【完結】スーツ男子の歩き方

SAI

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29. 欲張り ☆

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「あっ、あっ、あんっ」
「はぁ、羽山さん、ナカに出したい。出してもいい?」
「ん」
「ちょっと移動しますね」

繋がったまま抱きかかえられてベッドの上に転がった。ベッドに転がった瞬間、高見の匂いに包まれてまた中が締まる。僕の顔の脇に手をついて、うっすらと目を開けた高見が執拗に腰を打ち付けた。

「くっ……キツ……」

高見が少し苦しそうに表情を歪める。気持ちいい、そういう表情だ。吐き出す呼吸が細かく早くなり、高見が息を止めた。

「……っ、イクっ」

高見のペニスがビクンビクンと震え、中に別の熱を感じた。ドクン、ドクンと注がれている。まるで俺のモノだとマーキングされているようで高見の背中を抱きしめた。

「はぁ……っ、俺、今まで、こんなんじゃなかったんです」

肩で息をしながら高見が呟く。

「ん?」

「性欲……弱くはないけど強い方でもなくて。でも羽山さんとだと歯止めが効かなくなるっていうか」

まだ重なったままの高見の体を横に転がしてみる。

「高見……顔、真っ赤なんだけど」
「分かってます。今、なんか凄く恥ずかしいし」
「まだ立ってるし?」

「クソっ」

こんな言葉を使う高見も初めてだ。高見は僕に覆いかぶさるとまだ硬いソレを僕の中に挿入した。

「んっ……はぁ」

さっきまで入っていたモノがまた戻ってくる感覚。空いた場所が埋まる感覚が愛おしくて首を反らせて息を吐いた。反らせた首に高見が唇をつける。

「女性相手じゃ感じなくなるくらいに気持ち良くして、俺から離れられない様にするつもりだったんですけど、俺が離せなくなった」

高見が僕の耳に口を寄せる。そして少し怯えたような声で囁いた。

「こんな俺でも嫌いにならないでください」

高見の腰がゆっくりと動いている。僕の内部のあらゆるところに触れるようにかき回して、自分の形を覚えさせるように抜き差しする。

「嫌い、に、ならない……から、す……きに、して……いい」

さっき注がれた精液が高見が抜き差しするたびに零れている気がする。ぬちゅぬちゅとした卑猥な音は止むことはなく、ずっと耳を犯していた。

「後悔しないでくださいよ」

「ん」

体を横にして右足を高く抱えられ腰を打ち付けられる。

「なっ、あっ、なんか、ちがうぅっ」

「いつもと違う場所に当たるでしょ?」

気持ちいいところから少しずれた場所。突き上げられるたびに振動が前立腺を刺激して足ががくがく震える。

「あぁっ、なに、これ」
「イきたくてもイケないでしょ。こうしてグズグズになっていく羽山さんって凄くいいんですよ」
「なんだよ……それっ」
「ほっぺも色づいて唇も赤くて、気持ち良くてたまらないって姿です。ずっと腰も動いてるし」

自分の姿をこうして言葉にされると、恥ずかしくて、その恥ずかしい姿を高見が可愛いと言ってくれることが嬉しくてどんどん快楽に落ちていく。

繋がるだけじゃ埋まらなくて、気持ちいいだけじゃ足りなくて、もっと、もっと。

「僕……よく……張り…、みた、い」
「何が……はぁっ……ですか?」

高見の頬を汗が落ちる。

「もっと……高見が、欲しいっ」

体を繋げて、好きだと言われて、それでもまだ欲しいだなんて、僕はなんて欲張りなのだろう。自分がこんなに人を好きになれるなんて知らなかった。

「なんで、そんな風に笑ってくれるんですか?」

ポタっと頬に雫が落ちて見上げれば涙目の高見がいた。

「泣いて……」
「無いです」
「あっ……急に……、激し……」

激しく体を揺さぶられながら抱えられた足に高見の舌を感じる。

「欲しいだけ……あげる。羽山さんになら……ぜんぶ」
「あっ、あっ、あぁっ!!」




もう何度達したか分からない。どっちの精液か分からないほどぐちゃぐちゃになって、なんとかシャワーを浴びに行こうとベッドを降りて転んだ。

「大丈夫ですか?」
「あ、足腰、立たない」
「ぷっ」
「ぷっ、あはははは」

二人で顔を見合わせて笑う。

「盛りのついた子供みたいで、本当に恥ずかしい。いい歳して」
「俺は凄く嬉しくて、幸せですけどね」
「そりゃあ、もう……」

なんだか急に恥ずかしくなって「僕も」と言った言葉はとても小さくなった。それでも高見にはしっかりと届いているらしく、高見は嬉しそうにほほ笑んだ。


「一緒にシャワー、浴びましょ」
高見に手を差し出されて手を重ねる。

「高見は足腰は何ともないの?」
「少しガクガクするかな、くらいですね。俺、一応、鍛えてるんで」
「僕も鍛えようかなぁ」

「ジムは駄目ですよ。露出も高いし、トレーナーさんと密着することもあるし、それでなくても羽山さんはなんか、行動がエロいんで」

「なっ、行動がエロいって何だよ。初めて聞いた、そんなの。反応するのは高見くらいだよ」
「反応するのが俺だけならまだ安心なんですけどね」
「高見ってもしかして結構妬くタイプ?」

「そう、みたいです」
「気をつけます」
「お願いします」

お互い頭を下げてからまた笑う。

「きっとこういう感じでいいんだな」

高見が「ん?」と僕を見る。

「勝手に判断するんじゃなくて、ちゃんと話をしよう。そんなに簡単に嫌いになんかならないし、なれないから、話をしてそれから考える、ことにする」

「俺も、俺もそうします!」


シャワーを浴びてスッキリして寝室へ戻ると、えも知れない匂いとドロドロのシーツが目に入った。

「まずはここの掃除か」
「そうですね」
「一気に現実に戻るな」
「ですね。ははは」

シーツを引っ張って洗濯機に放り込んで、消臭スプレーを撒いて喚起をした。体を寄せ合って布団に入る。こんな満たされた気持ちでベッドに入るのは久しぶりだった。

「そういえば、高見はあのお店によく行ってるの?」
「五郎さんのところ?」
「ん」

「大学生の頃かな。自分と同じように同性を好きな人に会いたくていろんな店に行って、行きついたのがあそこだったんです」

「そっか……。あそこ居心地いいもんな。近々、謝りに行こう。なんか騒がせちゃったし」
「え? 行くの?」
「ダメなの?」

「いや、行ってもいいですけど、俺がいる時にしてくれますか? ヒデさんの態度も気になるし。ってか、俺のいない時、結構行ってました?」

「うん、行ってた」
「酔っぱらってました?」
「まぁ、そうだな」

高見はおでこに手を置いて「お店に行くのは、暫くは俺と一緒の時だけにしてくださいね」と言って僕の肩に頭を乗せた。

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