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その51
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「けっ……随分とバカらしい人なんですね、あなたも……」
ローズは最後にそう言いました。
「本来であれば、私はこの場において、あなたを殺すことを厭いません。しかしながら……マリア様がそれをお望みではないようなので、マリア様の名の元に、あなた様を拘束します……」
そう言って、精霊たちが口からクモの糸のような粘性物質を吐き出しました。
「これはなんですの!!!!」
ローズは驚いておりました。
「そのままの状態で殿方の前に御出でになるのは気が引けるでしょう。ですから……こうして身を包み込んだ状態で、皇帝陛下たちに差し出そうと思います……」
ぐるぐると巻きつけられたローズは完璧に身動きが取れなくなりました。
「さあ、精霊の皆さん。ローズ様が御作りになったこのバリアを壊してください……」
そう言われて、精霊たちはすぐさま壊しにかかりました。
これで、ロンメル伯爵、ローズの共有した空間が皇帝陛下の空間と繋がりました。
「皇帝陛下!!!どうか、この者を殺さないでください!!!!」
ロンメル伯爵は要請しました。そして、皇帝陛下はすぐさま、
「攻撃を止めろ!!!」
と命令を出しました。
「ありがとうございます……」
ロンメル伯爵は深々と頭を下げて、ローズを手渡しました。
「これはこれは……随分と酷い姿になってしまったな……」
「うるさいわねえっ!!!!」
ローズはとうとう、皇帝陛下に対しても悪態をつき始めました。
「まあ、いいさ。私もなるべく手荒なことはしたくないのでね。ロンメル殿とマリア殿に免じて、命だけは助けてやろう。その代わり、地下深くの牢獄に閉じ込める!!!」
そう命令を出して、皇帝陛下は地上に戻っていきました。ローズは牢獄まで連れていかれました。
ローズは最後にそう言いました。
「本来であれば、私はこの場において、あなたを殺すことを厭いません。しかしながら……マリア様がそれをお望みではないようなので、マリア様の名の元に、あなた様を拘束します……」
そう言って、精霊たちが口からクモの糸のような粘性物質を吐き出しました。
「これはなんですの!!!!」
ローズは驚いておりました。
「そのままの状態で殿方の前に御出でになるのは気が引けるでしょう。ですから……こうして身を包み込んだ状態で、皇帝陛下たちに差し出そうと思います……」
ぐるぐると巻きつけられたローズは完璧に身動きが取れなくなりました。
「さあ、精霊の皆さん。ローズ様が御作りになったこのバリアを壊してください……」
そう言われて、精霊たちはすぐさま壊しにかかりました。
これで、ロンメル伯爵、ローズの共有した空間が皇帝陛下の空間と繋がりました。
「皇帝陛下!!!どうか、この者を殺さないでください!!!!」
ロンメル伯爵は要請しました。そして、皇帝陛下はすぐさま、
「攻撃を止めろ!!!」
と命令を出しました。
「ありがとうございます……」
ロンメル伯爵は深々と頭を下げて、ローズを手渡しました。
「これはこれは……随分と酷い姿になってしまったな……」
「うるさいわねえっ!!!!」
ローズはとうとう、皇帝陛下に対しても悪態をつき始めました。
「まあ、いいさ。私もなるべく手荒なことはしたくないのでね。ロンメル殿とマリア殿に免じて、命だけは助けてやろう。その代わり、地下深くの牢獄に閉じ込める!!!」
そう命令を出して、皇帝陛下は地上に戻っていきました。ローズは牢獄まで連れていかれました。
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