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「アリアナ、すまない。僕にはもう無理だ…。婚約を解消して欲しい」
突然の婚約者ランセル様の呼び出しに、急いで訪ねてみれば、謝りの言葉からの婚約解消!?
「なぜですの?理由をお聞かせ下さい!」
まさか他に好きな人が?
「僕が悪いのだろう。君が気にする事では無い」
「言っている意味が分かりませんわ…。まさかランセル様は他に…」
「違う!!僕は君以外に好きな人なんていない!」
「では何故なのですか?」
好きな人が出来た訳ではないのに突然の婚約解消なんて納得いかない。
「アリアナは、僕に尽くし過ぎている…このままでは僕は駄目な人間になってしまう気がするんだ!それがとても怖くて…すまない、僕の我が儘だ。どうか受け入れて欲しい!」
えぇーっ!そんな事で婚約解消されてしまう私って…。
「待って下さい。わたくしの尽くし過ぎが原因なら、これからはランセル様のなさる事に手出ししないと約束致しますわ。そんな婚約解消なんて…」
「それはそれで嫌なんだよねぇ。色々と考えてアリアナと別れるのが一番良いと思うんだ。父上も説得して了承を得たし、婚約解消は決定だ。ちゃんと慰謝料も払うからさぁー。じゃあ、そう言う事で」
そう言うとランセル様は応接室を出て行った。
訳が分からず呆然として屋敷へと戻る。
「アリアナ!どういう事だ?伯爵家よりお前とランセル君との婚約を解消して欲しいと連絡が来ているのだが?」
「わたくしがランセル様の世話を焼きすぎた様ですわ」
「なんだそれは!?意味が分からん」
「慰謝料も払ってくれるそうですし、お父様に後の事は任せますわ」
あー落ち着いてきたら、段々と腹が立って来た。
この婚約は伯爵家からの申し入れよね!?
なんで私が傷者にされる訳?
「お父様!!落ち着いたら怒りが治まらなくなって来ました。ちょっと影を貸して下さいまし!!」
「な、何を調べるんだ?」
1週間後の影の報告書を読む私…。
はぁーやっぱりね。
「お父様!!伯爵家を呼び出して下さい。我が侯爵家の名を汚す行為、許せませんわっ!」
呼び出された伯爵とランセルは、今更、何の用だとばかりに面倒くさそうに席に着いている。
2人の前に報告書を投げる。
伯爵は、それを手に取り読み始めると顔が蒼白していった。
「父上、その書類はなんです?顔色がどんどん悪くなっていますが…一体何が書いて有るのです?」
伯爵は、報告書をランセルに渡した。
「な、何でバレたんだ!?アリアナ、君が調べさせたのか?汚いぞぉー!!」
どの口が、それを言う。
「この報告書は、私の義父になる国王陛下にも届けさせた。伯爵、まさか君が犯罪に手を染めているとはねぇ…とても残念だよ。この者達を引っ捕らえよっ!!」
「アリアナ、アリアナ、ごめんよアリアナ。許してくれ、僕は君を愛しているんだ!!そして助けてくれぇー!!」
「あら?ランセル様は、わたくしの世話など不要だと言いましたわよね!?さようならですわランセル様」
伯爵家は、私との婚約で我が侯爵家と繋がりを持ち、隣国の貴族に王族と親類関係の侯爵家は、伯爵家の言いなり、我が伯爵家を怒らすと国での取引は難しくなると嘘を付いて多額の賄賂を貰っていたのだ。
そろそろ潮時と判断し、ランセル達はバレる前に東の国にとんずらしようとしていた。
東の国にはランセルが想いを寄せている方がいる。
私との婚約があったので告白はしてない様だが…。
人を馬鹿にするのもいい加減にしろ!!
何が尽くし過ぎだ。何もしないと気が利かないとか、全く侯爵令嬢だからと僕が困っているのに手伝わないの?とか散々言ってたじゃないかっ!!
これから彼らは断罪されると分かっているけれど、まだ怒りは収まらない。
「お父様、次の縁談の相手は、きちんと調べてから進めて下さい!こんな事になったのも、お父様が伯爵の口車に乗せられて私との婚約を了承したのが原因なんですよ。娘の幸せを・・・」
「すまない…」「悪かった…」と項垂れて謝るお父様。
伯爵家が捕まった事で、婚約の事は私に非が無いと周りも分かってくれただろう。
それに私は王妃を伯母に持つ侯爵令嬢だし、婚約解消したと知れば きっと次から次へと縁談の申し入れがあるわよね。
次は私を大切にしてくれる優しい方と婚約して幸せになるわよ~♪
だが影を使って犯罪を暴いた事が噂になり、多くの後ろめたい高位貴族達がアリアナを敬遠したのを彼女は知らないのであった…。
END
突然の婚約者ランセル様の呼び出しに、急いで訪ねてみれば、謝りの言葉からの婚約解消!?
「なぜですの?理由をお聞かせ下さい!」
まさか他に好きな人が?
「僕が悪いのだろう。君が気にする事では無い」
「言っている意味が分かりませんわ…。まさかランセル様は他に…」
「違う!!僕は君以外に好きな人なんていない!」
「では何故なのですか?」
好きな人が出来た訳ではないのに突然の婚約解消なんて納得いかない。
「アリアナは、僕に尽くし過ぎている…このままでは僕は駄目な人間になってしまう気がするんだ!それがとても怖くて…すまない、僕の我が儘だ。どうか受け入れて欲しい!」
えぇーっ!そんな事で婚約解消されてしまう私って…。
「待って下さい。わたくしの尽くし過ぎが原因なら、これからはランセル様のなさる事に手出ししないと約束致しますわ。そんな婚約解消なんて…」
「それはそれで嫌なんだよねぇ。色々と考えてアリアナと別れるのが一番良いと思うんだ。父上も説得して了承を得たし、婚約解消は決定だ。ちゃんと慰謝料も払うからさぁー。じゃあ、そう言う事で」
そう言うとランセル様は応接室を出て行った。
訳が分からず呆然として屋敷へと戻る。
「アリアナ!どういう事だ?伯爵家よりお前とランセル君との婚約を解消して欲しいと連絡が来ているのだが?」
「わたくしがランセル様の世話を焼きすぎた様ですわ」
「なんだそれは!?意味が分からん」
「慰謝料も払ってくれるそうですし、お父様に後の事は任せますわ」
あー落ち着いてきたら、段々と腹が立って来た。
この婚約は伯爵家からの申し入れよね!?
なんで私が傷者にされる訳?
「お父様!!落ち着いたら怒りが治まらなくなって来ました。ちょっと影を貸して下さいまし!!」
「な、何を調べるんだ?」
1週間後の影の報告書を読む私…。
はぁーやっぱりね。
「お父様!!伯爵家を呼び出して下さい。我が侯爵家の名を汚す行為、許せませんわっ!」
呼び出された伯爵とランセルは、今更、何の用だとばかりに面倒くさそうに席に着いている。
2人の前に報告書を投げる。
伯爵は、それを手に取り読み始めると顔が蒼白していった。
「父上、その書類はなんです?顔色がどんどん悪くなっていますが…一体何が書いて有るのです?」
伯爵は、報告書をランセルに渡した。
「な、何でバレたんだ!?アリアナ、君が調べさせたのか?汚いぞぉー!!」
どの口が、それを言う。
「この報告書は、私の義父になる国王陛下にも届けさせた。伯爵、まさか君が犯罪に手を染めているとはねぇ…とても残念だよ。この者達を引っ捕らえよっ!!」
「アリアナ、アリアナ、ごめんよアリアナ。許してくれ、僕は君を愛しているんだ!!そして助けてくれぇー!!」
「あら?ランセル様は、わたくしの世話など不要だと言いましたわよね!?さようならですわランセル様」
伯爵家は、私との婚約で我が侯爵家と繋がりを持ち、隣国の貴族に王族と親類関係の侯爵家は、伯爵家の言いなり、我が伯爵家を怒らすと国での取引は難しくなると嘘を付いて多額の賄賂を貰っていたのだ。
そろそろ潮時と判断し、ランセル達はバレる前に東の国にとんずらしようとしていた。
東の国にはランセルが想いを寄せている方がいる。
私との婚約があったので告白はしてない様だが…。
人を馬鹿にするのもいい加減にしろ!!
何が尽くし過ぎだ。何もしないと気が利かないとか、全く侯爵令嬢だからと僕が困っているのに手伝わないの?とか散々言ってたじゃないかっ!!
これから彼らは断罪されると分かっているけれど、まだ怒りは収まらない。
「お父様、次の縁談の相手は、きちんと調べてから進めて下さい!こんな事になったのも、お父様が伯爵の口車に乗せられて私との婚約を了承したのが原因なんですよ。娘の幸せを・・・」
「すまない…」「悪かった…」と項垂れて謝るお父様。
伯爵家が捕まった事で、婚約の事は私に非が無いと周りも分かってくれただろう。
それに私は王妃を伯母に持つ侯爵令嬢だし、婚約解消したと知れば きっと次から次へと縁談の申し入れがあるわよね。
次は私を大切にしてくれる優しい方と婚約して幸せになるわよ~♪
だが影を使って犯罪を暴いた事が噂になり、多くの後ろめたい高位貴族達がアリアナを敬遠したのを彼女は知らないのであった…。
END
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