婚約者は妹の御下がりでした?~妹に婚約破棄された田舎貴族の奇跡~

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その50

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「お姉様なんて……あれほどバカで不細工な女はいませんよ!!!それに、私はこの世界で最強の魔術師なのですから!!!私と手を取って、この世界の支配者になればいいじゃないですか!!!あなたの男としての尽きることのない欲望を満たすことも私ならできるのですから!!!」

ローズはロンメル伯爵の気を引こうと必死になっておりました。ですが、ロンメル伯爵は一向に振り向こうとはしませんでした。

「あなた様とマリア様の決定的な違いはそこにあるのです。あなた様はすぐにそうやって、人のことをバカにして、自分が一番であることを宣言しますな。でも、マリア様は最初から一番になることを願うわけでもなく、そして、絶対に他人を見下すことがありません。あなた様ほど野蛮な人間は……恐らくこの世界に存在しないでしょう。ですから、私はあなた様との婚約破棄にも賛成しました。今更、過去の話をむしかえしても、何も始まりません。さあ、これから精霊たちを召喚します。死にたくなかったら……大人しく拘束されてください……」

ロンメル伯爵は最後にこう言い放ちました。私がロンメル伯爵に求めたこと……あるいは、ロンメル伯爵が私に求めたことは、どっちも全く同じものでした。私はそれを聞いて、ものすごく安心したのです。
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