さよなら、しゅうまつ。

黒川

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5:さよなら、しゅうまつ。前

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「邪魔するぜー」

しゅうまつ、何事も無かったかのようにアイツは俺が住んでるアパートにやって来た。
手には近所のコンビニで買ってきたであろう、ペットボトルの飲み物とスナック菓子。
遠慮なんて何処吹く風と、ソファに座ってテレビの電源を入れた。

「まぁー、ニュースはまだか。でも……あと数時間ってところだよな?」

アイツは窓に目をやり空を確認する。
外は清々しいまでに澄み渡った青空だ。
今日でこの世界も終わると言うのに、いつもと変わらない。

俺は無言で隣に座る。

……あと数時間。
数時間で世界は終わるんだ。
なんて事も無い、そんな態度のアイツだけど、数時間後には共に死ぬ。
だったら、だったら…………

ガサガサとコンビニの袋から飲み物を取ろうとしているアイツを、床に押し倒した。

「痛ぇなおい」

文句を言われたが、お構い無しだ。
そのまま体重をかけて、動きを制して唇を奪う。


2回目。


これで2回目だ。
キス……出来た。


怖くてアイツの顔が見れないから、顔をずらして首に噛み付く。
いい匂い。アイツの匂い。やっすいシャンプーの匂いと良く分からない柔軟剤の匂いが混ざって、なんとなく甘く香る。
それと、アイツ自身の匂い。

これが最初で最後だ。
次からは近付かない。
だから、今だけ、今だけは無理矢理でも力ずくでもいいから、好きにしたい。

抵抗されたくなくて、キツく抱き締めたまま、下半身を押し付ける。
俺のペニスは既に堅さが増しているが、アイツのはヤワヤワだった。
大丈夫、同じ男だ。刺激すれば否が応でも反応はするはずだ。

「なぁ……」

アイツに呼ばれる。
感情が分からない声音だ。

「これが、お前が望んだしゅうまつなの?」

怒ってるのか、呆れてるのか、分からない。
顔が見れないから、アイツの肩口でゆっくり頷く。

「ずっと…………こうしたかった…………お前が……好き……もうしないから……今回だけだから……ごめん……」

「そっか」

俺の訴えに、アイツは肯定も否定もせず、その代わり、抱き締めていた腕を外され、緩く、抱き締め返してくれた。


「床の上はさ、情緒も無ぇし、背中痛ぇし、だったらさ、ベッド行こうぜ?」

「え?」

「さいごにヤるんだろ?ダーリン?」

形勢逆転と言わんばかりに、俺は反転させられ、そのまま姫抱っこで抱えられると、寝室のベッドに放り投げられた。

「今回のしゅうまつは腹上死か。それも悪く無ぇな」


アイツはゆっくりとズボンのファスナーを下ろし、自分のペニスを俺に向けた。


「一方的にヤるつもりだったなら、その気にさせるのがマナーだろ?」


俺はゴクリと生唾を飲み込み、口を開け喉奥まで咥えた。
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