55 / 55
55、これから
しおりを挟む
ベティは最近元気が無かった。
「ベティ様、何かありましたか?」
ロージーの問いかけに、ベティは落ち込んだ様子で答えた。
「クライド様も、ロージーも、きちんと働いているのに……私は日々を過ごすだけで良いのかしらと思いまして」
「ベティ様は、女主人の仕事をお母様から教えて頂いているところじゃないですか」
ロージーの言葉に、ベティは微笑んで頷いた。
「ええ、そうですわね」
しかし、ベティの表情は晴れなかった。
「本当にこのままでよいのでしょうか」
「ベティ様、そろそろ夜のミサの時間です。考え事は一度やめて教会に向かいましょう」
ベティは頷いて、外出の用意を始めた。
ベティは両親とロージーと一緒に馬車で教会に向かった。
教会に着くと、クライドが現れお辞儀をした。
「こんばんは、ベティ様」
「こんばんは、クライド様」
「なんだか、元気が無いようですが、何かありましたか?」
ベティは困ったような笑顔をうかべてクライドに返答した。
「何も無いので、困っておりますの」
「と、いうのは?」
クライドの質問に、ベティはおずおずと答えた。
「私は、日々をのんびりと過ごして、身の回りの方々の笑顔に助けられていきておりますけれど、それだけで良いのかと考えてしまいまして……」
クライドはにっこりと笑って言った。
「そんなことでしたか」
「そんなこと?」
ベティが悲しそうな顔をしたので、クライドは言い直した。
「ベティ様が笑っている。そのことでどれだけの人の心が救われているか、ご存じないのですか?」
「まあ、そんなことありませんわ」
クライドは首を横に振って、ベティの頬に手を当てて言った。
「少なくとも、私もロージーさんも、バーニーさんも救われたと思いますよ。ベティ様の笑顔は周りを幸せにします」
ベティはよく分からないと言った様子で首をかしげた。
「つまり、いつも通りにして頂ければ私たちも安心できると言うことです」
「クライド様、そう言って頂けると心が安らぎますわ」
クライドは少し躊躇した後、ベティの耳元で囁いた。
「もうそろそろ一緒に暮らしませんか? ベティ様」
「それは、どういうことですか?」
「私と結婚式をあげて欲しいのです。帰ったらベティ様が微笑んでいる。そんな日々に私は憧れているのです」
ベティは顔を真っ赤にして静かに頷いた。
「クライド様、ありがとうございます。嬉しい申し出に心臓が飛び出しそうですわ」
「それでは?」
「もちろん、お受け致します」
ベティはこれ以上無い笑顔でクライドの頬に口づけをした。
「ベティ様、何かありましたか?」
ロージーの問いかけに、ベティは落ち込んだ様子で答えた。
「クライド様も、ロージーも、きちんと働いているのに……私は日々を過ごすだけで良いのかしらと思いまして」
「ベティ様は、女主人の仕事をお母様から教えて頂いているところじゃないですか」
ロージーの言葉に、ベティは微笑んで頷いた。
「ええ、そうですわね」
しかし、ベティの表情は晴れなかった。
「本当にこのままでよいのでしょうか」
「ベティ様、そろそろ夜のミサの時間です。考え事は一度やめて教会に向かいましょう」
ベティは頷いて、外出の用意を始めた。
ベティは両親とロージーと一緒に馬車で教会に向かった。
教会に着くと、クライドが現れお辞儀をした。
「こんばんは、ベティ様」
「こんばんは、クライド様」
「なんだか、元気が無いようですが、何かありましたか?」
ベティは困ったような笑顔をうかべてクライドに返答した。
「何も無いので、困っておりますの」
「と、いうのは?」
クライドの質問に、ベティはおずおずと答えた。
「私は、日々をのんびりと過ごして、身の回りの方々の笑顔に助けられていきておりますけれど、それだけで良いのかと考えてしまいまして……」
クライドはにっこりと笑って言った。
「そんなことでしたか」
「そんなこと?」
ベティが悲しそうな顔をしたので、クライドは言い直した。
「ベティ様が笑っている。そのことでどれだけの人の心が救われているか、ご存じないのですか?」
「まあ、そんなことありませんわ」
クライドは首を横に振って、ベティの頬に手を当てて言った。
「少なくとも、私もロージーさんも、バーニーさんも救われたと思いますよ。ベティ様の笑顔は周りを幸せにします」
ベティはよく分からないと言った様子で首をかしげた。
「つまり、いつも通りにして頂ければ私たちも安心できると言うことです」
「クライド様、そう言って頂けると心が安らぎますわ」
クライドは少し躊躇した後、ベティの耳元で囁いた。
「もうそろそろ一緒に暮らしませんか? ベティ様」
「それは、どういうことですか?」
「私と結婚式をあげて欲しいのです。帰ったらベティ様が微笑んでいる。そんな日々に私は憧れているのです」
ベティは顔を真っ赤にして静かに頷いた。
「クライド様、ありがとうございます。嬉しい申し出に心臓が飛び出しそうですわ」
「それでは?」
「もちろん、お受け致します」
ベティはこれ以上無い笑顔でクライドの頬に口づけをした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
215
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
そうですね。
感想ありがとうございます。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
ありがとうございます