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第二話 侍女はのんびり屋
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しおりを挟む「おはようございます……アルフリーダ? 何、その頭は……?」
「レイ、聞かないでちょうだい」
「アルフリーダ? お嬢様…… そうしてあげたいけど、ちょっと無理な気もするわ……ラルクと何があったの」
「話したくないの。それより、これ何とかならないかしら」
「寝癖はどうにでもなるけどその腫れた眼は、得意の魔法で冷やした方がいいのじゃないかしら」
「そうする。魔法じゃなくて、魔導だから」
「そうだったかしら。いまお湯の用意をしますね」
いまはあまり深いことを聞かれたくないという私の心情を察してくれたらしい。レイは、はいはいと快活に頷くと、お湯を用意しに部屋を出てわたしを居間へと連れて行ってくれた。
ついでに家人たちを迎えなければいけないと彼女に伝える。
「馬番のトマスはもう少し後になりますよ。まずは朝の畑仕事をしてからでしょうし、セルカやグレーテも子供を送り出してからでしょうから」
「いえ、その――誰も門扉を潜れないと思うの……」
「誰も?」
と、レイは仕度をしていた手を止めて不思議そうな顔をする。
彼女には塀に仕込んでいた結界のことを教えているが、まさかそれが作動したなんて思わなかったようだ。
「あの者たちに何か御用でも言いつけたの?」
「違うの、その――今は誰も入れないと思うわ」
そこまで言うと、レイはなにかを察したらしい。
ああ、そういうことですか、と頷いて困ったわね、と首を傾げていた。
以前、この屋敷を手に入れた際にいろいろと魔導の仕掛けをしたことを教えたのを思い出したのだろう。
ただ、結界の解除の方法までは彼女は知らないのだ。
「そうなると、どうなるのでしょうお嬢様? 私たちはこの屋敷にずっと閉じ込められたままですか、もしそうだとしたら食料はもつかしら」
「レイったら。心配するところがちょっとずれてる」
「そうかしら? だって、誰も入れなくしてしまったんでしょう?」
「大丈夫よ、わたしが決めればすぐにでも解除できるから……」
「なるほど。魔導って便利なようで不便ですね」
「かもしれないわね。ただ、いまはまだ解きたくないの」
そう言うとレイは困ったような顔をしてわたしに問い返した。
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