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婚約破棄
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「幼馴染が王子様を狙っているんだってよ?」
「あら、そうなの?まあ、いいわ。私は慰謝料をがっぽりもらえれば、それでいいのよ」
予想通りだった。でもこうして本人の口から聞くと、やっぱり辛いかな?私の婚約者であるエレンは今世紀最大の美女と評される令嬢であった。王家の人間に嫁ぐのは必然であるが、それが第2王子である私だったのは意外だった。まあ、兄さんはすでに婚約しているから仕方がないとして、弟のロベスの方が釣り合っていると思う。
私は漫画のように滑稽な男だから、エレンの隣人になるのは普通無理。しかしながら、ロベスは違う。
「でもね、このままだと私、面白くないのよね。幼馴染を階段から突き落としてやろうかしら?」
「それは流石にまずいんじゃない?」
「平気よ!この学園の教師は皆、私の支配下にあるんだから!私が何をしたって平気!王子様だって口出しできないわよ!」
幼馴染のマリーはエレンの虐めを受けていた。私は特に何もしなかった。でも、婚約者のエレンに裏切られたら話は別である。特段と好きなわけではなかった。でもよく考えてみれば、マリーは私のために色々してくれた。
私がじゃけにされないよう、自ら嫌われ者を買って出た。
だから、今度は私が……。
「……………………!」
「迎えに来たぞ」
「……………………」
「今までありがとう」
「…………っ!」
「愛してるよ…………」
「…………うぅっ……」
「あら、王子様。全て分かりましたか?」
「ああっ、この紐を解いてくれないか?」
「高くつきますわよ?」
エレンの高笑いを聞いて、私はかえって安心した。
「私はマリーと婚約することにした。財産は……全部くれてやるさ」
「それはそれは……どうもです」
「マリー、愛してるよ」
「………………‼︎‼︎」
エレンがこの後、全く財産を相続できず、晒し者になったことはいちいち説明しなくてもいいだろう。私とマリーが幸せになることを祈ってもらおう。
「あら、そうなの?まあ、いいわ。私は慰謝料をがっぽりもらえれば、それでいいのよ」
予想通りだった。でもこうして本人の口から聞くと、やっぱり辛いかな?私の婚約者であるエレンは今世紀最大の美女と評される令嬢であった。王家の人間に嫁ぐのは必然であるが、それが第2王子である私だったのは意外だった。まあ、兄さんはすでに婚約しているから仕方がないとして、弟のロベスの方が釣り合っていると思う。
私は漫画のように滑稽な男だから、エレンの隣人になるのは普通無理。しかしながら、ロベスは違う。
「でもね、このままだと私、面白くないのよね。幼馴染を階段から突き落としてやろうかしら?」
「それは流石にまずいんじゃない?」
「平気よ!この学園の教師は皆、私の支配下にあるんだから!私が何をしたって平気!王子様だって口出しできないわよ!」
幼馴染のマリーはエレンの虐めを受けていた。私は特に何もしなかった。でも、婚約者のエレンに裏切られたら話は別である。特段と好きなわけではなかった。でもよく考えてみれば、マリーは私のために色々してくれた。
私がじゃけにされないよう、自ら嫌われ者を買って出た。
だから、今度は私が……。
「……………………!」
「迎えに来たぞ」
「……………………」
「今までありがとう」
「…………っ!」
「愛してるよ…………」
「…………うぅっ……」
「あら、王子様。全て分かりましたか?」
「ああっ、この紐を解いてくれないか?」
「高くつきますわよ?」
エレンの高笑いを聞いて、私はかえって安心した。
「私はマリーと婚約することにした。財産は……全部くれてやるさ」
「それはそれは……どうもです」
「マリー、愛してるよ」
「………………‼︎‼︎」
エレンがこの後、全く財産を相続できず、晒し者になったことはいちいち説明しなくてもいいだろう。私とマリーが幸せになることを祈ってもらおう。
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