転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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ふたたびダンジョンへ

194.

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アイザックがゴールドウルフの爪に引き裂かれるのを目の当たりにしたら一瞬、頭が真っ白になった。
「お前何様のつもりだ」
魔法で一気に身体能力を上げゴールドウルフを切り付けた。
ガルとファルが続いて攻撃する。
三方向からの攻撃に交わし切ることは出来ず、徐々に動きが鈍くなる。
「これで終わりだ」
背中から急所に思いっきり武器を突き立てると断末魔と共にドロップアイテムに変わり果てた。
アイテムは従魔達が勝手に集めてくれるのでアイザックに駆け寄る。
「アイザック、アイザック」
呼んでもピクリとも動かない。
治癒魔法を掛けてるとみるみる傷は塞がっていく。
しかし青白い顔のまま、反応が無い。
「なんで、起きないの」
『主、恐らく毒が回ってる』
「毒なんてどうするのよ」
『状態異常解除しては?』
「状態異常回復」
正直一番苦手な部類の魔法の為、短くではあるけど詠唱しる。
アイザックの身体が光に包まれた。
やがて光が収まると体内から魔力が引き抜かれる感覚も無くなった。
「効いた?アイザック?」
しかし目を覚さない。
顔色はある程度戻っているので多分毒は抜けたけど意識が戻らない。
もう、後はどうしたら良いか分からず、アイザックの横に座り込んで泣き出した。


「ククルちゃん大丈夫?」
サラさんがそばに駆け寄ってきた。
ここでどの位の時間が経ったかも分からない。
「とりあえず一旦26階に戻るわよ。よく頑張ったわね。アイザックはこちらで運ぶからほら立って」
サラさんに促されて立ち上がると同時に一緒に部屋に入ってきた冒険者がアイザックを担架に乗せる。
サラさんに手を引かれながら26階に移動した。

出張所に到着するとアイザックはすぐに医務室に搬びこまれた。
それについて行こうとしたらサラさんに止められる。
「ククルはこっちで話を聞かせて」
「やだぁ、アイザックのとこにいくの」
何となく引っ込んでいた涙が溢れ出す。
情緒不安定な状態が続いているからか魔力がゆらゆら揺れ出した。
「ククル、落ち着いて。暴走しかけてるわ」
「ヤダァ」
ますます魔力が不安定になっていく。
「今は無理ね。わかったわ。着いて行きなさい」
バタバタとアイザックの後を追いかけた。

医者の診察を受けたアイザックの状態はとりあえず身体は回復し、毒もしっかり抜けているとの事。
流れた血は回復してないがそこまでの問題では無いとか。
ただ、毒でのショック状態があった様で意識が戻らない。
グズグズと医者の説明をサラさんと一緒にきいていた。
「とりあえず意識ぐ戻るまでここで休ませてるしかないか」
「お家帰る」
「ん?ククル何か言った?」
「アイザック連れてお家帰る」
俯いたままでボソボソとククルが呟いているがまだ魔力が揺れている。
「はぁ、本当はこんな状態だから動かしたくは無いんだけどククルの暴走も危ないし、わかったわ。街まで送るからそれで良い?」
無言で首を縦にした。



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