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国王陛下より、今回の茶会についての説明があった。
貴族達は、口には出さないが娘を危険な目に合わせた事に不満を持った様だ。
娘が婚約者に選ばれたのなら良いが選ばれなかったご令嬢は、 ただ怖い目に有っただけ…。
王家に対して不信感を抱いてもしょうがない。
それに本物の妖精に愛されし者を見つけ出せたなら良かったのだけれど残念な事に彼らが選んだのは偽者。
まぁアイリスは偽者なんて言わないけれど♪
お父様とお義母様とアイリスは、婚約の話の為に応接室へと呼ばれていた。
その間、私は王庭でも散策している様に言われ外に出る。
「ふぅ~。やっと解放されたぁ~。疲れたなぁ~」
庭に出ると沢山の花が咲いており、そこには沢山の妖精が飛んでいた。
私は念の為、周りを見渡し誰も居ないか確認する。
よし大丈夫!!
「こんにちは!」
『こんにちは、マリーナ』
「あら?私の名前を知っているの?」
『さっき教えてもらったの』
私に付いている妖精のスイ、リー、ミゥが教えたのね。
「あなたの名前を教えてくれる?」
『ルビ』
『マリーナ、奴が来るぞ』
スイの声に振り返ると王宮から此方に向かってくる男の子が見えた。
私は立ち上がり、その場から離れ奥へと向かう。
噴水の側まで来ると、縁に座り彼を待つ。
ここまで追って来るかしら?
「私に何か用ですか?」
「僕はアルス子爵家の次男でエルドと言います」
「私は…「ロザリオ侯爵家のマリーナ様ですよね?」
私を知っているの!?驚いたが態度には出さない。
私は黙って頷く。
「それでエルド様は、私に何の用ですか?」
「用は無いのです。ただ貴女と話がしてみたくて…」
アルス子爵家の当主ルドルフ様は予言者をしている。
近々、預言の功績で陞爵され伯爵になると茶会が始まる前に誰かが話していたっけ。
「私と話しても何も面白くありませんよ」
「僕は貴女に興味がある」
私に興味があるなんて可笑しいんじゃない?
何?何かの罠!?
『カリーナ助ける?』
『こいつ吹き飛ばす?』
「エルド様、用が無いのであれば失礼しても?」
「えっ!?」
私は立ち上がり、歩き出そうとする。
「ま、待って下さい。貴女は学園に通っていない。次に会う事もなかなか叶わないでは無いですか!?」
驚いた。
また私に会いたいだなんて。
「なぜ私に会いたいのですか?」
「貴女に興味があるから?言い方が悪い…引かれている?目が離せない?気になってしょうがない?」
「も、もう良いです。はぁ~、分かりました。お父様達が呼びに来られる迄で宜しいですか?」
「ありがとう、マリーナ様」
使用人が呼びに来るまでの1時間。
私は、最初は当たり障りの無い会話をしていたが、エルド様の話が面白く、いつの間にか打ち解けていた。
「今日は、ありがとう。その~手紙を書いても良いかな?」
「構いませんよ。楽しみにお待ちしております。では失礼致します」
帰りの馬車の中、アイリスは私に王太子の婚約者になった事を自慢していたが、私には一切興味はなかった。
それよりもエルド様と話した事を思い出していた。
貴族達は、口には出さないが娘を危険な目に合わせた事に不満を持った様だ。
娘が婚約者に選ばれたのなら良いが選ばれなかったご令嬢は、 ただ怖い目に有っただけ…。
王家に対して不信感を抱いてもしょうがない。
それに本物の妖精に愛されし者を見つけ出せたなら良かったのだけれど残念な事に彼らが選んだのは偽者。
まぁアイリスは偽者なんて言わないけれど♪
お父様とお義母様とアイリスは、婚約の話の為に応接室へと呼ばれていた。
その間、私は王庭でも散策している様に言われ外に出る。
「ふぅ~。やっと解放されたぁ~。疲れたなぁ~」
庭に出ると沢山の花が咲いており、そこには沢山の妖精が飛んでいた。
私は念の為、周りを見渡し誰も居ないか確認する。
よし大丈夫!!
「こんにちは!」
『こんにちは、マリーナ』
「あら?私の名前を知っているの?」
『さっき教えてもらったの』
私に付いている妖精のスイ、リー、ミゥが教えたのね。
「あなたの名前を教えてくれる?」
『ルビ』
『マリーナ、奴が来るぞ』
スイの声に振り返ると王宮から此方に向かってくる男の子が見えた。
私は立ち上がり、その場から離れ奥へと向かう。
噴水の側まで来ると、縁に座り彼を待つ。
ここまで追って来るかしら?
「私に何か用ですか?」
「僕はアルス子爵家の次男でエルドと言います」
「私は…「ロザリオ侯爵家のマリーナ様ですよね?」
私を知っているの!?驚いたが態度には出さない。
私は黙って頷く。
「それでエルド様は、私に何の用ですか?」
「用は無いのです。ただ貴女と話がしてみたくて…」
アルス子爵家の当主ルドルフ様は予言者をしている。
近々、預言の功績で陞爵され伯爵になると茶会が始まる前に誰かが話していたっけ。
「私と話しても何も面白くありませんよ」
「僕は貴女に興味がある」
私に興味があるなんて可笑しいんじゃない?
何?何かの罠!?
『カリーナ助ける?』
『こいつ吹き飛ばす?』
「エルド様、用が無いのであれば失礼しても?」
「えっ!?」
私は立ち上がり、歩き出そうとする。
「ま、待って下さい。貴女は学園に通っていない。次に会う事もなかなか叶わないでは無いですか!?」
驚いた。
また私に会いたいだなんて。
「なぜ私に会いたいのですか?」
「貴女に興味があるから?言い方が悪い…引かれている?目が離せない?気になってしょうがない?」
「も、もう良いです。はぁ~、分かりました。お父様達が呼びに来られる迄で宜しいですか?」
「ありがとう、マリーナ様」
使用人が呼びに来るまでの1時間。
私は、最初は当たり障りの無い会話をしていたが、エルド様の話が面白く、いつの間にか打ち解けていた。
「今日は、ありがとう。その~手紙を書いても良いかな?」
「構いませんよ。楽しみにお待ちしております。では失礼致します」
帰りの馬車の中、アイリスは私に王太子の婚約者になった事を自慢していたが、私には一切興味はなかった。
それよりもエルド様と話した事を思い出していた。
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