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黒い獣が風を裂いて俺へと向かってくる。考えるよりも早く脳内に機体の操作方法が流し込まれる。武装は砲門が機体下部左右に1つずつのみ。弾は己の魔力から生まれて射出される。出力はギンレイが調整…上等だ。幸い黒い獣達の攻撃方法は体当たりのみのようで、火だの水だのを飛ばしてきたりはしない。俺はただ直撃を受けないように馬鹿正直に向かって来る黒い獣達をバカ正直に真っ向から迎撃するのみである。前方からくる風圧は機体の鋭利なフォルムが真っ二つに裂いてくれて、横に長く広がる後方のウイングは都度動いて真空エネルギーを受け流してくれている。つまり。
「VRシューティングゲームやってて良かったァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァぁ!!!」
視界に入った黒いやつらに魔力弾を撃ち込め中てれば、黒い獣は黒い粒子になって空中に舞って散る。なに、慣れりゃどーってこたな《敵性魔力吸収。機体の魔力に変換します》
「え?」
レギンレイヴが黒い粒子を吸い込み、それをまた糧にして弾にする。
「お前そんな機能もあんの!?」
敵を吸収して自らの魔力に変換するとは。成程それなら俺の魔力負担は少ない。優秀すぎるこの機体。それとも『GDS-1』と言う物がそう出来ているのか。だとすれば製作者が一番優秀だ。
《私と言う機体は奏者様の能力及び身体機能によって性能が変わります。つまりこの魔力吸収及び変換機能は私ではなく仮主様の能力によるものです…敵の数が多いのでホーミング射撃弾に移行しますか?》
「『俺』の!?いやでも流石に弾種変更までは」
《そちらは私と言う機体の基本性能です。弾種選択は奏者様にお任せします》
空中に現れるステンシル。弾種は単発、連射型光弾と、広範囲型、レーザーにホーミング弾と言った所だ。
「ほ、ホーミング…?じゃあそれで!!」
言われるがまま口にした。ただ叫んだ。
《音声認証完了》
ギンレイの機械的な声が響くや否やホーミング弾は緑や青と言った星のような形で輝きながら敵へ向かって飛んでいく。キラキラしてて本当に星のようだ。しかし威力は少し低い。だが複数の敵にまとめて着弾するようだ。射程範囲も短いが自動追尾して敵に中るのは便利。レーザーは貫通型。硬い敵にはこっちの方がいいのか?ちょうど向かってきた眼のない亀のような黒い獣に撃ち込むと、貫通してその後ろにいた黒い獣にも着弾した。砕けた魔力の粒子は自動的に吸収される。
「本当にSTG(シューティングゲーム)じみてやがんな…」
しかし矢張り数が多い。頭上にある黒い靄から次々と溢れては俺に群がってくる。魔力的な問題はないとしても疲労は免れない。キリがないのだ。だとすると。
「ギンレイ、垂直に高度を上げてそのまま靄の中に突っ込むぞ」
黒い獣の発生源は間違いなく頭上の靄である。ならば元を断つしかないと思った。決めたのなら一直線だ。間違えていても間違えていなくとも、少なからずあの小さな生物が生き永らえる時間は延びる。勿論俺も死ぬつもりはないが、このままではいずれ呑まれて墜ちる。だったらやれる事を出来るだけやらないと。機体の鎌首をもたげて加速、上昇する。黒い獣達が俺達を追って後に続く。下から見れば柱のようにも見えるであろう数だ。可能な限り引き付けないと…。
「───────ッ」
急に両手足が灼けるように内側から熱くなった。
《敵性高魔力反応検知。回避します》
それを体感したと同時に垂直に上昇して黒い靄に突っ込むや否や更に加速度を上げて背面宙返りをする。そうして、見た。
追って来た黒い獣達が根こそぎ舌のように蠢く複数の何かに絡め取られて消えたのを。その様はまるでカエルかカメレオンの捕食を見たような感覚で。
「(もし加速してなかったら俺達が捕まってたかも知れねぇな…)」
そんな事を考えてゾッとした。
《独立結界内部到達》
「は?結界内に更に結界があるのか…ッ!?」
足元に海が広がっていた。刹那に。
「何で下から来る!?」
最初に見た時は空間的に横から来たと思ってた紐みたいな物が海面から『生えて』いるように見えた。見ただけだが紐は的が小さいし幅がないから躱すしかなくて後退しつつ絡まれるのを回避する。浮いたまま後ろ飛び出来るのって凄くないか。普通戦闘機とかって前に進む事しか出来なくない?助かったけど何この機体、信じらんねぇ開発者頭イカれてるんじゃねえかってくらいイレギュラー計算力高いんだけど。頭ン中どうなってんだよ。とか考えてたら紐がなぜか引っ込んで一拍おけた。
「なにいまの?『触手』?」
見て感じたままの感想が口をついた。何なのかがわからんかったのでコレって俺の感想ですよねそうです。そも何で急に『海』が出たんだよ。黒い雲に突っ込むまでは足元『森』だったじゃんよ…『結界の中の結界』だからなのか?
「う、ん?」
でも黒い靄に突っ込んだ直後の灼けるような熱さは身体からなくなっていた。
「(遠ざかった…?の、か?)」
『何』が遠ざかったのかはわからないが、もしかしてそれが結界を張っている奴なのかも知れない。
《独立結界魔力素反応、敵性高魔力素反応、一致》
「っぱ、そうか」
大雑把甚だしいが結果的に思っていた事が当たっていたらしい。だが独立結界とやらを張ったのが高い魔力を持つ何者かの仕業だとわかっただけで、ソルフェジオと呼称された『場所』を囲んでいる結界を張ったヤツとは限らないが、突撃してしまった以上ひとまずはこの独立結界を張っている何かを抑えないとソルフェジオにすら戻れはしないだろう。戻れたとしてもそこからどうするかまでは考ちゃねえが、独立結界とやらに突っ込んでしまった以上はまずこの黒いなにかを退けなけりゃ俺が死ぬ。それは嫌だ。それはなんとシンプルな事柄であろうか。
「ギンレイ、『触手』の魔力を辿れるか。触手があるならそれは身体の一部だ。俺の考えとしては結界主は触手の本体だ。なら黙って殴ってシバいて出てくけど間違ってたらお前に謝って土下座する」
《謝罪は不要です。魔力逆探知トレース開始》
だからシンプルに終えるかも知れない方法を口にした。大事な事だからもっかい言ったのだ。何か腹立ってきたんだよな、何で俺が得体の知れねえ輩に殺されそうになってんだよ冗談じゃねえよだったら殺られる前に殺ってやらぁな。
「撃ってきたってな事ぁ撃たれる覚悟があるんだろ、だったら脳天ブチ抜いて結界も抜けてやるぜ」
どこぞの誰かの言葉を引用したりして瞬時に恐怖を怒りに変える。今はそうでもしないと切り抜けられない状況だった。ヤケクソとも言うが。何であれ生死のやりとりをしている事は理解した。黒い獣を次々に撃ち抜いては吸収しながら前へ前へと飛んで行くと、いよいよ黒い弾を吐き出しくる鳥の形をした黒い獣が出てくる。弾を回避しては撃ち抜いてを繰り返して被弾を防ぐ…が、疲労が蓄積していくのは免れない。
「ッ!」
気を抜いたら軽い衝撃で機体内が揺れた。
《左舷被弾。損傷極めて軽微。自動修復します》
え、凄いな。そんな機能もある─────…いや、違う。機体は奏者の能力や身体機能が反映すると言っていた。
「………………………ん」
頭を振って薄ら寒さを思考から蹴散らす。今はそんな事を考えている場合じゃない。油断したら死ぬんだ。敵意を持って向かってくるならば撃つだけだ。
撃て。
撃て。
────────────撃つ。
「よし」
ある程度蹴散らし、鳥の形をした黒い獣を叩いたら見通しが良くなった。確実に前進している。
「ぬ」
そして進んでいたらやがて水中から牙が鋭くて蝙蝠の羽根を持つデカいトビウオみたいなヤツが大きく水柱を上げて浮上して立ちはだかる。挨拶代わりに軽く一発光弾を撃ち込んだら青く輝く硬い鱗に弾かれたし、口からレーザー並の貫通力がありそうな水鉄砲を吐いてきた。それを躱しつつ考える。こいつは明らかに普通のトビウオではない。が、敵が堅く強くなっていると言う事はこの先に守るないしは隠したい何かがあるって事だろう。だって前に『水だの炎だの吐いてこなけりゃ云々~』とかタカを括っていたらコレときた。出来すぎではあろうが考えてなかったわけでもない。
「レーザー連弾で鱗を抜ければ良し、だが…」
相手が大人しく待ってくれる訳もなく、羽根を羽撃かせて真空波を2発3発と撃ってくる。それを横に躱しながらレーザーを撃つが狙いが定まらずに鱗を数枚削るだけに留まり、俺も掠る程度だが被弾してしまう。速いな、コイツ。
「チッ」
つい舌打ちが出てしまった程度には煩わしい。トビウオの後ろから次々と黒いピラニアみたいなものが体当たりを仕掛けてきたり水鉄砲を吐いたりしてくる。それを撃ち抜いては魔力を吸収しつつトビウオに狙いを定めて射撃を続ける。的が大きいから幾らかは直撃させる事が出来てきた。だが厚い鱗に対して着弾させても手応えを感じる事が出来ない。こう言う時に狙うとしたら…。
「ギンレイ、逆探中で悪ィがあのトビウオの目玉か口の中狙ったらブッ殺せるか?」
外部に露出してる粘膜から脳味噌を撃ち抜くしかないと思うのだ。
《同時演算。生態解析開始。────解析完了。ぶっころせます》
……いかんいかん、腹が立ちすぎて汚い言葉を吐いてしまった。機械の教育に良くない。ともあれ勝機はあると言う事か。なら殺ろう───じゃない、やろう。
「そうか、なら眼球を狙う。そのまま文字通り脳天をブチ抜いてやろうじゃねぇか」
口を狙うと吐き出された水鉄砲に威力を相殺される可能性がある。だが大きかろうが魚は魚。目蓋がない。そも脳死確定一点突破一撃必殺の機があるならそれを狙うは必定。そしてそれが可能となれば俺の魔力とやらを消費して弾に換えて撃つ事と言う消耗戦は止めだ。ひとまずひたすら相手の攻撃を回避して回避して回避し、機を伺って目玉から脳を貫通させる事だけを考える事にする。
《逆探知成功。前方エネミー後方、強魔力体感知。距離71000メートル》
それって近いの?遠いの?まあいい。
「索敵ありがとな、まずァ逃しゃしねぇぞトビウオよォ!こんがり美味しく綺麗に『上手に焼けました』してやらァ!!!」
煮ても焼いてもクソ不味そうなオサカナをとっととブチ抜くとする。
食わないけど。
「VRシューティングゲームやってて良かったァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァぁ!!!」
視界に入った黒いやつらに魔力弾を撃ち込め中てれば、黒い獣は黒い粒子になって空中に舞って散る。なに、慣れりゃどーってこたな《敵性魔力吸収。機体の魔力に変換します》
「え?」
レギンレイヴが黒い粒子を吸い込み、それをまた糧にして弾にする。
「お前そんな機能もあんの!?」
敵を吸収して自らの魔力に変換するとは。成程それなら俺の魔力負担は少ない。優秀すぎるこの機体。それとも『GDS-1』と言う物がそう出来ているのか。だとすれば製作者が一番優秀だ。
《私と言う機体は奏者様の能力及び身体機能によって性能が変わります。つまりこの魔力吸収及び変換機能は私ではなく仮主様の能力によるものです…敵の数が多いのでホーミング射撃弾に移行しますか?》
「『俺』の!?いやでも流石に弾種変更までは」
《そちらは私と言う機体の基本性能です。弾種選択は奏者様にお任せします》
空中に現れるステンシル。弾種は単発、連射型光弾と、広範囲型、レーザーにホーミング弾と言った所だ。
「ほ、ホーミング…?じゃあそれで!!」
言われるがまま口にした。ただ叫んだ。
《音声認証完了》
ギンレイの機械的な声が響くや否やホーミング弾は緑や青と言った星のような形で輝きながら敵へ向かって飛んでいく。キラキラしてて本当に星のようだ。しかし威力は少し低い。だが複数の敵にまとめて着弾するようだ。射程範囲も短いが自動追尾して敵に中るのは便利。レーザーは貫通型。硬い敵にはこっちの方がいいのか?ちょうど向かってきた眼のない亀のような黒い獣に撃ち込むと、貫通してその後ろにいた黒い獣にも着弾した。砕けた魔力の粒子は自動的に吸収される。
「本当にSTG(シューティングゲーム)じみてやがんな…」
しかし矢張り数が多い。頭上にある黒い靄から次々と溢れては俺に群がってくる。魔力的な問題はないとしても疲労は免れない。キリがないのだ。だとすると。
「ギンレイ、垂直に高度を上げてそのまま靄の中に突っ込むぞ」
黒い獣の発生源は間違いなく頭上の靄である。ならば元を断つしかないと思った。決めたのなら一直線だ。間違えていても間違えていなくとも、少なからずあの小さな生物が生き永らえる時間は延びる。勿論俺も死ぬつもりはないが、このままではいずれ呑まれて墜ちる。だったらやれる事を出来るだけやらないと。機体の鎌首をもたげて加速、上昇する。黒い獣達が俺達を追って後に続く。下から見れば柱のようにも見えるであろう数だ。可能な限り引き付けないと…。
「───────ッ」
急に両手足が灼けるように内側から熱くなった。
《敵性高魔力反応検知。回避します》
それを体感したと同時に垂直に上昇して黒い靄に突っ込むや否や更に加速度を上げて背面宙返りをする。そうして、見た。
追って来た黒い獣達が根こそぎ舌のように蠢く複数の何かに絡め取られて消えたのを。その様はまるでカエルかカメレオンの捕食を見たような感覚で。
「(もし加速してなかったら俺達が捕まってたかも知れねぇな…)」
そんな事を考えてゾッとした。
《独立結界内部到達》
「は?結界内に更に結界があるのか…ッ!?」
足元に海が広がっていた。刹那に。
「何で下から来る!?」
最初に見た時は空間的に横から来たと思ってた紐みたいな物が海面から『生えて』いるように見えた。見ただけだが紐は的が小さいし幅がないから躱すしかなくて後退しつつ絡まれるのを回避する。浮いたまま後ろ飛び出来るのって凄くないか。普通戦闘機とかって前に進む事しか出来なくない?助かったけど何この機体、信じらんねぇ開発者頭イカれてるんじゃねえかってくらいイレギュラー計算力高いんだけど。頭ン中どうなってんだよ。とか考えてたら紐がなぜか引っ込んで一拍おけた。
「なにいまの?『触手』?」
見て感じたままの感想が口をついた。何なのかがわからんかったのでコレって俺の感想ですよねそうです。そも何で急に『海』が出たんだよ。黒い雲に突っ込むまでは足元『森』だったじゃんよ…『結界の中の結界』だからなのか?
「う、ん?」
でも黒い靄に突っ込んだ直後の灼けるような熱さは身体からなくなっていた。
「(遠ざかった…?の、か?)」
『何』が遠ざかったのかはわからないが、もしかしてそれが結界を張っている奴なのかも知れない。
《独立結界魔力素反応、敵性高魔力素反応、一致》
「っぱ、そうか」
大雑把甚だしいが結果的に思っていた事が当たっていたらしい。だが独立結界とやらを張ったのが高い魔力を持つ何者かの仕業だとわかっただけで、ソルフェジオと呼称された『場所』を囲んでいる結界を張ったヤツとは限らないが、突撃してしまった以上ひとまずはこの独立結界を張っている何かを抑えないとソルフェジオにすら戻れはしないだろう。戻れたとしてもそこからどうするかまでは考ちゃねえが、独立結界とやらに突っ込んでしまった以上はまずこの黒いなにかを退けなけりゃ俺が死ぬ。それは嫌だ。それはなんとシンプルな事柄であろうか。
「ギンレイ、『触手』の魔力を辿れるか。触手があるならそれは身体の一部だ。俺の考えとしては結界主は触手の本体だ。なら黙って殴ってシバいて出てくけど間違ってたらお前に謝って土下座する」
《謝罪は不要です。魔力逆探知トレース開始》
だからシンプルに終えるかも知れない方法を口にした。大事な事だからもっかい言ったのだ。何か腹立ってきたんだよな、何で俺が得体の知れねえ輩に殺されそうになってんだよ冗談じゃねえよだったら殺られる前に殺ってやらぁな。
「撃ってきたってな事ぁ撃たれる覚悟があるんだろ、だったら脳天ブチ抜いて結界も抜けてやるぜ」
どこぞの誰かの言葉を引用したりして瞬時に恐怖を怒りに変える。今はそうでもしないと切り抜けられない状況だった。ヤケクソとも言うが。何であれ生死のやりとりをしている事は理解した。黒い獣を次々に撃ち抜いては吸収しながら前へ前へと飛んで行くと、いよいよ黒い弾を吐き出しくる鳥の形をした黒い獣が出てくる。弾を回避しては撃ち抜いてを繰り返して被弾を防ぐ…が、疲労が蓄積していくのは免れない。
「ッ!」
気を抜いたら軽い衝撃で機体内が揺れた。
《左舷被弾。損傷極めて軽微。自動修復します》
え、凄いな。そんな機能もある─────…いや、違う。機体は奏者の能力や身体機能が反映すると言っていた。
「………………………ん」
頭を振って薄ら寒さを思考から蹴散らす。今はそんな事を考えている場合じゃない。油断したら死ぬんだ。敵意を持って向かってくるならば撃つだけだ。
撃て。
撃て。
────────────撃つ。
「よし」
ある程度蹴散らし、鳥の形をした黒い獣を叩いたら見通しが良くなった。確実に前進している。
「ぬ」
そして進んでいたらやがて水中から牙が鋭くて蝙蝠の羽根を持つデカいトビウオみたいなヤツが大きく水柱を上げて浮上して立ちはだかる。挨拶代わりに軽く一発光弾を撃ち込んだら青く輝く硬い鱗に弾かれたし、口からレーザー並の貫通力がありそうな水鉄砲を吐いてきた。それを躱しつつ考える。こいつは明らかに普通のトビウオではない。が、敵が堅く強くなっていると言う事はこの先に守るないしは隠したい何かがあるって事だろう。だって前に『水だの炎だの吐いてこなけりゃ云々~』とかタカを括っていたらコレときた。出来すぎではあろうが考えてなかったわけでもない。
「レーザー連弾で鱗を抜ければ良し、だが…」
相手が大人しく待ってくれる訳もなく、羽根を羽撃かせて真空波を2発3発と撃ってくる。それを横に躱しながらレーザーを撃つが狙いが定まらずに鱗を数枚削るだけに留まり、俺も掠る程度だが被弾してしまう。速いな、コイツ。
「チッ」
つい舌打ちが出てしまった程度には煩わしい。トビウオの後ろから次々と黒いピラニアみたいなものが体当たりを仕掛けてきたり水鉄砲を吐いたりしてくる。それを撃ち抜いては魔力を吸収しつつトビウオに狙いを定めて射撃を続ける。的が大きいから幾らかは直撃させる事が出来てきた。だが厚い鱗に対して着弾させても手応えを感じる事が出来ない。こう言う時に狙うとしたら…。
「ギンレイ、逆探中で悪ィがあのトビウオの目玉か口の中狙ったらブッ殺せるか?」
外部に露出してる粘膜から脳味噌を撃ち抜くしかないと思うのだ。
《同時演算。生態解析開始。────解析完了。ぶっころせます》
……いかんいかん、腹が立ちすぎて汚い言葉を吐いてしまった。機械の教育に良くない。ともあれ勝機はあると言う事か。なら殺ろう───じゃない、やろう。
「そうか、なら眼球を狙う。そのまま文字通り脳天をブチ抜いてやろうじゃねぇか」
口を狙うと吐き出された水鉄砲に威力を相殺される可能性がある。だが大きかろうが魚は魚。目蓋がない。そも脳死確定一点突破一撃必殺の機があるならそれを狙うは必定。そしてそれが可能となれば俺の魔力とやらを消費して弾に換えて撃つ事と言う消耗戦は止めだ。ひとまずひたすら相手の攻撃を回避して回避して回避し、機を伺って目玉から脳を貫通させる事だけを考える事にする。
《逆探知成功。前方エネミー後方、強魔力体感知。距離71000メートル》
それって近いの?遠いの?まあいい。
「索敵ありがとな、まずァ逃しゃしねぇぞトビウオよォ!こんがり美味しく綺麗に『上手に焼けました』してやらァ!!!」
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