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4:n+最期
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チラチラとこちらを見てくる視線がウザい。
なんて言いつつも、アイツが俺を意識してくれている事に愉悦を感じているのも事実。
前回の事があってか、アイツはしゅうまつの予定を聞いてこない。
そして、俺も聞かない。
恐らく、気付いたのは同時期だろう。
あ、またか……と、隕石衝突に辟易する。
もっと考えろよ捻りが無ぇなと悪態もつきたくなる。
そして、相変わらずアイツにも出会い、なんなら仲の良い『友』を演じている。
今回も……今回もか。
溜息を吐いて、アイツの顔を見る。
ちょっと良く分からない表情だったが、気付いたであろうタイミングの、翌日になれば分かりやすい位にソワソワと落ち着きなく俺を見たり、声をかけてくるような仕草をしては、怖い顔で押し黙る。
『お前が聞け』
と、言わんばかりに。
聞くワケがない。
聞けるワケがない。
なんで毎回失恋するためにしゅうまつの予定を聞かなきゃならない。
「なぁ!」
肩を強く掴まれ、睨まれる。
あぁ、俺の事を見てる……ってだけで嬉しくなるんだから俺も末期だ。
「言うこと、あるだろ?」
コイツのセリフにわざとらしくすっとぼける。
「え?財布忘れて借りた金は先日返したはずだが?」
三千円。と伝えると更に顔が歪んだ。
「ちげぇよ!!」
胸ぐらを掴まれる。
面倒くさい。
もうそっちが聞けばいいのに。
前回のしゅうまつのやり取りを根に持ってるのだろう。
あぁー。やだやだ。
もういい。
どうでもいいや。
どうせこの世界だって数日後には終わる。
次の世界で、先に俺が気付いて離れていけばいいか。
気づけるか分からないけど。
けどコイツだって次の世界で思い出したらもう俺の傍に居られないはずだ。
うん、ソレがいい。
1度くらい、いい夢貰って、それでもうおしまいにしよう。
ちゅ
唇に触れる。
男の唇でも案外柔らかいんだな。
「…………は?」
目が大きく見開いた。
あ、その表情かわいい。
思わず頬が緩んだ。
「おまえ………俺にナニしてんの?」
「キスしたが?」
キスを知らないワケが無いだろう?
俺渾身の悪い顔をすると、向こうも顔を歪ませた。
「今度のしゅうまつ、俺と過ごそうぜ?」
決まり事を無視した誘いをする。
お前の予定なんて聞いてやらない。
断れ。
断ってくれ。
コイツが断ったら、俺は顔を歪ませながら笑って、もう一度お前にキスをしよう。
殴られてもいいし、軽蔑されてもいい。
どうせ終わる世界だ。
『俺とコイツはキスをした』
その事実を抱えて、次もその次もその先も、俺は1人でしゅうまつを過ごせばいい。
今より、ずっと幸せなはずだ。
「……分かった……お前のアパートに行けばいいか?」
「は?」
「お前が言ったんだろ?一緒にしゅうまつを迎えようって」
断られる事を前提に返事を待っていた俺には想定外の返答で、…………キス…………出来なかった…………なんて事に落胆した。
「う……うん、俺んち」
「りょ」
掴まれていた胸ぐらは、いつの間にか離されていて、読めない表情をしてるコイツは、
「良いしゅうまつを」
と呟いて俺の前を去っていった。
俺が毎回コイツに言ってたセリフだ。
何が起こったのか分からないまま、俺は立ち尽くしていた。
なんて言いつつも、アイツが俺を意識してくれている事に愉悦を感じているのも事実。
前回の事があってか、アイツはしゅうまつの予定を聞いてこない。
そして、俺も聞かない。
恐らく、気付いたのは同時期だろう。
あ、またか……と、隕石衝突に辟易する。
もっと考えろよ捻りが無ぇなと悪態もつきたくなる。
そして、相変わらずアイツにも出会い、なんなら仲の良い『友』を演じている。
今回も……今回もか。
溜息を吐いて、アイツの顔を見る。
ちょっと良く分からない表情だったが、気付いたであろうタイミングの、翌日になれば分かりやすい位にソワソワと落ち着きなく俺を見たり、声をかけてくるような仕草をしては、怖い顔で押し黙る。
『お前が聞け』
と、言わんばかりに。
聞くワケがない。
聞けるワケがない。
なんで毎回失恋するためにしゅうまつの予定を聞かなきゃならない。
「なぁ!」
肩を強く掴まれ、睨まれる。
あぁ、俺の事を見てる……ってだけで嬉しくなるんだから俺も末期だ。
「言うこと、あるだろ?」
コイツのセリフにわざとらしくすっとぼける。
「え?財布忘れて借りた金は先日返したはずだが?」
三千円。と伝えると更に顔が歪んだ。
「ちげぇよ!!」
胸ぐらを掴まれる。
面倒くさい。
もうそっちが聞けばいいのに。
前回のしゅうまつのやり取りを根に持ってるのだろう。
あぁー。やだやだ。
もういい。
どうでもいいや。
どうせこの世界だって数日後には終わる。
次の世界で、先に俺が気付いて離れていけばいいか。
気づけるか分からないけど。
けどコイツだって次の世界で思い出したらもう俺の傍に居られないはずだ。
うん、ソレがいい。
1度くらい、いい夢貰って、それでもうおしまいにしよう。
ちゅ
唇に触れる。
男の唇でも案外柔らかいんだな。
「…………は?」
目が大きく見開いた。
あ、その表情かわいい。
思わず頬が緩んだ。
「おまえ………俺にナニしてんの?」
「キスしたが?」
キスを知らないワケが無いだろう?
俺渾身の悪い顔をすると、向こうも顔を歪ませた。
「今度のしゅうまつ、俺と過ごそうぜ?」
決まり事を無視した誘いをする。
お前の予定なんて聞いてやらない。
断れ。
断ってくれ。
コイツが断ったら、俺は顔を歪ませながら笑って、もう一度お前にキスをしよう。
殴られてもいいし、軽蔑されてもいい。
どうせ終わる世界だ。
『俺とコイツはキスをした』
その事実を抱えて、次もその次もその先も、俺は1人でしゅうまつを過ごせばいい。
今より、ずっと幸せなはずだ。
「……分かった……お前のアパートに行けばいいか?」
「は?」
「お前が言ったんだろ?一緒にしゅうまつを迎えようって」
断られる事を前提に返事を待っていた俺には想定外の返答で、…………キス…………出来なかった…………なんて事に落胆した。
「う……うん、俺んち」
「りょ」
掴まれていた胸ぐらは、いつの間にか離されていて、読めない表情をしてるコイツは、
「良いしゅうまつを」
と呟いて俺の前を去っていった。
俺が毎回コイツに言ってたセリフだ。
何が起こったのか分からないまま、俺は立ち尽くしていた。
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