婚約者である侯爵令嬢に浮気されて傷心の僕を癒してくれたのは××でした

波木真帆

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幸せのとき※

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「アラン……今日は私たちの初夜だ……。優しくするから……」

「はい。ハロルドさま……」

ビアンカの母、イザベラさまがビアンカを産んですぐに亡くなった後、綺麗に改修され、それから十数年使われることのなかったこの夫婦の寝室。

僕たちの初夜のために新しく整えられた大きなベッドに連れて行かれた僕は、抱きかかえられたままベッドの中央に座った。

「ずっと、アランにキスしたかった……」

「僕も――んんっ!」

ハロルドさまの柔らかな唇の感触に蕩けそうになる。下唇を何度も喰まれ気持ちがいい。何度も何度も角度を変え啄まれているとだんだん苦しくなってきた。

あれ? そういえばこれってどこで息するんだろう……。悩んでいる間にも苦しくなってきて、息を吸おうと唇を開けた瞬間、何かが口の中に入ってきた。

それがハロルドさまの舌だと気付いた時にはもうハロルドさまの舌が口内を動き回っていて、頬や舌先に吸いつかれたり、歯列をなぞられたり、舌に絡みつかれたり……そのどれもが気持ちよくておかしくなりそうだった。

もうすっかりハロルドさまに身を預けてキスをしていると、ゆっくりと唇が離れていく。

「ああ……っ」

寂しくて離れていったハロルドさまの唇を目で追うと、

「ああ、アランが可愛すぎて困るな……」

と抱きしめられ、もう一度口付けられた。

チュッと重なったそれはすぐに離れたけれど、そのまま首筋に下りて、チュッと吸われた感触があった。チクンと少し痛みが走ったけれど、でも心地良い痛みだ。

ハロルドさまは嬉しそうに笑みを浮かべると、僕をゆっくりとベッドに寝かし、ローブの紐をはずした。

「あ……っ」

あっという間にハロルドさまの眼前に僕の裸が晒される。貧相な身体で恥ずかしさしかない。けれど、ハロルドさまは上から下までたっぷりと僕を見て

「アラン……綺麗だ」

と嬉しそうな声をかけてくれる。

「そんな……恥ずかしいっ」

「隠さないでくれ。もっと見せて」

隠そうとした手をそっと取られ、身体の横に置かれる。羞恥で身体がプルプルと震えてしまう。

「アランの乳首がぷっくりと膨らんで美味しそうだ」

「やぁ――っ、そんなこと……ああっ!!」

そんなこと言わないで! そう言おうとした瞬間、ハロルドさまが僕の乳首を口に含んだ。

「ああっん、やぁ……っん、ああっ!」

ハロルドさまの舌先でコロコロと転がされて、優しく噛まれて……その度にビリビリとした刺激が身体中を走っていく。同時にどんどん僕の中心に熱が集まっていくのがわかる。

ああ、恥ずかしすぎる……。こんな姿を見られたら呆れられるんじゃないかと思って、身を捩りながら足をもじもじと擦り合わせていると、

「ひゃぁ……っん!」

突然僕のモノがハロルドさまに握られた。

「ああっ、だ、めっ……イく、イく、イっちゃうからぁ……っ」

乳首を弄られながら、下も扱かれ両方からの刺激に我慢できるはずもなく、僕はあっという間に蜜を溢した。

「はぁっはぁっ」

息を切らす僕の横で、ハロルドさまは嬉しそうに僕の出した蜜を指で掬い、ぺろっと舐めた。

「アランはどこもかしこも美味しいな」

「そんなの、うそ……」

「本当だとも。アランの全てが最高だ。今度は二人で気持ちよくなろう」

ハロルドさまは僕に見せつけるように、ローブの紐をとりするりとローブを脱ぎ去った。

「――っ、すごいっ」

無駄な贅肉ひとつない綺麗な筋肉に覆われた身体の中心には、太い血管を張り巡らせた大きくて太く硬そうなモノが蜜を溢しながら聳り立っていた。

「アランの綺麗な姿を見ていたらこんなになってしまったよ」

「こんな、おっきぃの……はいらないかも……」

「大丈夫、安心してくれ。ちゃんとほぐしてあげるから」

ハロルドさまは僕の出した蜜を手のひらに纏わらせ、僕の後孔に擦り付けていく。指を埋めこまれ中をかき回されていくうちにどんどん快感が押し寄せてくる。

グチュグチュといやらしい音が響く中、指がゆっくりと引き抜かれ、その代わりに熱くて硬いものが押し付けられた。

「アラン、力を抜くんだ。挿入いれるぞ」

ググッと押し込まれたハロルドさまのものは僕が力を抜いた瞬間、スルスルと埋め込まれていく。

「ああっ、アラン。気持ちがいい。最高だよ」

「ああ……っ、んっああっ……っ!!」

途轍もない圧迫感を感じながら押し広げられていくけれど、ハロルドさまが中にいると思うだけで嬉しくてたまらない。

「ああ、アラン。全部入ったよ」

奥までみっちりと嵌まり込んだハロルドさまのモノはものすごく大きくて気持ちがいい。

「は、ろるどさまぁ……うご、いてぇ……っ」

「ああっ、気持ちよくしてやるっ」

「ああっんっ……っも、っとぉ……ああっ、だ、めっ……そ、こ……きもちいぃ……っ」

「アランっ、アランっ!!」

ハロルドさまが腰をガツガツと動かすたびに最奥がゴリゴリと擦られておかしくなりそうなほど気持ちがいい。

「やぁ……っん、だ、めぇ……っ、イくぅ……」

あまりの気持ちよさに僕はあっという間に二度目の蜜を放った。

「ああっ、アラン……っ、愛してるよ……ゔゔっ!」

ハロルドさまにキスをされながら、身体の奥に熱いものが広がっていくのを感じる。

ああ、ハロルドさまも感じてくれたんだ……。僕は幸せに満ち足りた気持ちで、そのまま意識を失った。



目を覚ますと、僕はハロルドさまの腕に抱かれていた。逞しい胸が当たって心地いい。
あまりの幸せに胸元に顔を擦り寄せると、

「アラン、そんな可愛いことをされては我慢ができなくなってしまうぞ」

と少し笑いを含んだ声が落ちてくる。

「あっ、起きてたんですか?」

「ああ。アランが可愛くて寝顔を見つめていたよ」

「そんなっ、恥ずかしいです」

「恥ずかしがることはない。もうアランは身も心も私のものなんだから、全てを私に曝け出してくれたらいい」

「僕が、ハロルドさまのもの……ふふっ、嬉しいです」

「ああ、私も幸せだよ」

裸で抱き合っていると、僕の太ももにハロルドさまの硬い昂りを感じる。
こんなにも僕を求めてくれるなんて、幸せでしかない。

ハロルドさまの昂りにそっと手を伸ばすと、

「アラン、無理しなくていいんだよ。昨日はかなり激しくしてしまったからな」

と遠慮するけれど、僕には遠慮なんていらない。

「僕は大丈夫ですよ。ハロルドさまに愛される方が嬉しいです」

「アラン!!」

ハロルドさまは嬉しそうに僕を抱きしめて、まだ柔らかいままの僕の後孔に押し込んだ。
あのハロルドさまが余裕なく気持ちよさそうな表情を見せて、僕の身体に溺れてくれるのが嬉しい。

僕はそのままたっぷりと蜜を注がれた。

それからしばらくして目を覚ますと、僕はハロルドさまと一緒に湯船に浸かっていた。

「目を覚ましたか? アラン」

「はい。ハロルドさまに抱きついているのは気持ちがいいです」

「嬉しいことを言ってくれるな。なぁ、アラン」

「はい。なんですか?」

「私たちは夫夫になっただろう? せっかくだから二人だけの旅行にでも行かないか?」

「旅行! 行きたいです!!」

「そうか、それなら計画を立てるとしよう」

二人だけの甘い旅行。
僕たちの幸せはまだ始まったばかりだ。
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