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第十一章 ドラゴンと氷の魔女
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しおりを挟むとりあえず待っている時間が惜しいので、わたしは自分の調べたことを伝えることにした。
「土竜の一種だろうという推測と、もう一つ」
「何か?」
「これとよく似たドラゴンが、この千年間の間に定期的に現れては消えていく。という現象を繰り返しているらしいのです」
「……それはどこでお調べになったのです」
「これですけど」
ここに来る少し前まで調べ上げてまとめた書類の束を、そのまま彼にはい、と渡してみた。
「暗い場所で読むにはちょっと辛いですな」
「それならもう少し増やしましょうか、灯りを」
右腕から先ほど設置しておいた灯りの魔導具と同じ数珠をいくつか外すと、周囲の頭より上にある時のどこかにそれぞれひっかけてから、魔力の光を灯してやる。
途端、辺りは昼間のように明るくなった。
魔導具、様様だ。
「これは助かりますな。では拝見……映像は閉じた方が宜しいのでは?」
「……そういたします」
よくよく見ると、投影魔導のそれは、さっき巻き戻したところからだいぶ先に進んでいて。
わたしがイデアと親しげに何かを交換するところまで、詳細に映し出していた。
雪竜のうろこのあれを渡した時のやつだ――こんなところまで他人に見せるなんて……イデアがばっちりと映し出されているから心の中で彼に謝罪してからそれを閉じた。
「ふむふむ。約二世紀ごとに頻繁に起こっておりますな。今回で六度目、といったところですか」
「そうなんです。祖父の書庫にあったもの数えたら、あの中に残された記録ではそのようになってました。今夜こちらを訪れたのは、その詳細な記録がないかと思って」
「そういうことでしたか。いやいや、投影……何でしたかな?」
「投影魔導」
「あーそうそうそれです。珍しいものを見せていただきましたし」
「忘れてください……決して彼を裏切ったわけではないのです」
「それについては、こちらからの話があるのですが。まあとりあえず、ドラゴンですな。さてそんな古い歴史がここに残っているかどうか」
「もし許していただけるならば、ここでわたしの魔導師としての腕前を披露することも可能ですけど」
二人で探すよりもその方が早いと思います、そんな意味合いを込めてわたしは提案する。
神父様もただの人ではないし、彼らは彼らで紋章と呼ばれる女神の恩寵をこの世に具現化したというか。
魔導具のようなモノを使うことができる。
それも見てみたいという思いはあったけど、ここで見せてくれるはずもないし。
それならわたしが自宅の書庫でしたようなことを再現して見せた方が早い、そう思ったのだ。
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