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先生からの頼まれごと
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「あ、俺も手伝います」
使った食器をトレイに載せ、キッチンに運ぶ先生に声をかけた。
「大丈夫。食洗機があるからすぐに終わるよ。アレックスと遊んでやっててくれ。隼人くんと遊びたくて仕方がないらしい」
先生の言葉を理解しているのか、アレックスはすぐに俺の隣にやってきた。
フサフサの尻尾をぶんぶん振って遊ぼうとせがんでくる。
やっぱりおっきな犬と暮らせる生活って最高だな。
俺が住んでる一人暮らし用の小さなアパートじゃアレックスどころか、小さなウサギも飼えるかどうか……
そもそもペット不可だしな。
「アレックス、何して遊ぶ?」
「わふっ!」
嬉しそうに持ってきたのは、三十センチほどのロープ。
「これは?」
渡されてどうしたらいいのかと悩んでいるとキッチンから声がかかった。
「そっちの握りがついているほうを隼人くんが持ってロープを引っ張りあってやるといいんだよ。結構力が強いから持っていかれないように気をつけて」
「はーい」
なるほど、そういう遊びもあるんだ。
犬との遊びって一緒に走り回ったりボール遊びだけだと思ってたな。
「よし、アレックス。やろう」
俺がロープの端を握ると、アレックスは嬉しそうに反対側のボール状になっている部分をパクリと咥えた。
俺がグイグイと上に引っ張ると、アレックスは楽しそうに反対側を引っ張ってくる。
これ、ボール遊びより距離が近くてアレックスの喜んでいる顔もよく見えるし楽しい!
しばらくそれを続けていると、「二人とも楽しそうだな」と先生がやってきた。
もう片付けが終わったみたいだ。
「このロープ遊び。楽しいです」
「ははっ。隼人くんが楽しんでくれているからアレックスも余計に楽しいんだよ。主人の感情をすぐに感じ取る子だからね」
「主人って……」
「隼人くんもすっかりアレックスの主人だよ。だからいつも来てくれないとアレックスが寂しがるよ。なぁ、アレックス」
先生がアレックスのふさふさの頭を撫でると、アレックスは「わふっ、わふっ!」と声を上げる。
「あの、俺は……アレックスみたいなおっきな犬と過ごすのが夢だったんで、これからも遊べるなら嬉しいですけど……」
「それならよかった。それじゃあついでに頼まれごとを引き受けてくれないかな?」
「俺に? なんですか?」
「アレックスは見た目通り、大型犬だから毎日の運動は欠かせないんだ」
大型犬って運動させないとストレスになるっていうもんな。
「だから朝の散歩で一緒に走っているけど、本当はもっと一緒に遊んでやりたくてね。私が仕事に出掛けている間、この庭と室内の遊び場で遊ばせているけど、やっぱり一緒に遊んでくれる人がいないとつまらないみたいなんだよ。よかったら、隼人くんが昼間、時間があるときにでもうちに来てアレックスと遊んでくれると助かるんだ」
「えっ! でも、先生がいない家に入るのは悪いですよ」
「隼人くんなら問題ないよ。それで夕食を食べて帰れば隼人くんも楽だろう?」
あのうまい食事が食べられる。
それは魅力だ。想像するだけで涎が出てくる。
「いや、でもやっぱり家主のいない家に上がり込むのはちょっと……」
「そうか……残念だな。アレックスも遊んでくれる人が増えて喜んでくれると思ったが……」
先生の反応を見てアレックスも「くぅん……」と項垂れる。
それを見ると胸が痛くなる。
「ああ、そうだ! 家主がいない家に上がるのが気になるなら、隼人くんも家主になったらいいんじゃないか?」
「えっ? 俺が、家主って……どういうことですか?」
「隼人くんがこの家に引っ越してきてくれたらいい。ここに一緒に住んでアレックスの世話を一緒にしてくれたら助かるよ」
「で、でも……」
「家賃も光熱費もいらない。食事も全て作るからどうだろう? もちろん大学に行く日は私が送迎をするから」
先生からの突然の提案に頭がついていかない。
俺がここに住む? 先生と一緒に?
「いやいや、あの、でも……」
「アレックス、お前も隼人くんがここに住んだら嬉しいだろう? いつでも遊んでくれるぞ」
先生が話しかけると、アレックスは嬉しそうに声をあげ、尻尾をぶんぶん振って俺に近づいてくる。
アレックスを抱っこするとそのふさふさの毛に包まれて気持ちがいい。
おっきな犬との生活は憧れでその夢が叶う……
しかも食事付き……
「ここに住んだらレポートや勉強をするのにも今よりやりやすくなるんじゃないか? うちの書斎には大学にも置いてない資料がたくさんあるぞ」
「えっ……」
それはちょっと見たいかも……
「隼人くん、どうだろう? 本気で考えてもらえないか?」
「あの、でも俺と一緒に暮らしても俺ばっかりメリットがある気がするんですけど……先生は迷惑じゃないんですか?」
「迷惑? そんなことあるわけないよ。一人だと料理の腕を奮う機会もないし、話し相手もいない。同じ話題で盛り上がれる隼人くんの存在は大きいよ。その上アレックスとも遊んでくれるなんて私のほうこそメリットだらけだ」
先生がそこまで言ってくれるなんて……
「これから医学部は忙しくなるし、一人暮らしだと体調を崩すことも多い。お互いにメリットが多い同居生活だからやってみてもいいんじゃないかな? 試しに今日から数日ここで生活してみないか? それで決めたらいい」
確かにお互いにお試しは必要かも。
「そう、ですね……じゃあお世話になります……」
気がつけば、俺はそんな返事を返していた。
使った食器をトレイに載せ、キッチンに運ぶ先生に声をかけた。
「大丈夫。食洗機があるからすぐに終わるよ。アレックスと遊んでやっててくれ。隼人くんと遊びたくて仕方がないらしい」
先生の言葉を理解しているのか、アレックスはすぐに俺の隣にやってきた。
フサフサの尻尾をぶんぶん振って遊ぼうとせがんでくる。
やっぱりおっきな犬と暮らせる生活って最高だな。
俺が住んでる一人暮らし用の小さなアパートじゃアレックスどころか、小さなウサギも飼えるかどうか……
そもそもペット不可だしな。
「アレックス、何して遊ぶ?」
「わふっ!」
嬉しそうに持ってきたのは、三十センチほどのロープ。
「これは?」
渡されてどうしたらいいのかと悩んでいるとキッチンから声がかかった。
「そっちの握りがついているほうを隼人くんが持ってロープを引っ張りあってやるといいんだよ。結構力が強いから持っていかれないように気をつけて」
「はーい」
なるほど、そういう遊びもあるんだ。
犬との遊びって一緒に走り回ったりボール遊びだけだと思ってたな。
「よし、アレックス。やろう」
俺がロープの端を握ると、アレックスは嬉しそうに反対側のボール状になっている部分をパクリと咥えた。
俺がグイグイと上に引っ張ると、アレックスは楽しそうに反対側を引っ張ってくる。
これ、ボール遊びより距離が近くてアレックスの喜んでいる顔もよく見えるし楽しい!
しばらくそれを続けていると、「二人とも楽しそうだな」と先生がやってきた。
もう片付けが終わったみたいだ。
「このロープ遊び。楽しいです」
「ははっ。隼人くんが楽しんでくれているからアレックスも余計に楽しいんだよ。主人の感情をすぐに感じ取る子だからね」
「主人って……」
「隼人くんもすっかりアレックスの主人だよ。だからいつも来てくれないとアレックスが寂しがるよ。なぁ、アレックス」
先生がアレックスのふさふさの頭を撫でると、アレックスは「わふっ、わふっ!」と声を上げる。
「あの、俺は……アレックスみたいなおっきな犬と過ごすのが夢だったんで、これからも遊べるなら嬉しいですけど……」
「それならよかった。それじゃあついでに頼まれごとを引き受けてくれないかな?」
「俺に? なんですか?」
「アレックスは見た目通り、大型犬だから毎日の運動は欠かせないんだ」
大型犬って運動させないとストレスになるっていうもんな。
「だから朝の散歩で一緒に走っているけど、本当はもっと一緒に遊んでやりたくてね。私が仕事に出掛けている間、この庭と室内の遊び場で遊ばせているけど、やっぱり一緒に遊んでくれる人がいないとつまらないみたいなんだよ。よかったら、隼人くんが昼間、時間があるときにでもうちに来てアレックスと遊んでくれると助かるんだ」
「えっ! でも、先生がいない家に入るのは悪いですよ」
「隼人くんなら問題ないよ。それで夕食を食べて帰れば隼人くんも楽だろう?」
あのうまい食事が食べられる。
それは魅力だ。想像するだけで涎が出てくる。
「いや、でもやっぱり家主のいない家に上がり込むのはちょっと……」
「そうか……残念だな。アレックスも遊んでくれる人が増えて喜んでくれると思ったが……」
先生の反応を見てアレックスも「くぅん……」と項垂れる。
それを見ると胸が痛くなる。
「ああ、そうだ! 家主がいない家に上がるのが気になるなら、隼人くんも家主になったらいいんじゃないか?」
「えっ? 俺が、家主って……どういうことですか?」
「隼人くんがこの家に引っ越してきてくれたらいい。ここに一緒に住んでアレックスの世話を一緒にしてくれたら助かるよ」
「で、でも……」
「家賃も光熱費もいらない。食事も全て作るからどうだろう? もちろん大学に行く日は私が送迎をするから」
先生からの突然の提案に頭がついていかない。
俺がここに住む? 先生と一緒に?
「いやいや、あの、でも……」
「アレックス、お前も隼人くんがここに住んだら嬉しいだろう? いつでも遊んでくれるぞ」
先生が話しかけると、アレックスは嬉しそうに声をあげ、尻尾をぶんぶん振って俺に近づいてくる。
アレックスを抱っこするとそのふさふさの毛に包まれて気持ちがいい。
おっきな犬との生活は憧れでその夢が叶う……
しかも食事付き……
「ここに住んだらレポートや勉強をするのにも今よりやりやすくなるんじゃないか? うちの書斎には大学にも置いてない資料がたくさんあるぞ」
「えっ……」
それはちょっと見たいかも……
「隼人くん、どうだろう? 本気で考えてもらえないか?」
「あの、でも俺と一緒に暮らしても俺ばっかりメリットがある気がするんですけど……先生は迷惑じゃないんですか?」
「迷惑? そんなことあるわけないよ。一人だと料理の腕を奮う機会もないし、話し相手もいない。同じ話題で盛り上がれる隼人くんの存在は大きいよ。その上アレックスとも遊んでくれるなんて私のほうこそメリットだらけだ」
先生がそこまで言ってくれるなんて……
「これから医学部は忙しくなるし、一人暮らしだと体調を崩すことも多い。お互いにメリットが多い同居生活だからやってみてもいいんじゃないかな? 試しに今日から数日ここで生活してみないか? それで決めたらいい」
確かにお互いにお試しは必要かも。
「そう、ですね……じゃあお世話になります……」
気がつけば、俺はそんな返事を返していた。
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