12 / 14
12
しおりを挟む
一仕事終えたジルフィードは、屋敷に戻ると直ぐにモイス伯爵に事の次第を書き、勝手にカトリーヌを修道院に送った事の謝罪を手紙に綴るとガイルに送る様に手渡した。
「ロイ。アイリスの元婚約者の行方を調べてくれ。…俺の杞憂であれば良いのだが…。」
「了解!まあカトリーヌの事もあったし、心配になるよねぇ~。しかしアイリス様より、あの強烈なカトリーヌを選んだコルドム子爵元令息って、どういう趣味してるのかね?んじゃあ、ちょぉ~っと調べに王都に行ってくるわ。」
確かにロイが言うように、俺も高飛車なカトリーヌよりアイリスの方が断然良いが、人にはそれぞれに好みのタイプがある。
コルドム子爵元令息には、カトリーヌが好みのタイプだったのだろう。
アイリスには可哀想だが、俺はそれで良かったと思う。
もしコルドム子爵元令息とアイリスが相思相愛であったなら、俺はアイリスと出会えなかっただろう。
今の俺には、アイリスを手放す事など考えられない。
アイリスが、コルドム子爵元令息の元に戻りたいと言っても離す事は出来ない。
「まさか、俺がこんな風に考える事になるなんてなぁー。」
俺の呟きを聞いたガイルは、ニタニタと笑っている。
これはロイにバラして、あとで2人で俺を誂うやつだ。
アイリスの事で、誂われるのは恥ずかしいが、悪くない。
30にして遅い初恋か、ここまで待ったかいがあったな。
アイリスは俺の運命の相手なのだ。
必ず幸せにしよう!
ああ早く婚姻の日が来れば良いのに…。
3ヶ月後が待ち遠しい。
「アイリス様にカトリーヌの事は話すのか?」
ガイルの言葉で、アイリス脳から引き戻される。
「カトリーヌがサイザル領に戻った事は話すが、ドレバラ修道院に送った事は話すつもりはない。心優しいアイリスの事だ、心を痛めてしまうだろう。再度、王都に送り返したと伝えるつもりだ。モイス伯爵にも、アイリスにはそう伝えると書いた。」
「その方が良いね。あんな女の為にアイリス様が心を痛める必要はないよ。姉なのに、妹の婚約者を奪った挙げ句、ジルと再度婚約したい為に、アイリス様を貶めるなんて。あんな女が女主人にならなくて良かったよ。まああの女じゃあサイザル領で満足するタイプじゃないし、婚約解消か、結婚したとしても王都にタウンハウスを買って、そっちで暮らすとか言いそうだけれどね。王都で散財してサイザル辺境伯が没落!悪い方にしか想像出来ない女だ。アイリス様には悪いけど、駆け落ちしてくれて良かった!」
ガイルもロイもアイリスを心配し慕ってくれている事がジルフィードは嬉しかった。
「ロイ。アイリスの元婚約者の行方を調べてくれ。…俺の杞憂であれば良いのだが…。」
「了解!まあカトリーヌの事もあったし、心配になるよねぇ~。しかしアイリス様より、あの強烈なカトリーヌを選んだコルドム子爵元令息って、どういう趣味してるのかね?んじゃあ、ちょぉ~っと調べに王都に行ってくるわ。」
確かにロイが言うように、俺も高飛車なカトリーヌよりアイリスの方が断然良いが、人にはそれぞれに好みのタイプがある。
コルドム子爵元令息には、カトリーヌが好みのタイプだったのだろう。
アイリスには可哀想だが、俺はそれで良かったと思う。
もしコルドム子爵元令息とアイリスが相思相愛であったなら、俺はアイリスと出会えなかっただろう。
今の俺には、アイリスを手放す事など考えられない。
アイリスが、コルドム子爵元令息の元に戻りたいと言っても離す事は出来ない。
「まさか、俺がこんな風に考える事になるなんてなぁー。」
俺の呟きを聞いたガイルは、ニタニタと笑っている。
これはロイにバラして、あとで2人で俺を誂うやつだ。
アイリスの事で、誂われるのは恥ずかしいが、悪くない。
30にして遅い初恋か、ここまで待ったかいがあったな。
アイリスは俺の運命の相手なのだ。
必ず幸せにしよう!
ああ早く婚姻の日が来れば良いのに…。
3ヶ月後が待ち遠しい。
「アイリス様にカトリーヌの事は話すのか?」
ガイルの言葉で、アイリス脳から引き戻される。
「カトリーヌがサイザル領に戻った事は話すが、ドレバラ修道院に送った事は話すつもりはない。心優しいアイリスの事だ、心を痛めてしまうだろう。再度、王都に送り返したと伝えるつもりだ。モイス伯爵にも、アイリスにはそう伝えると書いた。」
「その方が良いね。あんな女の為にアイリス様が心を痛める必要はないよ。姉なのに、妹の婚約者を奪った挙げ句、ジルと再度婚約したい為に、アイリス様を貶めるなんて。あんな女が女主人にならなくて良かったよ。まああの女じゃあサイザル領で満足するタイプじゃないし、婚約解消か、結婚したとしても王都にタウンハウスを買って、そっちで暮らすとか言いそうだけれどね。王都で散財してサイザル辺境伯が没落!悪い方にしか想像出来ない女だ。アイリス様には悪いけど、駆け落ちしてくれて良かった!」
ガイルもロイもアイリスを心配し慕ってくれている事がジルフィードは嬉しかった。
268
あなたにおすすめの小説
完結 私の人生に貴方は要らなくなった
音爽(ネソウ)
恋愛
同棲して3年が過ぎた。
女は将来に悩む、だが男は答えを出さないまま……
身を固める話になると毎回と聞こえない振りをする、そして傷つく彼女を見て男は満足そうに笑うのだ。
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
ただずっと側にいてほしかった
アズやっこ
恋愛
ただ貴方にずっと側にいてほしかった…。
伯爵令息の彼と婚約し婚姻した。
騎士だった彼は隣国へ戦に行った。戦が終わっても帰ってこない彼。誰も消息は知らないと言う。
彼の部隊は敵に囲まれ部下の騎士達を逃がす為に囮になったと言われた。
隣国の騎士に捕まり捕虜になったのか、それとも…。
怪我をしたから、記憶を無くしたから戻って来れない、それでも良い。
貴方が生きていてくれれば。
❈ 作者独自の世界観です。
好きな人と結婚出来ない俺に、姉が言った
しがついつか
恋愛
グレイキャット伯爵家の嫡男ジョージには、平民の恋人がいた。
彼女を妻にしたいと訴えるも、身分の差を理由に両親から反対される。
両親は彼の婚約者を選定中であった。
伯爵家を継ぐのだ。
伴侶が貴族の作法を知らない者では話にならない。
平民は諦めろ。
貴族らしく政略結婚を受け入れろ。
好きな人と結ばれない現実に憤る彼に、姉は言った。
「――で、彼女と結婚するために貴方はこれから何をするつもりなの?」
待ってるだけでは何も手に入らないのだから。
妹が私こそ当主にふさわしいと言うので、婚約者を譲って、これからは自由に生きようと思います。
雲丹はち
恋愛
「ねえ、お父さま。お姉さまより私の方が伯爵家を継ぐのにふさわしいと思うの」
妹シエラが突然、食卓の席でそんなことを言い出した。
今まで家のため、亡くなった母のためと思い耐えてきたけれど、それももう限界だ。
私、クローディア・バローは自分のために新しい人生を切り拓こうと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる