セピア色の恋 ~封印されていた秘め事~

take

文字の大きさ
24 / 48
1974

24 Desperado

しおりを挟む
 絶頂し過ぎて息を荒げているわたしに、マスターはキスをくれました。わたしは彼の首を捕まえてそれを貪りました。

「・・・満足したか」

 返事の代わりに手を伸ばして彼のに触れました。それは「半勃ち」くらいになっていました。彼を見上げながら、ゆっくりとそれを扱きました。

 欲しかったのです。どうしてもそれなしには、収まりがつかなかったのです。

「ちっ、しょーがねーな・・・」

 さっきまでのおちゃらけ風味は無くなっていました。彼にとって、それは必要なスパイスだったのかもしれませんが、わたしはもっと真面目にエロく抱かれたかったのです。彼とのお付き合いの中では雰囲気的に本気で彼を愛してはいけないような風が漂っていたのですが、ウソでもいいから、好きだよとかあいしてるよとか言われながら抱かれたかったのです。

 ベッドに促されましたが、ここでしてと言いました。甘く抱いて欲しかったのですが、立ってするほうが彼が萌えるかと思ったのです。そうまでしても、抱いて欲しかったのです。付き合い始めてまだ一週間も経っていませんでしたが、すでにもう、わたしは彼の虜(とりこ)になっていました。

 マスターはわたしよりだいぶ背が低かったと思います。脚も短かったです。

 椅子の背につかまり、お尻を突き出しました。マスターのために、少し脚を開いて腰の位置を下げました。ワシオ君としていたときから、心では向かい合ってしたかったのに、身体は後ろからの方が悦ぶのを感じていました。どうせ本気で好きになってはいけないのなら、せめてより気持ちよく、淫らになりたかったのです。

 すぐに腰を抱えられ、彼のが股間を何度も滑り、その度におまめさんがグイっ、グイっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、と刺激されて、たまりませんでした。

「あっ・・・そん、あっ!・・・、はうっ!・・・、はあんっ!・・・」

 それはまるでおまめさんへのムチみたいでした。そのまま挿入れてくれればいいだけなのに、なかなかそうしてくれず、ビンカンなそこばかり延々と責められ、それだけでも何度かぞわぞわが首の後ろに上って来て真っ白が来て膝ガクガクにされました。

「あ、・・・んんんんんうふうっ・・・いい、いいのォ、それいいんんん・・・」

「よ~し。なんとかカタくなってきたぞう。いっちょ、突っ込んでやるか。

 気持ちいか?」

「気持ちいいん・・・ああっ、いいん、いいの、たまんないああっ!」

 彼のが這入ってくるのには馴染みましたが、それが奥や上(後ろからされると下になるわけですが)の壁を突くと火花が散り電気が身体中を走り回り耳の奥がチリチリして何度も真っ白になります。

「はうああああっ! ・・・んんんんんんんんんっ・・・」

 一応その絶頂の間は待っていてくれるのですが、またすぐに入れたり出したりが始まります。

 しかもそれが憎たらしいくらいにゆっくり、なのです。中の壁のひだひだが一枚一枚めくりあげられて、その一枚ごとにジワビリするような感覚なのです。その上で奥や上を突かれるのですから、たまりませんでした。もどかしいのですが、そのもどかしさがまた、わたしを狂わせるのです。

「オレ、勃つのも遅いけど、イクのも遅いんだよな。遅漏ってんだけどさ。悪ぃな」

「もっと、もっと、ズンズンしてああっ!・・・そうでないとあああっ、・・・んぬああっ、く、くるあああ、ん、・・・もっと、・・・んんもっと突いてェああ、・・・んんた、たまんないいんんああっ!・・・たまんないいいいんんんんっ!・・・っく、はあ~ん・・・」

「しっかし、見れば見るほど、いいケツしてんなー、おい」

 パン!

 時々お尻を叩かれます。

「ああっ!・・・」

 そうするとあそこがキュッと締まっていい感じらしいのです。

「おお。いいねえ。ほれ。もひとつ。ほらまた・・・」

 パン! ピシャン!・・・

「ああっ!・・・ひああっ!・・・はあんっ・・・」

 そうやって何度もキュッキュしていると当然ながらより強くヒダひだの捲られる感覚が強くなり、やがて、イッてしまいます。

「あっ!・・・んんんんんっ・・・くああっ・・・はっ、はっ、はっ、はああんっ、・・・」

「おおっ、・・・お前本当に18か? よくもこれだけイキまくれるもんだな。そうとう仕込まれたな。大したもんだ・・・」

「・・・んああっ、また、またあああああああんんんんんんっ・・・っくふううんん・・・」


 

 そうやって結局一時間以上も、長い時は二時間近くも、体位や場所を変えて責められ続けるのです。その間に数えきれないほどイカされ、さすがにクタクタになります。

 終わるとマスターはベッドの上でタバコを燻らします。わたしは緩やかに上下する彼のお腹の上にうつ伏せになったまま、後を引くガクガク、ブルブルを楽しみながら、余韻に浸ります。一番安らかな、至福の時です。

「もういいか。さすがに重いわ。65ぐらいあるだろ」

「・・・ヒドイ!」

「でもだいたい当たってるだろ」

「・・・64だもん・・・」

「たいして違わねーじゃねーか・・・」

「筋肉は脂肪より重いの!」

 わたしは彼の上から降り、彼の肌に添います。

「ねえ、マスター・・・」

「んー・・・」

「マスターって、いくつですか」

「ジョン・レノンと同じ歳だよ」

 ワシオ君を思い出しました。

 彼の乳首を人差し指でクリクリして弄びます。

「ねえ・・・。どうしてヤマダさん、クミコさんと別れちゃったの」

「教えたろ。あいつに男ができたからだって・・・」

「だって彼女まだ愛してるって・・・。そう思ってたら、別れに繋がるようなこと、わざわざ言わないでしょ。ウワキしたとしても、マスターには黙ってるはずだよね。そこが、わかんないの・・・」

「知らなくていい。知らない方がいいことも世の中にはたくさんある」

「知りたいの」

「なんで」

「だって、だんだん・・・。だんだん、好きになってるから」

「誰を」

「ええっ! マスターに決まってるじゃん。他に誰がいるの。そこまで言われると、ひどいよ・・・」

 彼は無言になりヘッドボードに載せた灰皿でタバコをギュッと揉み消すと、紺色の缶を取りました。

「ありゃ・・・」

 向こうサイドに降り、ダイニングの向こうにある棚のストックを取りに行きました。ぷりぷりした裸のお尻がかわいく、萌えを感じました。

 ターンテーブルに乗っていたジェーンのレコードをジャケットに収め、代わりに別のを載せてベッドに戻ってきました。


 

 Desperado,

 Why don't you come to your senses? ・・・。


 

 この曲は当初日本でリリースされた時「ならず者」というタイトルで訳されましたが、詞の意味は、なにか上手く行かないことがあって社会からはみ出しそうになっている友達に訴えかける、元気を出せよと励ますような、そんな詞です。今でいえば引きこもりになってしまった友達に、そんな狭い部屋に閉じこもっていないで外に出て見ろよ、とでもいうような。そんな優しい感じの詞が若者の支持を得たのだと思います。

 その時のマスターは、自分は「Desperado」だと言いたかったのかもしれません。

 ベッドに戻って来た彼の肌は冷たくて気持ちよかったです。彼の手がわたしのお尻をゆっくりと撫でまわしていました。

「つまらん話だぞ。

 結婚してくれ、いやそれは無理だ。そういう押し問答が続いてた。せめて思い出を作りたい、どっか連れてって。オレはどこにも行きたくない。行きたいなら一人で行け。一人がイヤならテキトーに男でも見繕え。その辺にいるだろう物好きな男が。気にしないで行ってこい。そんなこと言ってたらしばらく来なかった。ひと月ぐらいして店に来て男ができたと言った。そうか。じゃあ、約束通り別れるか。それはイヤ。そういう面倒なことを言う。だって最初からの約束だろ? そしたらアホ、バカ、マヌケ、太鼓腹、ヘンタイ、短足、スケベ・・・。ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせて来た。まあ、全部当てはまるからあんまり怒る気にもなれなかった。そしたら男とは別れる、ていうかあれはウソ。だからまた抱いてっていう。でも、一度そうなったらもう、オレがダメだった。勃たなくなった。何度かトライしたけど、ダメなものはダメなんだ。そうこうしているうちに、お前を連れて来た。そして今、お前とセックスしてる。そういうことだ。・・・な、つまらんだろ?」

 なんというか、ちょっと呆れました。

    でも、なぜか、なんとなく、ヤマダさんの気持ちがわかるような気もしました。いつもクールでカッコいいヤマダさんの、純な女の子の部分が垣間見れたと言うか・・・。

「・・・どうして。どうしてそうなっちゃうの」

「そんなの、アイツに訊いてくれ」

「でも、そんなの、おかしいよ」

「お前もおかしくないか」

「・・・なんで」

「じゃあ聞くが、お前と付き合うのやめてアイツと縁り戻してもいいのか」

 わたしは慌てて彼の乳首に舌を這わせ、彼のをギュッと握り締めていました。

「今夜は、もうダメだぞ。お前だって、明日学校だろ」


 

 土曜日。

 一応学業優先が建前なので一二年生の午前中の授業を終えてから午後の親善試合に臨みました。

 帝国体育大学の二軍チームのパワーは二軍とはいえケタ外れでした。

 それは当たり前でした。最初から胸を借りる以外の目的はありませんでした。なにしろ相手は二軍とはいえ、男子で、全員180センチ越えの長身ばかり。それに男子リーグのトップ、Aリーグの、毎年優勝争いしているチームの二軍です。それに対してこちらは一軍も二軍もない一枚看板で、女子で、中には160センチに満たない小兵もいて、それに万年女子リーグ最下位のFランクで負け越し続きの超弱小チームなのです。

 ワンサイドゲームになるのは当たりまえで、ゲームとして成立するかどうかも危ぶまれていました。それでもヤマダさんの絶妙なサーブで一点だけ辛うじてもぎ取り、女の意地を見せました。

「お忙しいのにありがとうございました。女子リーグ最弱チームのためにここまで相手してくださって本当に嬉しかったです。とても勉強になりました。今日この後親睦会を設けてます。楽しく飲みましょう」

 代表してヤマダさんが親善試合の締めの挨拶をすると、向こうのキャプテンが返辞をくれました。

「そんな謙遜しないでください。おれらも久々に女子大と親善試合できるってんで、今日はみんな楽しみにしてきました。今夜は一緒に楽しく盛り上がりましょう」

 三年生、180センチ越えの長身の爽やかさんがこれまた爽やかな笑顔で笑いました。

 結論を先に言えば、わたしはその晩、この身長180越えの爽やかさんと寝ました。彼の名前はナガノさんといいました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

悪女と呼ばれた王妃

アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。 処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。 まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。 私一人処刑すれば済む話なのに。 それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。 目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。 私はただ、 貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。 貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、 ただ護りたかっただけ…。 だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ ゆるい設定です。  ❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】美しい人。

❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」 「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」 「ねえ、返事は。」 「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」 彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。

処理中です...