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ネクネクへ
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数日、雨が降っていたのもあって屋敷でのんびりと過ごした。先程マーサスから連絡が来て統括マスターからの書簡を預かっているから取りに来る様にとの事だ。今日はアイザックが家の用事で出掛けられないので明日朝から伺うと言っていた。
屋敷の書庫でテイマーの本を見つけたので読み耽っていたらとある文面に正直驚いた。
従魔は自分の影の空間に入れる事ができるらしい。中は従魔達の数に合わせて勝手に広さが変化するらしく一度開いて仕舞えば後は魔力も要らないとか。
早速挑戦して見たが上手く空間が開かず困り果てていたのだ。
こんな時にギルドからお呼びだなんて誰か教えてくれないかな。淡い期待を胸にアイザックと中央に赴いた。
「おう、きたな」
「こんにちは。書簡を頂きに来ました」
差し出された書簡を受け取り中を確認する。アイザックも横から覗いている。
「えっと明後日薬師ギルドにて試験をするからこの書簡を持ってくる様にだって。従魔も同伴する事って書いてるよ」
マーサスに説明がてら中身を読む。
「日程が急だな。あぁ、明日が薬師ギルドの会議だからついでに済ますのか。まぁ、頑張れ」
笑顔でエールを贈られた。
「とりあえず行ってくるよ。ところでマーサス、一つお願いしてもいいかな?」
あざとく首を傾げると一瞬眉間に皺が寄ったが直ぐにいつもの表情に戻り話を聞いてくれる。
そこで影の空間が上手く開けないから誰か教えて欲しいとお願いすると暫く思案した後1人の男性を呼んでくれた。
「マックス、この子の話を聞いてやってくれないか」
「はぁ、急に呼ばれたので慌てて来て見たらそんな用事ですか。で、この子に話を聞けば良いのですね」
しゃがんで視線を合わせてくれたマックスと言う男性はニッコリ話かけて来た。
「はじめまして、僕はこのギルド職員でマックスだ。どんな要件かな」
「はい、はじめまして。ククルです。」
そこからテイマーである事、空間が上手く開けないから困っている事を伝える。
「成る程、君はテイマーなんだね。で、コツが分からないと。僕もテイマーなんだ。マスターが呼んだ理由が理解できたよ。じゃあ、一応訓練所でやって見るかい」
どうやら今から教えてくれるみたいだ。
「はい、よろしくお願いします」
アイザックと共に訓練所に向かう。
まずはどの様にしようとしたのか見せて欲しいと言われたので屋敷でやっていた様にしてみた。が、やっぱり空間は開かない。
「成る程、じゃあここに扉があるつもりでコッチに入ってくれるかな。ちゃんと扉を開けるイメージをして実際に開ける動作をしてみて」
言われた通り、イメージの扉を開けて戸を潜る。
「良い感じだね。次は扉を開けたら草原があるとイメージしてみて」
また、言われた通りにする。
「中々上出来だよ。次は扉を開けたら従魔達のベットが置いてあるイメージをしてみて」
言われた通りにすると急に魔力が放出した。
「はい、出来たね。多分イメージが足りなかったんだと思うよ。コレで大丈夫。君と繋がっている子達は自分で開けて出入り出来るから」
「わぁ、本当だ。ありがとうございます。でも凄い魔力持っていかれましたよ。今後は要らないのですよね?」
「正確には余分な魔力を吸ってくれるから完全回復した後の魔力を使うかな。ゼロで無い限りは維持は自然にできる。空間を開くのに所有魔力の半分を使用するから沢山持って行かれたように感じるが誰が開いても半分と決まっているんだ。少なくても多くても出来は変わらないから大丈夫だよ」
細かく仕組みを教えて貰えたので改めてお礼を伝えた。
「ありがとうございます。コレで何処でもあの子達を連れて行けるから嬉しいです」
ニコニコしているとアイザックもお礼を言ってくれた。
二人で訓練所を退出。マーサスに挨拶し屋敷に帰った。
早速従魔達を呼んで影に招待する。
みんな喜んで入っていった。
「ククル、よかったな。これでシルバー達を預けなくても大丈夫だ。俺も空間作ってみようかな。どお思う?クロイス」
好きにしたら良いと尾尻だけで答えているのがわかる。
アイザックは私があんなに苦労したのにあっさり空間を開けた。
「えー、なんで」
なんとなく腑に落ちないがまあ仕方ない。
とりあえず明後日が試験との事で決まった。これさえ済めばまた、旅にもでられる。
試験勉強も結局何をすれば良いか分からないので特にするわけでもなく普通に過ごした。
薬師ギルドまでアイザックがついて来てくれるのそうでそれに甘える事にした。
さあ、いよいよ試験だ。
流石にちょっと緊張するが身体が強張るほどでもない。
受付で書簡を見せると別室に連れていかれしばらくまたされた。
「失礼いたします。お連れの方は此方でお待ち下さい。」
女性が迎えに来たので私が席を立つと一瞬ビックリした様だが直ぐにその表情を元に戻した。
アイザックに行ってきますの挨拶をして部屋を後にした。
屋敷の書庫でテイマーの本を見つけたので読み耽っていたらとある文面に正直驚いた。
従魔は自分の影の空間に入れる事ができるらしい。中は従魔達の数に合わせて勝手に広さが変化するらしく一度開いて仕舞えば後は魔力も要らないとか。
早速挑戦して見たが上手く空間が開かず困り果てていたのだ。
こんな時にギルドからお呼びだなんて誰か教えてくれないかな。淡い期待を胸にアイザックと中央に赴いた。
「おう、きたな」
「こんにちは。書簡を頂きに来ました」
差し出された書簡を受け取り中を確認する。アイザックも横から覗いている。
「えっと明後日薬師ギルドにて試験をするからこの書簡を持ってくる様にだって。従魔も同伴する事って書いてるよ」
マーサスに説明がてら中身を読む。
「日程が急だな。あぁ、明日が薬師ギルドの会議だからついでに済ますのか。まぁ、頑張れ」
笑顔でエールを贈られた。
「とりあえず行ってくるよ。ところでマーサス、一つお願いしてもいいかな?」
あざとく首を傾げると一瞬眉間に皺が寄ったが直ぐにいつもの表情に戻り話を聞いてくれる。
そこで影の空間が上手く開けないから誰か教えて欲しいとお願いすると暫く思案した後1人の男性を呼んでくれた。
「マックス、この子の話を聞いてやってくれないか」
「はぁ、急に呼ばれたので慌てて来て見たらそんな用事ですか。で、この子に話を聞けば良いのですね」
しゃがんで視線を合わせてくれたマックスと言う男性はニッコリ話かけて来た。
「はじめまして、僕はこのギルド職員でマックスだ。どんな要件かな」
「はい、はじめまして。ククルです。」
そこからテイマーである事、空間が上手く開けないから困っている事を伝える。
「成る程、君はテイマーなんだね。で、コツが分からないと。僕もテイマーなんだ。マスターが呼んだ理由が理解できたよ。じゃあ、一応訓練所でやって見るかい」
どうやら今から教えてくれるみたいだ。
「はい、よろしくお願いします」
アイザックと共に訓練所に向かう。
まずはどの様にしようとしたのか見せて欲しいと言われたので屋敷でやっていた様にしてみた。が、やっぱり空間は開かない。
「成る程、じゃあここに扉があるつもりでコッチに入ってくれるかな。ちゃんと扉を開けるイメージをして実際に開ける動作をしてみて」
言われた通り、イメージの扉を開けて戸を潜る。
「良い感じだね。次は扉を開けたら草原があるとイメージしてみて」
また、言われた通りにする。
「中々上出来だよ。次は扉を開けたら従魔達のベットが置いてあるイメージをしてみて」
言われた通りにすると急に魔力が放出した。
「はい、出来たね。多分イメージが足りなかったんだと思うよ。コレで大丈夫。君と繋がっている子達は自分で開けて出入り出来るから」
「わぁ、本当だ。ありがとうございます。でも凄い魔力持っていかれましたよ。今後は要らないのですよね?」
「正確には余分な魔力を吸ってくれるから完全回復した後の魔力を使うかな。ゼロで無い限りは維持は自然にできる。空間を開くのに所有魔力の半分を使用するから沢山持って行かれたように感じるが誰が開いても半分と決まっているんだ。少なくても多くても出来は変わらないから大丈夫だよ」
細かく仕組みを教えて貰えたので改めてお礼を伝えた。
「ありがとうございます。コレで何処でもあの子達を連れて行けるから嬉しいです」
ニコニコしているとアイザックもお礼を言ってくれた。
二人で訓練所を退出。マーサスに挨拶し屋敷に帰った。
早速従魔達を呼んで影に招待する。
みんな喜んで入っていった。
「ククル、よかったな。これでシルバー達を預けなくても大丈夫だ。俺も空間作ってみようかな。どお思う?クロイス」
好きにしたら良いと尾尻だけで答えているのがわかる。
アイザックは私があんなに苦労したのにあっさり空間を開けた。
「えー、なんで」
なんとなく腑に落ちないがまあ仕方ない。
とりあえず明後日が試験との事で決まった。これさえ済めばまた、旅にもでられる。
試験勉強も結局何をすれば良いか分からないので特にするわけでもなく普通に過ごした。
薬師ギルドまでアイザックがついて来てくれるのそうでそれに甘える事にした。
さあ、いよいよ試験だ。
流石にちょっと緊張するが身体が強張るほどでもない。
受付で書簡を見せると別室に連れていかれしばらくまたされた。
「失礼いたします。お連れの方は此方でお待ち下さい。」
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アイザックに行ってきますの挨拶をして部屋を後にした。
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