5 / 61
本編
ep03_2
しおりを挟む
で、部屋に到着。
先導してくれたひとは帰っちゃって、部屋にふたりきり。
あ、外にはちゃんと警備のひとがつくみたい。……なんか、どっちかっていうと、オッサンが逃げないようにするためのひとっぽいけど……。
「すごーい! 豪華じゃん!」
なかに入るなり、とりあえず探索するよね。
旅行のパンフレットとかで見る、ちょっとお高いホテルの部屋みたいだ!
「お、おい……」
「ほら、オッサ……ちが、えーっと、ノウトさん? うーん、ギリアロさんも、探険しましょうよ」
名前はギリアロのほうだよね?
ギリアロさんでいっか。
「元気だなオイ」
「まあね。ワインはいってるおかげで、ちょっとハイかも」
「マジかよ……」
オッサンってば、お部屋に入ったところにあるソファーに早速座って、早々にくたびれてる。うーん、もしかして体力も結構オッサン?
じゃ、オッサンの代わりにあたしがひととおり探険しちゃおっかな。
このおっきな部屋以外にも、いくつか部屋がくっついてるっぽい。
えーと、まずは書斎でしょ。……これはオッサン用の部屋になるのかな。
それから、クローゼット? ……うん、広めのウォークインクローゼットだね。
いまはまだ空っぽなんだけど、お買い物については、またエドアルド殿下に相談しなきゃだよね。
元の世界の鞄持ってきたけど、お金ぜったい役に立たないし。……あたし、この国で自由に使えるお金もらえるよね?
あとは小さなキッチンもついてた! やったー!
そうだよね。そうだよねっ! おつまみくらいは作りたいもんね。
タイル張りで、他の部屋とちがってシンプルな誂えがカワイイ。
本格的なキッチンではないんだけど、いろいろ機材みたいなのがそろっていてさ。たぶんお湯湧かしたりとか、フライパンとかで簡単に炒めるとかならできそう。
これ、自分で料理していい感じ? うーん、これからのご飯のこともまた聞かなきゃ。
それから、部屋とは別に、お風呂とトイレもちゃんとついてて、お風呂はなんと猫足! すっごい可愛いの。晶精機器をつかったシャワーもあるみたいだし、カンペキだね。
で、改めてここ――入り口はいったとこの大きな部屋に戻ってくる。
うーん、オッサンはあいかわらずソファーでくたびれてるなー。
かなり広くて、大きなストーブみたいなのがついてる。あ、でも、火をくべるんじゃなくて、ここにも晶精エネルギーってのをつかうのかも。
装飾とかはお城の鉄っぽいのとは全然ちがって、しゃれてるの。家具は意外と木製のものも多い。
外は鉄と鋼で近未来的だけど、部屋の中はアンティークっぽい家具も置いてあるかんじ。
今オッサンが寝てるソファーがある他に、丸いテーブルなんかもあって、くつろぐにはいい部屋だよね。ちょっと家具が豪華すぎる気がするけど。
……でね?
さいごにね? その部屋のなかで――めちゃくちゃ存在感あるし、気になってたものに目をむける。
だっだっだって早足であるものの方へ歩いていって――ダイヴッ!
ああ、やっぱり。見た目通り、そこそこ弾力あった、よかったー!
「うわ……」
後ろでオッサンにひかれちゃったけど気にしないよー。
だって、おっきな――どこをどう見てもキングサイズのベッドだもん。飛び込みたくなるよね。
ベッド一個しかないあたり、思うところはあるけどね。うーん、ふたり共用かあ。ちゃんとした個人の部屋とか、ないよねここ。
「広いし、半分こでいいかな」
「はあ?」
「旦那さま? 右と左、どっちにしますー?」
「はあああ?」
いやいや、そんなわけのわからないものを見る目で見ないでほしいな。
「いやいや。正気か? いいよ、お前さんそれ使え。俺はソファーでいい」
「えっ。だめですよー。これからしばらくここに住むんでしょう? 寝る場所って大事だから、体壊しちゃう。せめて一日交代が妥当じゃ?」
「できるか」
「うーん。じゃ、やっぱり半分こ。大丈夫ですよ、けっこう広いし」
「……マジかよ」
「別にそんな気にしないですよ。じゃ、あたし、こっち。ギリアロさん反対側ね? 蹴り落としたらごめんなさい」
「……」
あれれ、ヤバ。完全にひかれちゃってる。
「あはは。まあ、長いつきあいになるみたいだし、早く慣れましょ。うん!」
「おいおい、マジかよ」
「マジです。とりあえず、お風呂。ね? お風呂しましょ? 先入ります?」
なんて言いながら、ベッドの上に畳んで置いてあったパジャマっぽい服に手をかける。
ええと? レースがひらひらの方があたしのだよね。――って、両手にとってばさーってひらいて、即後悔した。
「……」
「……ええと」
……すごーい、すけすけだー。
…………うん。
ひらっひらで、多分丈もぎりぎり隠れるか隠れないかくらいなんだけど、そもそもこれだけすけすけじゃ隠れるモノも隠れないよね?
「…………なんていうか、この国、押せ押せがすごいですね?」
「~~~~っ」
この結婚、書類上だけじゃだめっぽいの?
うーん。エドアルド殿下が単に楽しんでるだけっぽいってのもあるけど……。
って、オッサン、動揺しすぎっ。
オッサンてば額押さえて立ち上がって、入り口の方へ歩いていっちゃって。
「帰るっ」
って言いながら出てったら、そっこー外の見張りの人たちに押し戻されてるんだけど。
うーん……なんか、ご、ごめんね?
先導してくれたひとは帰っちゃって、部屋にふたりきり。
あ、外にはちゃんと警備のひとがつくみたい。……なんか、どっちかっていうと、オッサンが逃げないようにするためのひとっぽいけど……。
「すごーい! 豪華じゃん!」
なかに入るなり、とりあえず探索するよね。
旅行のパンフレットとかで見る、ちょっとお高いホテルの部屋みたいだ!
「お、おい……」
「ほら、オッサ……ちが、えーっと、ノウトさん? うーん、ギリアロさんも、探険しましょうよ」
名前はギリアロのほうだよね?
ギリアロさんでいっか。
「元気だなオイ」
「まあね。ワインはいってるおかげで、ちょっとハイかも」
「マジかよ……」
オッサンってば、お部屋に入ったところにあるソファーに早速座って、早々にくたびれてる。うーん、もしかして体力も結構オッサン?
じゃ、オッサンの代わりにあたしがひととおり探険しちゃおっかな。
このおっきな部屋以外にも、いくつか部屋がくっついてるっぽい。
えーと、まずは書斎でしょ。……これはオッサン用の部屋になるのかな。
それから、クローゼット? ……うん、広めのウォークインクローゼットだね。
いまはまだ空っぽなんだけど、お買い物については、またエドアルド殿下に相談しなきゃだよね。
元の世界の鞄持ってきたけど、お金ぜったい役に立たないし。……あたし、この国で自由に使えるお金もらえるよね?
あとは小さなキッチンもついてた! やったー!
そうだよね。そうだよねっ! おつまみくらいは作りたいもんね。
タイル張りで、他の部屋とちがってシンプルな誂えがカワイイ。
本格的なキッチンではないんだけど、いろいろ機材みたいなのがそろっていてさ。たぶんお湯湧かしたりとか、フライパンとかで簡単に炒めるとかならできそう。
これ、自分で料理していい感じ? うーん、これからのご飯のこともまた聞かなきゃ。
それから、部屋とは別に、お風呂とトイレもちゃんとついてて、お風呂はなんと猫足! すっごい可愛いの。晶精機器をつかったシャワーもあるみたいだし、カンペキだね。
で、改めてここ――入り口はいったとこの大きな部屋に戻ってくる。
うーん、オッサンはあいかわらずソファーでくたびれてるなー。
かなり広くて、大きなストーブみたいなのがついてる。あ、でも、火をくべるんじゃなくて、ここにも晶精エネルギーってのをつかうのかも。
装飾とかはお城の鉄っぽいのとは全然ちがって、しゃれてるの。家具は意外と木製のものも多い。
外は鉄と鋼で近未来的だけど、部屋の中はアンティークっぽい家具も置いてあるかんじ。
今オッサンが寝てるソファーがある他に、丸いテーブルなんかもあって、くつろぐにはいい部屋だよね。ちょっと家具が豪華すぎる気がするけど。
……でね?
さいごにね? その部屋のなかで――めちゃくちゃ存在感あるし、気になってたものに目をむける。
だっだっだって早足であるものの方へ歩いていって――ダイヴッ!
ああ、やっぱり。見た目通り、そこそこ弾力あった、よかったー!
「うわ……」
後ろでオッサンにひかれちゃったけど気にしないよー。
だって、おっきな――どこをどう見てもキングサイズのベッドだもん。飛び込みたくなるよね。
ベッド一個しかないあたり、思うところはあるけどね。うーん、ふたり共用かあ。ちゃんとした個人の部屋とか、ないよねここ。
「広いし、半分こでいいかな」
「はあ?」
「旦那さま? 右と左、どっちにしますー?」
「はあああ?」
いやいや、そんなわけのわからないものを見る目で見ないでほしいな。
「いやいや。正気か? いいよ、お前さんそれ使え。俺はソファーでいい」
「えっ。だめですよー。これからしばらくここに住むんでしょう? 寝る場所って大事だから、体壊しちゃう。せめて一日交代が妥当じゃ?」
「できるか」
「うーん。じゃ、やっぱり半分こ。大丈夫ですよ、けっこう広いし」
「……マジかよ」
「別にそんな気にしないですよ。じゃ、あたし、こっち。ギリアロさん反対側ね? 蹴り落としたらごめんなさい」
「……」
あれれ、ヤバ。完全にひかれちゃってる。
「あはは。まあ、長いつきあいになるみたいだし、早く慣れましょ。うん!」
「おいおい、マジかよ」
「マジです。とりあえず、お風呂。ね? お風呂しましょ? 先入ります?」
なんて言いながら、ベッドの上に畳んで置いてあったパジャマっぽい服に手をかける。
ええと? レースがひらひらの方があたしのだよね。――って、両手にとってばさーってひらいて、即後悔した。
「……」
「……ええと」
……すごーい、すけすけだー。
…………うん。
ひらっひらで、多分丈もぎりぎり隠れるか隠れないかくらいなんだけど、そもそもこれだけすけすけじゃ隠れるモノも隠れないよね?
「…………なんていうか、この国、押せ押せがすごいですね?」
「~~~~っ」
この結婚、書類上だけじゃだめっぽいの?
うーん。エドアルド殿下が単に楽しんでるだけっぽいってのもあるけど……。
って、オッサン、動揺しすぎっ。
オッサンてば額押さえて立ち上がって、入り口の方へ歩いていっちゃって。
「帰るっ」
って言いながら出てったら、そっこー外の見張りの人たちに押し戻されてるんだけど。
うーん……なんか、ご、ごめんね?
応援ありがとうございます!
23
お気に入りに追加
1,137
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる