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7.男二人のクリスマス
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仕事を終えた高見が家に来たのは日付も変わった午前1時だった。
「クリスマス終わっちゃいましたね」
テーブルの上にはアスパラとチーズを春巻きの皮で巻いて揚げ焼きにしたスティックやじゃがバター、塩キャベツ、卵焼きが並んでいる。どれも高見がササっと料理したものだ。
「僕そんなに日にちに拘りないし、いいんじゃん。そういえば美佳もイベント日に拘ってたなぁ。あ、美佳ってこの間振られた元カノなんだけど」
クリスマスは僕の仕事の関係でどうにもならないこともあったが、誕生日やバレンタインデーなんかは絶対だった。会えないとなるとすこぶる機嫌が悪くなるものだから、僕もその日だけはと時間の確保に必死だったのだ。
「きっとそれはイベント日にっていうよりも、特別な日を好きな人と一緒に過ごすことに拘ってたんだと思いますよ」
「え?」
「クリスマスっていう特別な日を好きな人と一緒に過ごしたかったんじゃないかな」
「なんか、お前……女心まで分かるなんてずるいっ!」
「女心っていうわけじゃないんですけどね……あ、羽山さん、飲み過ぎじゃないですか?」
3本目の缶チューハイを開けながら、大丈夫大丈夫、と答える。
「こんなにおいしい料理が並んでるんだもん。久しぶりだし、今日は飲ませてよ。そうだ、お前がケーキがどうのって言ってたから、買っておいたぞ」
「本当ですか?」
「うん、どこにも寄らずに真っ直ぐ来いって言った手前な。コンビニのケーキ、半額になってた。ほら、ちゃんとクリスマスだろ?」
サンタクロースが真ん中に乗っているクリスマスケーキをテーブルの上に置くと高見が目を細めた。
「クリスマス、したかったんだろ?」
一緒にケーキでも食べませんか、ということはクリスマスをしたかったに違いない。
クリスマスをしたいなんて高見も案外子供っぽいよな、そう思いながら購入したのだ。
「羽山さん、それ、ずるいです」
「何が?」
高見は立ち上がるとそのままテーブル越しに僕の顔に顔を近づけてくる。少し傾いた高見の顔。
イケメンってどんな角度でもイケメンなんだなぁ。
そう思っていると高見の唇が僕の唇に触れた。
「んっ……」
しっとりとした少し冷たい高見の唇が僕の熱を奪って少し離れる。
「キス、上手くなりたいんでしょう?」
ん、と呟くと高見の手が僕の後頭部に回った。
「口、開けて」
素直に従ったのは僕が結構酔っていたからだと思う。
僕が開けた唇に重なろうとする高見の唇。うっすらと開いたその唇の中から舌が覗くと妙にエロい気分になる。そのまま重なり、高見の舌が僕の舌を追いかけ撫でる。高見の飲んでいた缶チューハイの桃の味が僕の口の中に広がって甘い。
「ん……甘い」
唇を離すと二人の間に糸が引いて、それが一段とエロくてフワッとした気持ちになった。
高見もキスうまっ。
「もっと練習します?」
そう言ってほほ笑む高見は魅惑的過ぎて、僕は何が何だか分からないまま頷いていた。
昼すぎ。
背中、あったかい……。
布団の中が温かくてもう少し潜ろうと布団を引っ張ろうとして自分のお腹の辺りにある温もりに気が付いた。
そうだ、高見がいるんだ。どうして一緒のベッドに寝ているのかも、なぜ高見に背中を抱きかかえられるようにして眠っているのかも分からないが、昨日高見とお酒を飲んだことは覚えていた。それと、キスをしたことも。
お腹にある高見の手をそっとどけると寝返りを打った。高見と向き合う形になる。
まつ毛、長っ。鼻筋もすっとしてるし、髪の毛もサラサラだ。唇も……。唇、この唇とキスしたのか……。
後頭部に置かれた手の強さ、高見の舌の感触……。結構覚えてる、僕。
「どうしたんですか? 真っ赤な顔して」
「た、高見!?」
びっくりして声が裏返る。
「起きてたのかよ」
「えぇ、まぁ。昨日の練習でも思い出しました?」
「れん……んっ」
高見が体を起こしたかと思うとそのまま僕の唇を奪う。
「復習です」
高見の顔が僕の真上に来て、まるで押し倒されたかのような体勢でキスが深くなった。ピチャ、ピチャっと口内に濡れた音が響く。
昨日もこんなに音してたっけ?
やばい……なんか煽られる。
ようやく解放されると高見の体をぐいっと押しのけた。
「ちょっと、それ以上は……ひゃっ」
顔を反らすと鎖骨にキスをされて変な声が漏れる。
「だ、だぁーっ!! ちょっと、トイレ!」
背後からクスクスと笑う声が聞こえた。
あいつ、エロい。イケメンは経験豊富っ。
僕はトイレにこもるとすっかり立ち上がったソレを鎮めるのに全集中する羽目になった。
「高見、今日の予定はー?」
「特にないですね。しいて言うなら、ゆっくりゴロゴロですかね」
「奇遇だな、僕もだ。映画でも観るか?」
「俺、ここにいていいんですか?」
「別にいいよ。邪魔にならないし、ご飯も作って貰えるし、僕からしたら有難いしかないけど」
「じゃあお言葉に甘えて」
「映画何がいいかなぁ」
「羽山さんはどんな気分ですか?」
「ん~。馬鹿みたいに笑いたい。なーんも考えないで」
「それなら映画っていうよりはお笑い動画の方が良くないですか?」
「確かに」
ベッドを背もたれに並んで座り、一つの布団にくるまってテレビに映した動画を見た。
「ヒーッ、ウケる。ぷっ、くくくく」
爆笑する僕の横で意外にも高見は真顔で、反対に僕が笑わない場面で高見が爆笑する。そしてお互いの笑いのツボの違いに二人で爆笑して、眠くなると高見に寄り掛かって寝た。
「羽山さん起きて下さい。ご飯できましたよ」
「あ……うん」
軽く体をゆすられて目を開けると近くに高見の顔がある。
あぁ……キスか。
高見の首に手を回して体を起こしながら少し首を伸ばして高見の唇に触れた。
「おはよ……うっ!」
驚いた顔をした高見を見て一気に覚醒した。
「あ、悪い。完全に寝ぼけてた」
「いや、いいですけど。羽山さんからしてくれると思わなかったのでびっくりしました」
「あ……そう?」
ヤバい。たった一日で高見とキスをすることに随分慣れた気がする。男同士だし、恋人同士でもないのに。
この休みの過ごし方が今まで一緒に過ごした誰よりも恋人っぽい過ごし方だったことに気が付いたのはこの日から数日たってからだった。
「クリスマス終わっちゃいましたね」
テーブルの上にはアスパラとチーズを春巻きの皮で巻いて揚げ焼きにしたスティックやじゃがバター、塩キャベツ、卵焼きが並んでいる。どれも高見がササっと料理したものだ。
「僕そんなに日にちに拘りないし、いいんじゃん。そういえば美佳もイベント日に拘ってたなぁ。あ、美佳ってこの間振られた元カノなんだけど」
クリスマスは僕の仕事の関係でどうにもならないこともあったが、誕生日やバレンタインデーなんかは絶対だった。会えないとなるとすこぶる機嫌が悪くなるものだから、僕もその日だけはと時間の確保に必死だったのだ。
「きっとそれはイベント日にっていうよりも、特別な日を好きな人と一緒に過ごすことに拘ってたんだと思いますよ」
「え?」
「クリスマスっていう特別な日を好きな人と一緒に過ごしたかったんじゃないかな」
「なんか、お前……女心まで分かるなんてずるいっ!」
「女心っていうわけじゃないんですけどね……あ、羽山さん、飲み過ぎじゃないですか?」
3本目の缶チューハイを開けながら、大丈夫大丈夫、と答える。
「こんなにおいしい料理が並んでるんだもん。久しぶりだし、今日は飲ませてよ。そうだ、お前がケーキがどうのって言ってたから、買っておいたぞ」
「本当ですか?」
「うん、どこにも寄らずに真っ直ぐ来いって言った手前な。コンビニのケーキ、半額になってた。ほら、ちゃんとクリスマスだろ?」
サンタクロースが真ん中に乗っているクリスマスケーキをテーブルの上に置くと高見が目を細めた。
「クリスマス、したかったんだろ?」
一緒にケーキでも食べませんか、ということはクリスマスをしたかったに違いない。
クリスマスをしたいなんて高見も案外子供っぽいよな、そう思いながら購入したのだ。
「羽山さん、それ、ずるいです」
「何が?」
高見は立ち上がるとそのままテーブル越しに僕の顔に顔を近づけてくる。少し傾いた高見の顔。
イケメンってどんな角度でもイケメンなんだなぁ。
そう思っていると高見の唇が僕の唇に触れた。
「んっ……」
しっとりとした少し冷たい高見の唇が僕の熱を奪って少し離れる。
「キス、上手くなりたいんでしょう?」
ん、と呟くと高見の手が僕の後頭部に回った。
「口、開けて」
素直に従ったのは僕が結構酔っていたからだと思う。
僕が開けた唇に重なろうとする高見の唇。うっすらと開いたその唇の中から舌が覗くと妙にエロい気分になる。そのまま重なり、高見の舌が僕の舌を追いかけ撫でる。高見の飲んでいた缶チューハイの桃の味が僕の口の中に広がって甘い。
「ん……甘い」
唇を離すと二人の間に糸が引いて、それが一段とエロくてフワッとした気持ちになった。
高見もキスうまっ。
「もっと練習します?」
そう言ってほほ笑む高見は魅惑的過ぎて、僕は何が何だか分からないまま頷いていた。
昼すぎ。
背中、あったかい……。
布団の中が温かくてもう少し潜ろうと布団を引っ張ろうとして自分のお腹の辺りにある温もりに気が付いた。
そうだ、高見がいるんだ。どうして一緒のベッドに寝ているのかも、なぜ高見に背中を抱きかかえられるようにして眠っているのかも分からないが、昨日高見とお酒を飲んだことは覚えていた。それと、キスをしたことも。
お腹にある高見の手をそっとどけると寝返りを打った。高見と向き合う形になる。
まつ毛、長っ。鼻筋もすっとしてるし、髪の毛もサラサラだ。唇も……。唇、この唇とキスしたのか……。
後頭部に置かれた手の強さ、高見の舌の感触……。結構覚えてる、僕。
「どうしたんですか? 真っ赤な顔して」
「た、高見!?」
びっくりして声が裏返る。
「起きてたのかよ」
「えぇ、まぁ。昨日の練習でも思い出しました?」
「れん……んっ」
高見が体を起こしたかと思うとそのまま僕の唇を奪う。
「復習です」
高見の顔が僕の真上に来て、まるで押し倒されたかのような体勢でキスが深くなった。ピチャ、ピチャっと口内に濡れた音が響く。
昨日もこんなに音してたっけ?
やばい……なんか煽られる。
ようやく解放されると高見の体をぐいっと押しのけた。
「ちょっと、それ以上は……ひゃっ」
顔を反らすと鎖骨にキスをされて変な声が漏れる。
「だ、だぁーっ!! ちょっと、トイレ!」
背後からクスクスと笑う声が聞こえた。
あいつ、エロい。イケメンは経験豊富っ。
僕はトイレにこもるとすっかり立ち上がったソレを鎮めるのに全集中する羽目になった。
「高見、今日の予定はー?」
「特にないですね。しいて言うなら、ゆっくりゴロゴロですかね」
「奇遇だな、僕もだ。映画でも観るか?」
「俺、ここにいていいんですか?」
「別にいいよ。邪魔にならないし、ご飯も作って貰えるし、僕からしたら有難いしかないけど」
「じゃあお言葉に甘えて」
「映画何がいいかなぁ」
「羽山さんはどんな気分ですか?」
「ん~。馬鹿みたいに笑いたい。なーんも考えないで」
「それなら映画っていうよりはお笑い動画の方が良くないですか?」
「確かに」
ベッドを背もたれに並んで座り、一つの布団にくるまってテレビに映した動画を見た。
「ヒーッ、ウケる。ぷっ、くくくく」
爆笑する僕の横で意外にも高見は真顔で、反対に僕が笑わない場面で高見が爆笑する。そしてお互いの笑いのツボの違いに二人で爆笑して、眠くなると高見に寄り掛かって寝た。
「羽山さん起きて下さい。ご飯できましたよ」
「あ……うん」
軽く体をゆすられて目を開けると近くに高見の顔がある。
あぁ……キスか。
高見の首に手を回して体を起こしながら少し首を伸ばして高見の唇に触れた。
「おはよ……うっ!」
驚いた顔をした高見を見て一気に覚醒した。
「あ、悪い。完全に寝ぼけてた」
「いや、いいですけど。羽山さんからしてくれると思わなかったのでびっくりしました」
「あ……そう?」
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