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7:さよなら、しゅうまつ。後
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「あぁー、そろそろだな」
「ん」
ドロドロのグチャグチャになったベッドの上、全裸で窓の外を見る。
まだ日中だと言うのに、空は夕焼けの様なオレンジ色に染まっている。
外ではザワザワと人の声も聞こえる。
「なんで!?」
「どう言うこと!?」
ゴゴゴゴ……と、聞いた事の無い地鳴りと、恐らく近付いて来てるであろう大きな隕石。
アレがぶつかって、この世界は終わりになる。
俺は、ギュッとアイツの手を握った。
アイツも、俺の手を握り返してくれて、キスをしてきた。
「まぁ、こんなしゅうまつもいいよな」
「ん」
アイツは今までの態度はなんだったんだ?と思うくらい、俺にひっついている。
嬉しい。とても嬉しいけど、心が追いついてこない。
「お前はさ、一緒に過ごしたいって思ってたんだろ?俺は逆。こういう事をしたらさ、次は気まずくなってお前に出会う事すら出来なくなるかもって思ったら……過ごせなかった」
なんて事も言いやがった。
なんだよ、この盛大な両片思いは。
でもそれでもいい。
「次はさ、しゅうまつまでラブラブに過ごそうぜ?」
「ん」
さっきから、俺は『ん』しか言えてないが、アイツの機嫌はかなり良さそうだった。
異常な音がどんどん近づいてくる。
目視で分かるくらい、隕石は近付いて来ているみたいだ。
外では人々がパニックになって怒声や悲鳴で騒がしい。
「みーんな、しゅうまつ素人じゃねーか」
「そんなもんだろ?」
「確かに。玄人なのは俺らくらいか」
アイツはケタケタと笑った。
「最期はダーリンとあっっまーいキッスで終わらせてぇな?」
と、顔が近付いてきたので俺も唇を寄せる。
あぁとても幸せだ。
手を握り合って、口を開いてアイツの舌を迎える。
クチュクチュと交わる音が恥ずかしい。
でも。これもおしまい。
さぁ早く隕石ぶつかってくれ。
そしてこの幸せも終わらせてくれ。
この最高のしゅうまつを。
2人で最期を待っていたら、ドガン!!とかなり大きな音と、地響きと、バラバラバラっ、と割と大きめの何かが屋根に落ちてくる音が聞こえた。
隕石が世界にぶつかった音と衝撃では……無さそうだ。
チュポっと交わってた唇と舌を離し、顔を見合わせる。
「なぁ?」
「分かってる」
そう。
俺らの頭の中から、この世界のしゅうまつの記憶が無くなった。
外を見れば、多少人々は混乱してるものの、先程のような騒ぎは無い。
アイツはテレビの電源を付けた。
画面の向こうでは、ヘルメットを被ったアナウンサーと、どこかの有名な大学の天文学教授が通信で今の状況を説明している。
教授は、元は画用紙であろう自作のフリップで、へったくそな絵とミミズが這ったような文字で一生懸命語っている。
教授の言葉を借りるならこうだ。
①もともと、俺らの世界を終わらせる位の隕石が近付いていた。
これは、俺とアイツが認識していたしゅうまつだな。
②それを横切るように、別の隕石も近付いていた。
俺らの知らなかった事。
③2つの隕石が、世界にぶつかる前に衝突し、消えて行った。
さっきの衝撃は、隕石同士がぶつかった音なのだろう。
その後、天文学教授はこの世界に影響するであろう変化をつらつら説明していたが、アイツはプツっとテレビの電源を消した。
「ヤベェな……」
アイツが呟く。
本当だ。
俺たちは終わる世界しか知らなかったのに。
「最期だからってお前のこと、グチャグチャに抱いちゃったじゃん」
「え?」
「やり直し、していい?優しくしたい」
そう言って、アイツは俺を優しく抱き締めてくれた。
「ん」
ドロドロのグチャグチャになったベッドの上、全裸で窓の外を見る。
まだ日中だと言うのに、空は夕焼けの様なオレンジ色に染まっている。
外ではザワザワと人の声も聞こえる。
「なんで!?」
「どう言うこと!?」
ゴゴゴゴ……と、聞いた事の無い地鳴りと、恐らく近付いて来てるであろう大きな隕石。
アレがぶつかって、この世界は終わりになる。
俺は、ギュッとアイツの手を握った。
アイツも、俺の手を握り返してくれて、キスをしてきた。
「まぁ、こんなしゅうまつもいいよな」
「ん」
アイツは今までの態度はなんだったんだ?と思うくらい、俺にひっついている。
嬉しい。とても嬉しいけど、心が追いついてこない。
「お前はさ、一緒に過ごしたいって思ってたんだろ?俺は逆。こういう事をしたらさ、次は気まずくなってお前に出会う事すら出来なくなるかもって思ったら……過ごせなかった」
なんて事も言いやがった。
なんだよ、この盛大な両片思いは。
でもそれでもいい。
「次はさ、しゅうまつまでラブラブに過ごそうぜ?」
「ん」
さっきから、俺は『ん』しか言えてないが、アイツの機嫌はかなり良さそうだった。
異常な音がどんどん近づいてくる。
目視で分かるくらい、隕石は近付いて来ているみたいだ。
外では人々がパニックになって怒声や悲鳴で騒がしい。
「みーんな、しゅうまつ素人じゃねーか」
「そんなもんだろ?」
「確かに。玄人なのは俺らくらいか」
アイツはケタケタと笑った。
「最期はダーリンとあっっまーいキッスで終わらせてぇな?」
と、顔が近付いてきたので俺も唇を寄せる。
あぁとても幸せだ。
手を握り合って、口を開いてアイツの舌を迎える。
クチュクチュと交わる音が恥ずかしい。
でも。これもおしまい。
さぁ早く隕石ぶつかってくれ。
そしてこの幸せも終わらせてくれ。
この最高のしゅうまつを。
2人で最期を待っていたら、ドガン!!とかなり大きな音と、地響きと、バラバラバラっ、と割と大きめの何かが屋根に落ちてくる音が聞こえた。
隕石が世界にぶつかった音と衝撃では……無さそうだ。
チュポっと交わってた唇と舌を離し、顔を見合わせる。
「なぁ?」
「分かってる」
そう。
俺らの頭の中から、この世界のしゅうまつの記憶が無くなった。
外を見れば、多少人々は混乱してるものの、先程のような騒ぎは無い。
アイツはテレビの電源を付けた。
画面の向こうでは、ヘルメットを被ったアナウンサーと、どこかの有名な大学の天文学教授が通信で今の状況を説明している。
教授は、元は画用紙であろう自作のフリップで、へったくそな絵とミミズが這ったような文字で一生懸命語っている。
教授の言葉を借りるならこうだ。
①もともと、俺らの世界を終わらせる位の隕石が近付いていた。
これは、俺とアイツが認識していたしゅうまつだな。
②それを横切るように、別の隕石も近付いていた。
俺らの知らなかった事。
③2つの隕石が、世界にぶつかる前に衝突し、消えて行った。
さっきの衝撃は、隕石同士がぶつかった音なのだろう。
その後、天文学教授はこの世界に影響するであろう変化をつらつら説明していたが、アイツはプツっとテレビの電源を消した。
「ヤベェな……」
アイツが呟く。
本当だ。
俺たちは終わる世界しか知らなかったのに。
「最期だからってお前のこと、グチャグチャに抱いちゃったじゃん」
「え?」
「やり直し、していい?優しくしたい」
そう言って、アイツは俺を優しく抱き締めてくれた。
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