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3.あの頃と同じこと、違うこと。***
[1]ー6
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「正直困ってる」
ぽつりと聞こえた言葉に数秒前の決意が吹き飛んだ。じわりとまぶたが熱くなり顔をそむける。
「ごめんなさい、困らせて。気にしないで忘れて」
「違うんだ。困るのは自分にだ」
「え?」
どういうこと? 思わず動きを止めて凝視する。
「再会してからずっと、香ちゃんが時々まったく知らない女性に見えてしまう。そのたびに、妹みたいなものだと自分に言い聞かせていた」
「妹じゃないわ」
「……ああ、そうだ」
短くそう言った彼は、私の手をつかみそのままソファーに押しつけた。
「これが証拠だ」
腰をグイっと私の太ももあたりに押しつける。
「あ……っ」
硬い感触の正体に気づき、一瞬で全身がカッと熱くなった。
「おまえはどうなんだ。このまま続けてもいいのか?」
無理強いをするつもりはないと、眉根を寄せながら彼が言う。
私が今ここで『やっぱり無理』だと言えばすぐにでもやめてくれるだろう。彼の職業を考えれば、それは絶対のことのように思える。それでなくとも、彼は子どもの頃から一度たりとも私の嫌がることをしたことがない。
けれどここで『NO』と口にしたら最後、もう二度と〝妹〟から脱却することはない気がする。これはきっと最初で最後のチャンスなのだ。
決して瞳を揺らすまいと真っすぐ見つめ、口を開いた。
「私は一度だって〝兄〟だなんて思ったことない」
形のよいアーモンドアイが見開かれた後、噛みつくように口づけられた。
重ねられた唇は、ついさっきまでの激しい口づけで濡れている。
助走もなく口腔を貪るような濃厚すぎる口づけに、見る見る息が上がる。相変わらず心臓は破裂しそうなほど脈打っているが、やめたいとは思えない。
彼の目に初めて〝ひとりの女性〟として映っている。それがたまらなくうれしくて、彼のシャツを握りしめながら必死について行く。
頭の芯が痺れたようになった頃、やっと口が解放された。酸素を求めて大きく息を吸い込む。
「んっ」
ブラウスの裾から侵入してきた手が腰をなぞった。ビクンと体を跳ねさせたら、背中に回った手がブラのフックを外した。
「……っ!」
一瞬で緩んだ胸の締め付けに目を見開いたとき、下着ごとブラウスを頭から引き抜かれた。
「きゃあっ」
慌てて腕で隠そうとしたが、彼の方が早かった。両手首を大きな手でひとまとめにされ、ソファーの上に押しつけられる。うっすらと目を細めた彼に、あらわになった双丘を見下ろされ、全身がカッと燃えるように熱くなった。
「きれいだ」
潤んだまぶたをぎゅっとつむり顔を横に向けると、耳のすぐ横で低くささやかれる。背筋がぞくんと痺れて首をすくませた瞬間、耳朶をパクリと口に含まれた。
「ひぁっ」
弾力を愉しむように唇で食みながら舌で転がされる。逃れようと頭を振ったが、余裕たっぷりに追いかけくる。耳輪の縁をなぞりながら、耳の中まで入ってきた。
「……っ!」
一瞬で背中が粟立った。
頭の奥にダイレクトに響く淫猥な水音とぬめる生温かい感触に、なすすべもなく喘ぎ悶える。自分の内側からなにかが溶け出すような感覚に、内ももを擦り合わせたとき、膨らみを片手でつかまれた。
「やっ、ふっ、んん……っ」
やわやわと弾力を愉しむように揉みしだかれて、甲高い声が飛び出しそうになるのを下唇を噛んで必死にこらえる。
「声、我慢しなくていいのに」
そんなこと言われても無理だ。こんなあられもない声、誰にも聞かせたことがない。小さく首を横に振る。
「恥ずかしい?」
今度は縦に振ったらクスリと笑う声がする。指の腹で頂にある赤い実を挟まれた。
「あ……っ」
ビリビリと電流のような痺れが走り、背中がのけ反る。大きな手は乳房を尖りごとこねだした。
「あぁんっ、やっ、あぁっ……っ」
先端をきゅっと挟んだまま揉みしだかれ、声をこらえ切れない。
痛みを感じる一歩手前の絶妙な力加減に追い詰められる。我慢しようと思えば思うほど大きくなる声はあまりに淫らで、羞恥のあまり涙が込み上げた。
「もぉ……いっ」
大きく頭を左右に振ると、目尻に溜まっていたしずくがこめかみを滑り落ちる。
「痛い?」
反射的に首を縦に振った。そうすればやめてもらえると思ったのだ。案の定、彼は「悪かった」と言って手を緩めた。
ぽつりと聞こえた言葉に数秒前の決意が吹き飛んだ。じわりとまぶたが熱くなり顔をそむける。
「ごめんなさい、困らせて。気にしないで忘れて」
「違うんだ。困るのは自分にだ」
「え?」
どういうこと? 思わず動きを止めて凝視する。
「再会してからずっと、香ちゃんが時々まったく知らない女性に見えてしまう。そのたびに、妹みたいなものだと自分に言い聞かせていた」
「妹じゃないわ」
「……ああ、そうだ」
短くそう言った彼は、私の手をつかみそのままソファーに押しつけた。
「これが証拠だ」
腰をグイっと私の太ももあたりに押しつける。
「あ……っ」
硬い感触の正体に気づき、一瞬で全身がカッと熱くなった。
「おまえはどうなんだ。このまま続けてもいいのか?」
無理強いをするつもりはないと、眉根を寄せながら彼が言う。
私が今ここで『やっぱり無理』だと言えばすぐにでもやめてくれるだろう。彼の職業を考えれば、それは絶対のことのように思える。それでなくとも、彼は子どもの頃から一度たりとも私の嫌がることをしたことがない。
けれどここで『NO』と口にしたら最後、もう二度と〝妹〟から脱却することはない気がする。これはきっと最初で最後のチャンスなのだ。
決して瞳を揺らすまいと真っすぐ見つめ、口を開いた。
「私は一度だって〝兄〟だなんて思ったことない」
形のよいアーモンドアイが見開かれた後、噛みつくように口づけられた。
重ねられた唇は、ついさっきまでの激しい口づけで濡れている。
助走もなく口腔を貪るような濃厚すぎる口づけに、見る見る息が上がる。相変わらず心臓は破裂しそうなほど脈打っているが、やめたいとは思えない。
彼の目に初めて〝ひとりの女性〟として映っている。それがたまらなくうれしくて、彼のシャツを握りしめながら必死について行く。
頭の芯が痺れたようになった頃、やっと口が解放された。酸素を求めて大きく息を吸い込む。
「んっ」
ブラウスの裾から侵入してきた手が腰をなぞった。ビクンと体を跳ねさせたら、背中に回った手がブラのフックを外した。
「……っ!」
一瞬で緩んだ胸の締め付けに目を見開いたとき、下着ごとブラウスを頭から引き抜かれた。
「きゃあっ」
慌てて腕で隠そうとしたが、彼の方が早かった。両手首を大きな手でひとまとめにされ、ソファーの上に押しつけられる。うっすらと目を細めた彼に、あらわになった双丘を見下ろされ、全身がカッと燃えるように熱くなった。
「きれいだ」
潤んだまぶたをぎゅっとつむり顔を横に向けると、耳のすぐ横で低くささやかれる。背筋がぞくんと痺れて首をすくませた瞬間、耳朶をパクリと口に含まれた。
「ひぁっ」
弾力を愉しむように唇で食みながら舌で転がされる。逃れようと頭を振ったが、余裕たっぷりに追いかけくる。耳輪の縁をなぞりながら、耳の中まで入ってきた。
「……っ!」
一瞬で背中が粟立った。
頭の奥にダイレクトに響く淫猥な水音とぬめる生温かい感触に、なすすべもなく喘ぎ悶える。自分の内側からなにかが溶け出すような感覚に、内ももを擦り合わせたとき、膨らみを片手でつかまれた。
「やっ、ふっ、んん……っ」
やわやわと弾力を愉しむように揉みしだかれて、甲高い声が飛び出しそうになるのを下唇を噛んで必死にこらえる。
「声、我慢しなくていいのに」
そんなこと言われても無理だ。こんなあられもない声、誰にも聞かせたことがない。小さく首を横に振る。
「恥ずかしい?」
今度は縦に振ったらクスリと笑う声がする。指の腹で頂にある赤い実を挟まれた。
「あ……っ」
ビリビリと電流のような痺れが走り、背中がのけ反る。大きな手は乳房を尖りごとこねだした。
「あぁんっ、やっ、あぁっ……っ」
先端をきゅっと挟んだまま揉みしだかれ、声をこらえ切れない。
痛みを感じる一歩手前の絶妙な力加減に追い詰められる。我慢しようと思えば思うほど大きくなる声はあまりに淫らで、羞恥のあまり涙が込み上げた。
「もぉ……いっ」
大きく頭を左右に振ると、目尻に溜まっていたしずくがこめかみを滑り落ちる。
「痛い?」
反射的に首を縦に振った。そうすればやめてもらえると思ったのだ。案の定、彼は「悪かった」と言って手を緩めた。
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