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降参(6)
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「ちょっと、やめてよ! 私、絶対変な顔してたよね!?」
「ライラ様、動かないで」
「ううっ」
ストップをかけるも、ユスファは真剣な顔をしてキャンバスに向かったままだ。
なんなんだ、この羞恥プレイは。
恥ずかしいから、今度からはやっぱりモデルになるのは遠慮して、勝手に描いてもらうとしよう。私が見なければ、こんなに羞恥心に襲われることもないのだから。
「って、今気付いたんだけど」
「どうした」
ハッと顔を上げて、すぐにまたユスファに怒られてしまうと定位置に戻す。
ただアーシュのことはしっかり睨みつけ、ジト目で訴えた。
「私の魔力を吸収することがわかっていたのに、あなた、私に――」
エッチしたわけね! と直接の単語は言いにくい。一応、ユスファもいるので。
真っ赤になりながら抗議すると、アーシュはなんということもないという顔で言ってのける。
「さすがにそれは俺だって把握していなかった。まさか君が達――」
「あああ――――!!」
「――っしたら、あんなに魔力を放出するなどと」
「もうっ! 恥ずかしいから言わないでっ!!」
「君が訊ねてきたのだろう? ――そうだな。あれは素晴らしかった。君の魔力は眩しいくらいに鮮やかで、鮮烈で。それが体内に流れ込んできた瞬間――」
「わああああ! もういいっ! もういいからっ!!」
ソファーから立ち上がってアーシュの口を塞ぎに行きたいくらいだけど、ユスファの目が笑っていない。
なんていうか、普段は胃が痛そうにしているのに、絵に向かった瞬間に人格が変わるというか、有無を言わせない強さがある。というわけで、私も強く出られない。
「とにかくっ! それがわかってるなら、もうこれ以上、夜は――」
恥ずかしすぎて話を切ろうとしたとき、アーシュが長い脚でこちらに闊歩してくるのがわかった。
「ユスファ」
アーシュが後ろに向かって手を払うと、ユスファは少しだけ名残惜しそうな顔をしながらも、大きくため息をつく。
「わかりました。ご随意に」
そうして、なにも言わずアトリエから出ていってしまった。
パタン、と扉が閉められる。
中には私とアーシュだけが取り残され、私は妙に落ち着かなくなる。
もうポーズを取る必要もないから、上半身を起こして隣をあける。アーシュはそこにゆっくりと腰掛け、私の両手をギュッと包むように握った。
「心配はしなくていい。俺の祝福は、君の魔力こそ吸収するが、大元の祝福までも吸い取るものではない――と思う」
「思う」
……最後のひとことで、とんでもなく不安になってしまうのは仕方がないことだと思う。
「正確にはわかるはずもないからな。俺は、君以外と身体を繋げたことはないし、今後もその気はないから」
「っ、そう、なの……」
「無論だ」
唐突にとんでもない情報が追加されたけれども、まあ、基本的には貴族女性は結婚相手に処女を捧げ、以降もそれ以外の者とは身体を繋げないとされている。だから、私以外に妃がいないのであれば、今まで身体を繋げる相手がいないというのもわかる。
それでも、表情筋こそ死滅していたものの、アーシュほど顔がよくて能力も高ければ、王位継承権がなかろうと妃になりたい女性などごまんといたと思うのだけれども。
(故郷の兄様たちを見ているから、ちょっと脳がついていかないかも)
何人妃を娶るんだってくらい、誰も彼もが奥方たちを侍らせていたもので。
お妃様がいないのは、それこそセイラン兄様くらいだった。それもあって、余計に兄様を信用してたところもある。
(つまり、アーシュにとって私が、最初で最後の相手――)
こんなところで、彼の一途さに心を貫かれるものの、ひとまず落ち着こう。
私は深呼吸をして、話の続きに耳を傾ける。
「だが、俺の体質は魔力を吸収するものだ。魔法攻撃を受けたときも、祝福自体を奪ったことはただの一度もない。君は、祝福が大きすぎて魔力が空っぽになることがないから、回復にも時間がかかると思うが、そのうち戻ると思うから安心してくれ」
「そう、なの……?」
不安に揺れながら彼の黒玉を見返すと、彼がふっと目を細めた。
「まあ、君に赤の色彩が戻ってもらったら困るから、定期的に身体は繋げさせてもらうがな」
「ちょ……!」
まさかのお誘いにボンッと頬が上気するが、いや、色々と疑問はある。
そもそも、過去に魔力を限界まで放出したときだって、髪や瞳の色まで変色することはなかったし。
(アーシュの祝福が特殊だから? 私の祝福も変質した? うう、わからない……)
頭を抱えたくなるも、様子を見てみないことにはなんとも言えないというのも本音だ。
「とにかく、本当に回復するか一度試してみなくちゃね」
「そうだな。俺の言葉が正しかったと、証明してみせよう」
「じゃあ、ひとまず1カ月からかしら?」
「え?」
何の話だ、とアーシュが瞬く。
「うん? 魔力を回復するか様子を見ないといけないでしょう? 昨日まで2週間あいだが開いたときも、ちょっと髪色戻ってるんじゃないかなって思ってたのよ。微々たる変化だったけどさ。――2週間でわからないなら、1カ月くらい様子を見るしかないじゃない? だから、それまでは」
「それまでは」
「同衾はナシで――ヒイイッ!?」
「…………っ!!!」
久しぶりに来た。
ギンッ!という殺気混じりの眼光攻撃。
いやほんと、心臓に悪すぎる。そんなにショックだったのかと目を剥く。
「1カ月間も待たずとも、魔力が回復するかどうかはわかるだろう」
「でも、一度〈命脈〉にも触れられるか見ておきたいし」
「……無理にその役割をしなくてもいいと言った」
「やらないと、私が落ち着かないの」
「ぐ……」
私がやりたい、という希望を伝えると、さすがにそれ以上は強く出ることもできないようだ。
アーシュはぐぬぬ、と歯を噛みしめながら、言葉を選んでいる。
「俺たちは新婚ではなかったのか?」
「それはそう、だけど」
「あと一回」
「え?」
「実験期間とやらを取る前に、一回」
「アーシュ」
くぅん、くぅん。と、雨に濡れた子犬の鳴き声が聞こえた。相当な大型犬だけれども。
(いや、まあ、今は魔力が空っぽの状態だから、これで身体を繋げても、なにも外に出るものなんてない。あんまり無駄にはならないけど)
ヤリ納め、みたいなものかと考えると抵抗感がある。
「でも、私の魔力。本当だったら、ノルヴェンのためにあますことなく使いた――」
「ライラ」
訴えるような顔。
(――あ、うん。負けた)
責任感とか使命感とか色々あるけれど。それでも。
(私だって、アーシュに甘えたい気持ちはあるし)
こくり、と頷くと、アーシュはすごく幸せそうに口角を上げる。
その眩しいくらいの笑顔に、私の心はもう持ちそうになくて。
(ほんとに駄目になってる。どうしよ。可愛い。嬉しい。幸せ)
こんな笑顔をさせられてるのは、私なんだなって。
表情筋が変わらない彼の表情をこうも豊かにしてあげられることに、えも言えない感動がこみ上げてくる。
「好き、よ?」
気がつけば、蚊が鳴くような声で訴えている。
恥ずかしくて、俯いて、顔をあげることなんてできそうにないけれど。
あ。
そういえばこの単語、声に出して言ったのは初めてかもしれない。
と気付いたものの、反応は全然ない。
どうしたんだろ、と顔を上げたところで、目を見開いたまま固まっているアーシュと目が合った。
彼の頬が、赤い。今まで見たことがないくらいに、ゆでだこみたいに真っ赤になってる。
「――――ライラ!」
次の瞬間にはガバッとソファーに押し倒されていた。
歯がぶつかるほどの勢いでキスをされ、あれよあれよという間に深く舌を絡め取られる。
抵抗する暇なんてない。
彼はドレスの下から手を侵入させ、私の太腿を擦りながら下腹部に到達し――。
「ちょ! ちょっとちょっとちょっと! ここで!?」
「夜まで待つつもりだったが、無理だ」
「政務は!? ほっぽり出してていいの!?」
「もとよりこの時間はあけていた。まだ少しなら大丈夫だ」
「って言いながら、あなたズルズルと仕事後回しにしがちなんでしょ!? 真面目そうな顔してすぐサボるってユスファ言ってたわよ!」
「君が眠ってから本気を出そう」
「そう言う人は永遠に出さないのよっ!」
「無論、今も本気だ」
「ああ言えばこう言う!」
(誰よ、アーシュが寡黙だって言ったのは! 全然寡黙じゃないし自己主張激しいし饒舌じゃない!)
混乱しているうちに、彼はするんと私の下着を下げ、ぺろりと食べられちゃいました、とさ。
ちなみに、こうなることを見越したユスファは、アーシュの仕事を整理してくれていたみたい。
……なんというか、絶対にユスファのお給料上げてあげたほうがいいと思う。
「ライラ様、動かないで」
「ううっ」
ストップをかけるも、ユスファは真剣な顔をしてキャンバスに向かったままだ。
なんなんだ、この羞恥プレイは。
恥ずかしいから、今度からはやっぱりモデルになるのは遠慮して、勝手に描いてもらうとしよう。私が見なければ、こんなに羞恥心に襲われることもないのだから。
「って、今気付いたんだけど」
「どうした」
ハッと顔を上げて、すぐにまたユスファに怒られてしまうと定位置に戻す。
ただアーシュのことはしっかり睨みつけ、ジト目で訴えた。
「私の魔力を吸収することがわかっていたのに、あなた、私に――」
エッチしたわけね! と直接の単語は言いにくい。一応、ユスファもいるので。
真っ赤になりながら抗議すると、アーシュはなんということもないという顔で言ってのける。
「さすがにそれは俺だって把握していなかった。まさか君が達――」
「あああ――――!!」
「――っしたら、あんなに魔力を放出するなどと」
「もうっ! 恥ずかしいから言わないでっ!!」
「君が訊ねてきたのだろう? ――そうだな。あれは素晴らしかった。君の魔力は眩しいくらいに鮮やかで、鮮烈で。それが体内に流れ込んできた瞬間――」
「わああああ! もういいっ! もういいからっ!!」
ソファーから立ち上がってアーシュの口を塞ぎに行きたいくらいだけど、ユスファの目が笑っていない。
なんていうか、普段は胃が痛そうにしているのに、絵に向かった瞬間に人格が変わるというか、有無を言わせない強さがある。というわけで、私も強く出られない。
「とにかくっ! それがわかってるなら、もうこれ以上、夜は――」
恥ずかしすぎて話を切ろうとしたとき、アーシュが長い脚でこちらに闊歩してくるのがわかった。
「ユスファ」
アーシュが後ろに向かって手を払うと、ユスファは少しだけ名残惜しそうな顔をしながらも、大きくため息をつく。
「わかりました。ご随意に」
そうして、なにも言わずアトリエから出ていってしまった。
パタン、と扉が閉められる。
中には私とアーシュだけが取り残され、私は妙に落ち着かなくなる。
もうポーズを取る必要もないから、上半身を起こして隣をあける。アーシュはそこにゆっくりと腰掛け、私の両手をギュッと包むように握った。
「心配はしなくていい。俺の祝福は、君の魔力こそ吸収するが、大元の祝福までも吸い取るものではない――と思う」
「思う」
……最後のひとことで、とんでもなく不安になってしまうのは仕方がないことだと思う。
「正確にはわかるはずもないからな。俺は、君以外と身体を繋げたことはないし、今後もその気はないから」
「っ、そう、なの……」
「無論だ」
唐突にとんでもない情報が追加されたけれども、まあ、基本的には貴族女性は結婚相手に処女を捧げ、以降もそれ以外の者とは身体を繋げないとされている。だから、私以外に妃がいないのであれば、今まで身体を繋げる相手がいないというのもわかる。
それでも、表情筋こそ死滅していたものの、アーシュほど顔がよくて能力も高ければ、王位継承権がなかろうと妃になりたい女性などごまんといたと思うのだけれども。
(故郷の兄様たちを見ているから、ちょっと脳がついていかないかも)
何人妃を娶るんだってくらい、誰も彼もが奥方たちを侍らせていたもので。
お妃様がいないのは、それこそセイラン兄様くらいだった。それもあって、余計に兄様を信用してたところもある。
(つまり、アーシュにとって私が、最初で最後の相手――)
こんなところで、彼の一途さに心を貫かれるものの、ひとまず落ち着こう。
私は深呼吸をして、話の続きに耳を傾ける。
「だが、俺の体質は魔力を吸収するものだ。魔法攻撃を受けたときも、祝福自体を奪ったことはただの一度もない。君は、祝福が大きすぎて魔力が空っぽになることがないから、回復にも時間がかかると思うが、そのうち戻ると思うから安心してくれ」
「そう、なの……?」
不安に揺れながら彼の黒玉を見返すと、彼がふっと目を細めた。
「まあ、君に赤の色彩が戻ってもらったら困るから、定期的に身体は繋げさせてもらうがな」
「ちょ……!」
まさかのお誘いにボンッと頬が上気するが、いや、色々と疑問はある。
そもそも、過去に魔力を限界まで放出したときだって、髪や瞳の色まで変色することはなかったし。
(アーシュの祝福が特殊だから? 私の祝福も変質した? うう、わからない……)
頭を抱えたくなるも、様子を見てみないことにはなんとも言えないというのも本音だ。
「とにかく、本当に回復するか一度試してみなくちゃね」
「そうだな。俺の言葉が正しかったと、証明してみせよう」
「じゃあ、ひとまず1カ月からかしら?」
「え?」
何の話だ、とアーシュが瞬く。
「うん? 魔力を回復するか様子を見ないといけないでしょう? 昨日まで2週間あいだが開いたときも、ちょっと髪色戻ってるんじゃないかなって思ってたのよ。微々たる変化だったけどさ。――2週間でわからないなら、1カ月くらい様子を見るしかないじゃない? だから、それまでは」
「それまでは」
「同衾はナシで――ヒイイッ!?」
「…………っ!!!」
久しぶりに来た。
ギンッ!という殺気混じりの眼光攻撃。
いやほんと、心臓に悪すぎる。そんなにショックだったのかと目を剥く。
「1カ月間も待たずとも、魔力が回復するかどうかはわかるだろう」
「でも、一度〈命脈〉にも触れられるか見ておきたいし」
「……無理にその役割をしなくてもいいと言った」
「やらないと、私が落ち着かないの」
「ぐ……」
私がやりたい、という希望を伝えると、さすがにそれ以上は強く出ることもできないようだ。
アーシュはぐぬぬ、と歯を噛みしめながら、言葉を選んでいる。
「俺たちは新婚ではなかったのか?」
「それはそう、だけど」
「あと一回」
「え?」
「実験期間とやらを取る前に、一回」
「アーシュ」
くぅん、くぅん。と、雨に濡れた子犬の鳴き声が聞こえた。相当な大型犬だけれども。
(いや、まあ、今は魔力が空っぽの状態だから、これで身体を繋げても、なにも外に出るものなんてない。あんまり無駄にはならないけど)
ヤリ納め、みたいなものかと考えると抵抗感がある。
「でも、私の魔力。本当だったら、ノルヴェンのためにあますことなく使いた――」
「ライラ」
訴えるような顔。
(――あ、うん。負けた)
責任感とか使命感とか色々あるけれど。それでも。
(私だって、アーシュに甘えたい気持ちはあるし)
こくり、と頷くと、アーシュはすごく幸せそうに口角を上げる。
その眩しいくらいの笑顔に、私の心はもう持ちそうになくて。
(ほんとに駄目になってる。どうしよ。可愛い。嬉しい。幸せ)
こんな笑顔をさせられてるのは、私なんだなって。
表情筋が変わらない彼の表情をこうも豊かにしてあげられることに、えも言えない感動がこみ上げてくる。
「好き、よ?」
気がつけば、蚊が鳴くような声で訴えている。
恥ずかしくて、俯いて、顔をあげることなんてできそうにないけれど。
あ。
そういえばこの単語、声に出して言ったのは初めてかもしれない。
と気付いたものの、反応は全然ない。
どうしたんだろ、と顔を上げたところで、目を見開いたまま固まっているアーシュと目が合った。
彼の頬が、赤い。今まで見たことがないくらいに、ゆでだこみたいに真っ赤になってる。
「――――ライラ!」
次の瞬間にはガバッとソファーに押し倒されていた。
歯がぶつかるほどの勢いでキスをされ、あれよあれよという間に深く舌を絡め取られる。
抵抗する暇なんてない。
彼はドレスの下から手を侵入させ、私の太腿を擦りながら下腹部に到達し――。
「ちょ! ちょっとちょっとちょっと! ここで!?」
「夜まで待つつもりだったが、無理だ」
「政務は!? ほっぽり出してていいの!?」
「もとよりこの時間はあけていた。まだ少しなら大丈夫だ」
「って言いながら、あなたズルズルと仕事後回しにしがちなんでしょ!? 真面目そうな顔してすぐサボるってユスファ言ってたわよ!」
「君が眠ってから本気を出そう」
「そう言う人は永遠に出さないのよっ!」
「無論、今も本気だ」
「ああ言えばこう言う!」
(誰よ、アーシュが寡黙だって言ったのは! 全然寡黙じゃないし自己主張激しいし饒舌じゃない!)
混乱しているうちに、彼はするんと私の下着を下げ、ぺろりと食べられちゃいました、とさ。
ちなみに、こうなることを見越したユスファは、アーシュの仕事を整理してくれていたみたい。
……なんというか、絶対にユスファのお給料上げてあげたほうがいいと思う。
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