妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます

その29

「もしもし……そこのお嬢さん？？？？？？？？これまた、非常に美しくいらっしゃって！！！！！！！」

男が何かを語りかけた。しかしながら、ものすごい田舎なまりだったので、ソフィアは聞き取ることができなかった。

「何でございましょうか？？？？？？？？？？」

すると、男はゲラゲラと笑い出して、

「何でございましょうかって……やっぱり、随分と上品なお嬢さんのようだな！！！！！！おい、お前らも来いよ！！！！！！！！！」

そう言って、男は他の仲間たちに目配せした。

「どうやら、このお嬢さんは、俺たちの言葉が分からないみたいだ！！！！！！！それに、貴族のお嬢さんだ！！！！！！人助けの心意気がしっかりと叩きこまれてらあ！！！！！！！だからさ、困ったふりをして、適当に誘い出せば、問題ないだろうさ！！！！！！！」

男がこう言うと、自然となびく者が出て来た。もちろん、ゲルストマンに見つかって懲罰を受けるリスクがあることは承知の上だった。だが、それ以上に、ソフィアを自分の者にしたいという欲求が、ひしひしと湧いて来るようだった。

「なるほど…………そうだとしたら、これでいいんだな！！！！！！！！！」

男たちは次々と寄ってきて、ソフィアの周りを囲い込んだ。そして、ソフィアはこの時、初めて自分の置かれている環境が醜悪であることに気が付いたのだった……。