、それだけに頼るわけにもいかない

お金はあって損はない、今後の為にもあったほうがいい

そんな事を話していると後ろから寒気がし始めて…

サトル「…3」

チサト「…2」

サトル、チサト「「……1」」

フブキ「おっはよーございまー「「ZERO!!」」プギャ!?」

きっと来るであろう人物にカウンターを喰らわした

フブキ「いててててて……酷いですよ~」

サトル「毎回俺達の腰痛の元の1つを作っているお前に言われたくない」

チサト「営みでも結構腰にくるのにな」

フブキ「…もう否定もしないんですね?」

去年はそのような話になると2人ははぐらかしたり、逃げたりしていたが、3年になってからはそれがなくなった

サトル「愛し合っているんだ、ちゃんとすればいい」

チサト「もうずっと言われてるし開き直って行こうって決めたの」

フブキ「…うわぁ私彼氏いないから嫉みも含めて遊んでたのに…なんかムカつく」

やっぱりそう言う気持ちもあったのか…
そう驚きながら、最後の道を歩く

サトル「そう言えばお前はどうするんだ?」

フブキ「?…どうするって?」

チサト「貴女、進級するのか就職するのかあたし達に教えてないじゃない」

フブキ「あーそう言えばそうでしたね~」

サトルとチサトは同じ大学に行く事は伝えてあるが、フブキのは聞いていなかった

フブキ「私はミヤビさんの側にいるために、就職です、最も最初はバイトですけどー」

サトル「バイトかぁ、頑張れよ、色々と」

チサト「あたし達も時間が出来たら行くから」

2人は毎日ではないが、ちょくちょく会いに行っていた、恩人でもある人達を無碍には出来ない

フブキ「そうすっねー…貴方達2人のラブラブ姿は微笑ましいすっからねー…嫉みもあるけど」

最後のトーンが異様に低いのは気のせいだろうか?
そう思いながらサトルは話を続ける

サトル「フブキ達は皆んな可愛いんだから、彼氏ぐらいすぐに出来るよ」

チサト「ノリオみたいな屑には注意だけどね?」

圧倒的強者の余裕がフブキの心に大ダメージを与える

フブキ「…良いですよねー、2人は相思相愛でぇ」

サトル「…俺達が」

チサト「相思相愛?」

そう言って顔を見合わせて、クスッと笑う

サトル「そうだな、たしかに」

チサト「相思相愛かもね」

形はどうであれ、今は2人は互いに互いを
想っている、この関係をずっと続けたいと
心の底から思うほど

フブキ「あーもー…朝から甘々な展開ご馳走様ですー」

きっかけをつくったのは間違いなくフブキだが、ここまでラブラブな姿を間近で見たら
コーヒー(ブラック)を飲みたくなる程だ

この関係を間近で見て来て来たが、その愛が消える事はなかった

フブキ(羨ましいし、嫉みもあるけど)

それ以前に2人にはこの関係をずっと続けて欲しい

そうしなければ、これまでの苦労は全て水の泡となる

たしかにサトルの復讐としては成功している…しかしフブキ達が協力したのはそれに加えてチサトがお願いしたからだ
可愛い仲間の為に、悲しませた奴を許さない

そう言う気持ちもあったからこそ、ミヤビ達は手伝ったのだ

これでもし2人が別れたり、どちらかがサユのように最低な行為をしたのなら、ミヤビ達の苦労は無駄になる

だからこそフブキやミヤビ達は、2人の姿に微笑ましさもあり、嫉みもあるのだ

フブキ「リア充爆発しろ」

サトル「ストレートに言うなぁ」

チサト「ねぇ…でも…」

そうやって3人が歩いているうちに
校門についた

チサト「今日で最後なんだね」

そう言うとチサトは少し悲しそうな表情を出す

サトル「チサト…」

フブキ「先輩…」

チサト「高校1年生の時は、サトルの事を支えなきゃ、あたしが側にいなきゃってずっと思ってた」

それはサトルが『あんな女助けなければよかった』と心の底から後悔したあの時から

チサト「でも、それも終わって2年生になってあたしとの関係も終わっちゃうんじゃないかって不安で…」

『サユの代わりでいい』そう言ったのは自分だから、立ち直ったら、新しい恋を見つけたら諦めるつもりだった

チサト「そんな中サトルはずっと側にいてくれたあたしを…1人の女性として、恋人として見てくれた」

表には出さなかったが、それがどれほど嬉しかった事か

チサト「3年になったら、一緒に大学になって、一緒に暮らすことになって」

家族を失った自分に新たな家族をくれた
ミヤビ、フブキ、サトル、そしてミヤビの
仲間達

チサト「色々あったけど、あたしは楽しかったな」

そして2人に笑顔を向ける
とても綺麗で、思わずを息を忘れてしまうほどに

フブキ「私もですよ、先輩、兄貴」

フブキ「私みたいな女にずっと付き合ってくれて本当に嬉しかったですよ」

口でも色々文句を言われたけど、最後まで側にいてくれた、1人の友人として
だから彼女は2人を心の底から応援している

ムカつく事もあるけど、それ以上に最高の友人だと思っている

サトル「俺もさ、サユに裏切られてそんな絶望の中ミヤビさんやフブキ、チサトに助けられて」

好きだった相手が目の前で間男と仲良く
ホテルに行く姿は、心が締め付けられて
苦しくて、辛かった

そんな情けない男に昔殴られた女が
自分の為に側にいてくれたのた

罪悪感はあった…けれど誰かがいてくれなければ寂しくて、辛くて、怖かった

だからこそ、皆んながいてくれた事が何よりも嬉しかった

サトル「…恥ずかしいけど、皆んながいたから、今俺はここに居る」

チサト「…フフッ」

フブキ「ぶひひ…」

サトル「ははは(その笑い方は慣れないけどな)」

チサト「なんか、皆んなで恥ずかしい事を言ったね」

フブキ「あーあ、これ完全に黒歴史ですよ」

サトル「だなぁ、自分で作るのって、こんなにも恥ずかしいんだな」

そう言って3人は校門をくぐる

——————————————————————
桜の木の下、花びらが舞い、皆んなを包み込む

毎年新たな希望を胸に、此処をくぐり
毎年新たな道に進む為に、此処をでる

ピンク色の絨毯がそれを出迎え
ピンク色の絨毯がそれを見送る

2年前、此処に3人の男女が此処をくぐり
今年、此処に3人の男女が此処をでる

ただ違うのはその1人が別の人物であると言う事

3年間で様々な物語が各地で起こるが
それがまるで何もなかったかのように
ピンク色の花びらは、我々を出迎える

「撮るよーはい♪チーズ」カシャ

桜の木の下、そこで3人は写真を撮る
大切な思い出として
忘れても、また思い出すように

温かい日差しが空に上り

この景色を忘れさせないように
綺麗に輝く

——————————————————————
最終章 高校生編 ~全てを失うまで~

     終幕

next       外伝 ~皆んなのその後~

まずはサトルとチサトを書きます。
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