お姉様と私の婚約者が駆け落ちしたので、お姉様の代わりに辺境伯に嫁ぎます。

山葵

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一仕事終えたジルフィードは、屋敷に戻ると直ぐにモイス伯爵に事の次第を書き、勝手にカトリーヌを修道院に送った事の謝罪を手紙に綴るとガイルに送る様に手渡した。

「ロイ。アイリスの元婚約者の行方を調べてくれ。…俺の杞憂であれば良いのだが…。」

「了解!まあカトリーヌの事もあったし、心配になるよねぇ~。しかしアイリス様より、あの強烈なカトリーヌを選んだコルドム子爵元令息って、どういう趣味してるのかね?んじゃあ、ちょぉ~っと調べに王都に行ってくるわ。」

確かにロイが言うように、俺も高飛車なカトリーヌよりアイリスの方が断然良いが、人にはそれぞれに好みのタイプがある。
コルドム子爵元令息には、カトリーヌが好みのタイプだったのだろう。
アイリスには可哀想だが、俺はそれで良かったと思う。
もしコルドム子爵元令息とアイリスが相思相愛であったなら、俺はアイリスと出会えなかっただろう。

今の俺には、アイリスを手放す事など考えられない。
アイリスが、コルドム子爵元令息の元に戻りたいと言っても離す事は出来ない。

「まさか、俺がこんな風に考える事になるなんてなぁー。」

俺の呟きを聞いたガイルは、ニタニタと笑っている。
これはロイにバラして、あとで2人で俺を誂うやつだ。

アイリスの事で、誂われるのは恥ずかしいが、悪くない。

30にして遅い初恋か、ここまで待ったかいがあったな。
アイリスは俺の運命の相手なのだ。
必ず幸せにしよう!

ああ早く婚姻の日が来れば良いのに…。
3ヶ月後が待ち遠しい。

「アイリス様にカトリーヌの事は話すのか?」

ガイルの言葉で、アイリス脳から引き戻される。

「カトリーヌがサイザル領に戻った事は話すが、ドレバラ修道院に送った事は話すつもりはない。心優しいアイリスの事だ、心を痛めてしまうだろう。再度、王都に送り返したと伝えるつもりだ。モイス伯爵にも、アイリスにはそう伝えると書いた。」

「その方が良いね。あんな女の為にアイリス様が心を痛める必要はないよ。姉なのに、妹の婚約者を奪った挙げ句、ジルと再度婚約したい為に、アイリス様を貶めるなんて。あんな女が女主人にならなくて良かったよ。まああの女じゃあサイザル領で満足するタイプじゃないし、婚約解消か、結婚したとしても王都にタウンハウスを買って、そっちで暮らすとか言いそうだけれどね。王都で散財してサイザル辺境伯が没落!悪い方にしか想像出来ない女だ。アイリス様には悪いけど、駆け落ちしてくれて良かった!」

ガイルもロイもアイリスを心配し慕ってくれている事がジルフィードは嬉しかった。

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