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カトリーヌお姉様が、サイザル領に訪れてから1週間が過ぎた。
ジル様は、カトリーヌお姉様は、あのまま王都に戻ったと私に告げた。
王都に戻っても、カトリーヌお姉様のこれからの人生は決して楽なものではないだろう。
カトリーヌお姉様とアルベルトは、自ら茨の道を選んだのだ。
家族を裏切り、自分の幸せの為に、貴族という身分も、今までの煌びやかな生活も捨てたのだ。
これからあの2人が、どんな生活をしようが私には関係ない。
手など絶対に差し出さない!自業自得なのだから!!
「先に裏切ったのはカトリーヌお姉様とアルベルトなのだもの。…私が気にする事などないのに、お姉様が王都でモルト伯爵家の手助けもなく生活して行けるのかと思うと、あの時に手を差し伸べるべきだったのではと落ち込んでしまうの…。」
あの時の私は、カトリーヌお姉様がサイザル領に現れた事の動揺と、お姉様のジル様に向ける視線にイライラしてしまった。
ジル様は、私の婚約者なのよ!そんな眼でジル様を見ないで!!ジル様だけは絶対に誰にも奪われたくない!!!
カトリーヌお姉様の置かれた状況よりも、自分の気持ちを優先してしまった。
国王陛下より婚姻の許可も頂いたのに、ジル様の愛を疑っているわけではないのに…アルベルトに裏切られた事が私の中でトラウマになってしまっている。
こんな気持ちでは駄目ね!
私は、サイザル辺境伯夫人となるのだ。
夫が不在の時に、城を守るのだ。
強くならねばっ!
こんな事で躓いてなどいては行けない。
気持ちを切り替えなくては!と決意したタイミングで、「アイリスが気に病む必要はない。彼らは、自分が犯した事の報いを受けるだけだ。ああ、報いを受けるのは君の姉だけの様だが…。」
「姉だけですか?」
「ああ、君の元…元でも婚約者と言いたくない男だが、元婚約者のコルドム子爵元令息は、カトリーヌ嬢と別れた後、コルドム子爵にも縁を切られたと知ると、コルドム子爵に出入りしている商会の娘に取り入って結婚した様だ。その娘は、君と婚約している時から、彼に恋していたらしく、結婚を条件に商会で雇うと言ったらしい。彼にしては路頭に迷うよりも商会の娘婿になれるのだ、願ったり叶ったりだろう。しかし報いを受けなかったのは腹立たしいが、彼がアイリスに関わる事が二度とないのなら良しと考えるしかあるまい。」
「まあっ!アルベルトは、お姉様と別れて直ぐに別の方と結婚したの?随分と切り替えが早いというか…彼と結婚しなくて本当に良かったわ。」
「本当ですね、お嬢様。」とアンナと2人で驚き、婚約が解消されて良かったと頷いてしまう。
そんな切り替えの早い人、結婚してから浮気する可能性が大である。
けれど、罰を受けるのがカトリーヌお姉様だけなんて、何だか解せない。
「まあ商会と言っても、低位貴族や少しばかり裕福な平民相手の小さな商会です。サイザル辺境伯家、モルト伯爵家が圧を掛ければ直ぐに傾きますよ。」
にこやかにそう言うガイルの眼は笑っていなかった。
…ガイル、怖いわよぉー!
ジル様は、カトリーヌお姉様は、あのまま王都に戻ったと私に告げた。
王都に戻っても、カトリーヌお姉様のこれからの人生は決して楽なものではないだろう。
カトリーヌお姉様とアルベルトは、自ら茨の道を選んだのだ。
家族を裏切り、自分の幸せの為に、貴族という身分も、今までの煌びやかな生活も捨てたのだ。
これからあの2人が、どんな生活をしようが私には関係ない。
手など絶対に差し出さない!自業自得なのだから!!
「先に裏切ったのはカトリーヌお姉様とアルベルトなのだもの。…私が気にする事などないのに、お姉様が王都でモルト伯爵家の手助けもなく生活して行けるのかと思うと、あの時に手を差し伸べるべきだったのではと落ち込んでしまうの…。」
あの時の私は、カトリーヌお姉様がサイザル領に現れた事の動揺と、お姉様のジル様に向ける視線にイライラしてしまった。
ジル様は、私の婚約者なのよ!そんな眼でジル様を見ないで!!ジル様だけは絶対に誰にも奪われたくない!!!
カトリーヌお姉様の置かれた状況よりも、自分の気持ちを優先してしまった。
国王陛下より婚姻の許可も頂いたのに、ジル様の愛を疑っているわけではないのに…アルベルトに裏切られた事が私の中でトラウマになってしまっている。
こんな気持ちでは駄目ね!
私は、サイザル辺境伯夫人となるのだ。
夫が不在の時に、城を守るのだ。
強くならねばっ!
こんな事で躓いてなどいては行けない。
気持ちを切り替えなくては!と決意したタイミングで、「アイリスが気に病む必要はない。彼らは、自分が犯した事の報いを受けるだけだ。ああ、報いを受けるのは君の姉だけの様だが…。」
「姉だけですか?」
「ああ、君の元…元でも婚約者と言いたくない男だが、元婚約者のコルドム子爵元令息は、カトリーヌ嬢と別れた後、コルドム子爵にも縁を切られたと知ると、コルドム子爵に出入りしている商会の娘に取り入って結婚した様だ。その娘は、君と婚約している時から、彼に恋していたらしく、結婚を条件に商会で雇うと言ったらしい。彼にしては路頭に迷うよりも商会の娘婿になれるのだ、願ったり叶ったりだろう。しかし報いを受けなかったのは腹立たしいが、彼がアイリスに関わる事が二度とないのなら良しと考えるしかあるまい。」
「まあっ!アルベルトは、お姉様と別れて直ぐに別の方と結婚したの?随分と切り替えが早いというか…彼と結婚しなくて本当に良かったわ。」
「本当ですね、お嬢様。」とアンナと2人で驚き、婚約が解消されて良かったと頷いてしまう。
そんな切り替えの早い人、結婚してから浮気する可能性が大である。
けれど、罰を受けるのがカトリーヌお姉様だけなんて、何だか解せない。
「まあ商会と言っても、低位貴族や少しばかり裕福な平民相手の小さな商会です。サイザル辺境伯家、モルト伯爵家が圧を掛ければ直ぐに傾きますよ。」
にこやかにそう言うガイルの眼は笑っていなかった。
…ガイル、怖いわよぉー!
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