転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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ヤンヤンに帰省

197.

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教会に到着するとククルは貴族用へと向かった。
「マーサス、部屋の外で待ってもらってもよい?」
「ああ、こっちで待ってるから行ってきな」
ククルは部屋に入って直ぐにネル様に呼びかけた。
「ククルさん、こんにちは。大変でしたね」
「ネル様、こんにちは。アイザックがね、目を醒まさないの。どうしたらいいか判らないよ」
泣きそうに話す姿は弱々しく、今にも倒れてもしまいそうだ。
「そうですね。私が直接、干渉する事は出来ませんが貴女のお家に妖精がいてるでしょう。あの子に目覚めをお手伝いしてもらったら如何ですか。」
「そんな事が出来るのですか?」
「植物の芽吹きを手助け出来る歌があるのよ。アイザックさんの側で歌って貰える様にお願いしてみてください。彼の意識が奥深くで留まっているのを導いてくれます。きっと直ぐに目を覚ましますよ。」
「本当ですか。ありがとうございます。帰って早速お願いしてみます」
「ククルさん、貴女が大切な方から離れ慣れないのはこちらに来てしまった時の弊害があるのです。他の人より不安になりやすいのよ。これは時間が経つに連れて生活に支障は無くなりますがもう暫く時が必要です。でも、自身を大切にしなくては周りが悲しみますよ。」
「はい、原因がそれなら仕方が無いと思います。アイザックに話して今後の対策を考えますね。自分では感情をコントロール出来なくてちょっと困ってたんです。」
「自身でお気づきなら時はもう間も無く満ちるでしょう。またいらしてください」
「はい、ありがとうございます。また来ます」

部屋を出るとマーサスがこちらに歩いてきた。
「もう良いのか」
「うん、大丈夫。ありがとう」
何の迷いもなくククルを抱き上げ帰路につく彼に耳元で先程のネル様から聞いた話を伝えた。
「へ?」
目を丸くしてこちらに顔を向けるがここで追求することもなく「急ぐか」と呟きながら家路についた。


「ハナ、ただいま」
玄関前でマーサスから降ろしてもらい勢いよく中に入る。
「庭にいくね」
そのまま廊下を走って庭にでた。
妖精さんのお家まで行き姿を探す。
お家には居ないみたいで周りを探すと植物の間から顔をのぞかせた。
「ククルどうしたの?」
「妖精さん、お願いがあるの。芽吹きを手伝う歌ってしってる?しってるならアイザックに歌って欲しいの。ネル様に聞いたらそれでアイザックが目醒めるからって。お願い出来ますか?」
「そうなの。ククルのお願いなら喜んで歌うよ。今から?」
「うん、着いてきて」
妖精さんを連れてアイザックの部屋に急いだ。
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