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第2部 その2 幼馴染み達が魔王達に驚くが別にどうでもいい

第二十五話 覚醒の種

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ミク「クロス達遅いなぁ」

セシル「まぁ、戦闘音が聞こえないとなるとまだ散策しているんだよ。」

メミル「それだけなら良いけど」ハァハァ

————————————————————
クロス「全ての力を」

フローズ「取り戻す?」

グエン「ああ」

クロス「そんな事が出来るのか?」

グエン「ああ、可能だ」

フローズ「なら、すぐにでも」

すぐにでもやろうと言おうとしたが

グエン「だが、安全ではない、むしろ危険だ」

この言葉で黙る

クロス「危険だと?」

グエン「ああ」

クロス「.....どのように危険なんだ?」

グエン「これを見てくれ.....シルフィ」

シルフィ「はい」す.....

机の上にシルフィが置く、そこにあるのは

フローズ「種?」

何処にでもありそうな普通の種だ、それが力を引き出すのか?

クロス「なぁ、これは一体なんだ?ただの種に見えるが」

そう言ってグエンを見る、グエンはその種を持って言う

グエン「これは覚醒の種」

クロス「覚醒の、種?」

グエン「ああ、そうだこれを食べると己の本来の力を全て引き出す事が出来るそうだ」

クロス「へぇ、これがねぇ。」

そう言ってクロスも種に手に取り見る

フローズ「それで、なんでその種が危険なの?聞く限りだと平気そうだけど?」 

それを踏まえて問うとグエンの横に立っていたシルフィが答える

シルフィ「これは己の限界を引き出すもの、例えば10年間、剣の修行をした者がいるとする、そしてそれが彼の限界だとする」

シルフィ「でもこれを食べればその10年分を一気に縮める事ができる」

クロス「..........成る程」

フローズ「つまり、その10年分の負荷が一気に来るってことかしら?」

グエン「その通り、10年なら10年分、20年なら20年分、本来そこまでの力を手にするのにそれ相応の力と時間が必要だそれを全て短縮するのがこの種だ」

フローズ「成る程ね」

つまり、これを食べれば此処で自分の本来の力が戻る、或いはそれ以上の力が手に入ると言う事、ただし、その分の苦しみを一気に味わなきゃいけない

クロス「その種は何個あるんだ?」 

グエン「全部で10個だ、何故だ?」

フローズ「クロス....貴方....まさか!?」

クロス「ああ、ミク達にも食べさせる。」

シルフィ「ミク達?」

クロス「ああ、この世界の俺の家族だ、幼馴染みのミク、義姉のメミル、義妹のセシルだ」

グエン「そいつらが何故出てくる?」

クロス「彼女達は剣聖、聖女、賢者の職業を持っていて、今、村の入り口で俺達を待っている」

グエン「成る程な、彼女達も潜在能力を引き出せば」

クロス「レプリカにも勝てる」

フローズ「でも、彼女達が食べてくれるとは思わないけど?」

クロス「食べなければ食べなくてもいい、彼女達のペースで強くなっていけばいい」

そう言ってクロスは目が鋭くなる

クロス「けど、俺達には時間がない、いつレプリカが現れるかわからない、そんな中、本来の力を取り戻すのに10年、20年もかかれば確実に死ぬ」

フローズ「そうね、取り敢えず彼女達も呼びたいから」

そう言って立ち上がり、入り口に向かいながら言う

フローズ「グエンのその邪気なんとかしてね、聖女はそれに敏感だから来れなくなっちゃうから」

グエン「わかった」

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クロスとフローズ移動中

クロス「しかし、こうも問題が解決するなんてな」

フローズ「そうね、結構焦ってたからね」

クロス「ああ、問題は」

フローズ「その分の苦痛を味わう事」

クロス「..........」

フローズ「..........」

ミク「あ!クロスー!フローズ様ー!」

クロス「まぁ、覚悟はできてたから」

フローズ「そうね、負けたくないしね」

セシル「?なんの話?」

クロス「ああ、実は..........」

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クロス達 説明中

セシル「成る程ね」

メミル「確かにそうすれば、かなり楽になるはね」ハァ.....ハァ

ミク「そのかわりの代償がやばいけどね」

フローズ「どうする?べつに無理にとは言わないから」

ミク「あたしは食べるわ、正直言って今のままでも足手纏いだったんだから、少しでも強くならないと」

セシル「私も同感、今のクロス達でレプリカに勝てないのにそれ以下なら尚更よ」

メミル「私も...賛成...」ハァハァ

どうやら彼女達も食べるらしい、正直に言えば食べて欲しくないが、レプリカの事を考えると仕方ない事だと思う

クロス「なら、来てくれ種はそこにあるから」

ミク「でも、メミルが」

フローズ「それは大丈夫よ、多分もうそろそろ..........」

メミル「ハァ....ハァ....ハァ..?」

セシル「義姉さん?」

つい先程まで呼吸が荒く、顔色も良くなかったが、それが嘘みたいに呼吸が落ち着き、顔色もいい

セシル「気配がなくなった?」

クロス「いや、正確には抑えてもらったが正しい」

セシル「抑えてもらった?」

クロス「此処で説明するよりまずは来てくれ、そしたらすぐわかる」

セシル「?わかった」

そして5人は魔王のいるところまで向かった

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村の中央

グエン「遅かったな、クロス...そいつらか?お前の家族ってのは?」

クロス「ああ、紹介するよ剣聖のミク、聖女のメミル、賢者のセシルだ」

ミク「こんにちは」

メミル「ど....どうも」

セシル「よろしく...お願いします」

3人とも驚いている、それはそうだろう側から見れば魔族が2人、驚かない方が可笑しい

クロス「ミク、義姉さん、セシル、紹介するよ、前世の仲間の魔王グエン、ダークエルフのシルフィだ」

.........................................................................................................................................................................................................

ミク「は?」

メミル「ん?」

セシル「へ?」

クロス「いやだから、魔王と四天王」

ミク「はあ!?」

メミル「魔王と!?」

セシル「四天王!?」

フローズ「まぁ、これが普通だよね」

クロス「.....そうか?」

ミク「そうよ!?何いきなり"魔王の"ってあたし達本来なら敵対しているんだよ!?」

メミル「はあ、通りで苦しくなるわけだ(これが本当に敵対してたら私は死んでたな)」

セシル「それに四天王ってもう何処から突っ込めばいいかわからないよ」

グエン「まぁ、それが普通だろうな、だが今は気にするな、俺達は仲間だ同じ共通の敵を持つ者達だ」

シルフィ「そうね、だからこそ私達は姿を現しているわ」

それもそうだ今人間と魔族は戦争中、もし他の者達と出くわしたら、こんなとこで喋る事も出来ないだろう。

クロス「まぁ、そうゆう事だ、レプリカを倒すため、グエン達はこれをくれた」ス...

ミク「それが、」

メミル「覚醒の」

セシル「種」

クロス「それじゃあ、早速いただこうか」

フローズ「私も」

グエン「だな」

シルフィ「ええ」

ミク「時間が惜しいですしね」

メミル「ごく」

セシル「よし!」

こうして7人は己の限界を引き出す為、種を食べるが..........

数秒後にはその事を後悔するほどの地獄の苦痛が始まった

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わからない所、誤字脱字がございましたら可能な限り答えますのでよろしくお願いします。



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