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エピローグ
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翌朝。
婚約破棄に必要な関連書類をしたためて貰い、わたしは家路に着いた。
ドラゴンに関しては、改めて神父と地下に降りる必要があるけど。
その前に、ラルクを討伐に行かせるらしい。
思い出すのはあの一言で。
「ドラゴンは清純な乙女が大好きだという伝説がありますから。そこにはエリダ様にご協力いただくこととしましょう」
「えっ……」
あっけにとられるわたしを差し置いて、神父様はさらに計略を練り上げていく。
「周囲には私が結界を張りましょうか。ついでに、ラルク・セナス氏が後生大事に持っている、本物の魔法剣。それを使えるようにして差し上げたいからです?」
「どうしろ、と?」
「簡単ですよ。あなたが演習場で行なったように。遠隔的な方法で魔法を転送してやればいいのです。それぐらいは、魔導具でも可能ではありませんか?」
「威力を弱めてドラゴンにぶつけろと……」
「その通りです。地下の空洞を破壊しない程度にね」
ラルク・セナス氏を地下に誘うにはしばらく時間がかかります。そう、神父様は言っていた。
三日から四日程度待ってほしいとか。
その間に、魔法の練習をしておけとか。
色々と言われて、もう疲れ果ててしまい、その日は帰ってすぐ。
レイにこんなことがあったのと話をしながら、わたしは舟をこいでいたらしかった。
一週間後。
報復の日だ。
神父から連絡を受け、護符をどうにか制御しつつ、威力を極力抑え込んだ古代魔法『白き灼熱の檻』を、あの魔法鍵を飲み込んだドラゴンをターゲットにして転送する。
あちらにはラルクをはじめとし、参加したくないと喚いていたエリダも引きずり出されて。
十数名の騎士団の応援を受け、魔法剣士ラルク・セナスは颯爽とそのデビューを飾ろうとして――盛大に失敗したのだとか。
わたしが転送した魔法は、ドラゴン達にくしゃみをさせるくらいの威力しかなかったみたい。
だけど、人間には抜群の効果を発揮した。
氷の柱に閉じ込められた二人は、騎士団の手によって地上に運び出され、陽光の下でゆっくりと解凍されたらしい。
それをじっと見つめていた神父様とイデアは、後から大笑いをしたのだとか。
ドラゴン達は記録通り、こちらから手を出さなければ何もしてこないことが確認された。
というか、人間程度が何かをしたところで彼らにとって脅威ではなかったのだ。
ついでに、水が濁るという問題はカレラの水浴びが原因だった。
それならそれで、上水道として使う水を事前に分岐させればいいだけの話。
様々な問題を解決し、二人の新しい親友がわたしの屋敷を訪れた時。
レイを含めて、四人の新しい家族がわたしにできたのだった。
婚約破棄に必要な関連書類をしたためて貰い、わたしは家路に着いた。
ドラゴンに関しては、改めて神父と地下に降りる必要があるけど。
その前に、ラルクを討伐に行かせるらしい。
思い出すのはあの一言で。
「ドラゴンは清純な乙女が大好きだという伝説がありますから。そこにはエリダ様にご協力いただくこととしましょう」
「えっ……」
あっけにとられるわたしを差し置いて、神父様はさらに計略を練り上げていく。
「周囲には私が結界を張りましょうか。ついでに、ラルク・セナス氏が後生大事に持っている、本物の魔法剣。それを使えるようにして差し上げたいからです?」
「どうしろ、と?」
「簡単ですよ。あなたが演習場で行なったように。遠隔的な方法で魔法を転送してやればいいのです。それぐらいは、魔導具でも可能ではありませんか?」
「威力を弱めてドラゴンにぶつけろと……」
「その通りです。地下の空洞を破壊しない程度にね」
ラルク・セナス氏を地下に誘うにはしばらく時間がかかります。そう、神父様は言っていた。
三日から四日程度待ってほしいとか。
その間に、魔法の練習をしておけとか。
色々と言われて、もう疲れ果ててしまい、その日は帰ってすぐ。
レイにこんなことがあったのと話をしながら、わたしは舟をこいでいたらしかった。
一週間後。
報復の日だ。
神父から連絡を受け、護符をどうにか制御しつつ、威力を極力抑え込んだ古代魔法『白き灼熱の檻』を、あの魔法鍵を飲み込んだドラゴンをターゲットにして転送する。
あちらにはラルクをはじめとし、参加したくないと喚いていたエリダも引きずり出されて。
十数名の騎士団の応援を受け、魔法剣士ラルク・セナスは颯爽とそのデビューを飾ろうとして――盛大に失敗したのだとか。
わたしが転送した魔法は、ドラゴン達にくしゃみをさせるくらいの威力しかなかったみたい。
だけど、人間には抜群の効果を発揮した。
氷の柱に閉じ込められた二人は、騎士団の手によって地上に運び出され、陽光の下でゆっくりと解凍されたらしい。
それをじっと見つめていた神父様とイデアは、後から大笑いをしたのだとか。
ドラゴン達は記録通り、こちらから手を出さなければ何もしてこないことが確認された。
というか、人間程度が何かをしたところで彼らにとって脅威ではなかったのだ。
ついでに、水が濁るという問題はカレラの水浴びが原因だった。
それならそれで、上水道として使う水を事前に分岐させればいいだけの話。
様々な問題を解決し、二人の新しい親友がわたしの屋敷を訪れた時。
レイを含めて、四人の新しい家族がわたしにできたのだった。
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