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305.やっと帰って来た!(状況確認は怠らない)✔
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製塩所と煙が見えてきた、今も作業しているのだろう。良かった、帆船も沈んでいない! 十か月も留守にしていたから帆船が気になっていたんだ。風車や水車も軸が摩耗して故障していないか心配だったが、問題なく稼働しており、海水を汲み上げ水分を飛ばすために散水している。
長い間走らせていないから、陸揚げして船底の整備もした方がいいだろうな。カキやフジツボが付着すると船足に影響が出るからね。帆にカビが発生していなければいいけど、一度、天日干しした方がいいな。心のやることリストに追加しておこう。
エグザイルエルフはどれくらい移住する気なんだろうか? まさか全員で移住はしないよね。もしもそうなら、大掛かりな住宅建設が必要になるぞ。
エグザイルエルフの船着き場や住居を作る時に、製塩所も拡張した方がいいが、何人来るか分からないと計画が立てられないぞ。
住居だけ先にいくつか造っておくか? それとも、住居が完成するまでは船上で生活するきだろうか?
帆船を造る技術があるんだから、家なんて簡単に造れそうだな。なんかそんな気がしてきたぞ。
帰ることばかり考えていたから、打合せしなかったのは失敗だった。移住してくる人数と住居をどうするかだけでも聞いておくべきだったな!
魔物の被害は出ていないか、船着き場と製塩所の周りを調査してみたが問題はないようで安心した。きっと、レックス家族がいい仕事をしてくれていたんだろう。
道の状況を確認しながら別荘へ向かって飛んでいる。魔大陸にチビとベビを届けに行ったのに一緒にいるんだから、きっと、レックスの家族は驚くだろうな。
レックスの小屋が見えてきた。外に姿が見えない。狩りに出かけているのか、それとも我が家の警備に行ってくれているのかな? 小屋もどこも壊れていないようだ。
通るついでに、別荘と温泉の状況も確認しておこう。これといって壊れた所は無さそうだな。
〈チビ、ベビ、別荘と温泉を確認するから、少しだけ待ってくれる?〉
〈温泉に入るダォ!〉〈入るノ!〉
そうか、人化できるようになったから温泉に入りたいんだな。
〈疲れただろうから、ゆっくりと入っておいで!〉
ふたりは地上に降りると、直ぐに小さくなりだし、荷物を固定しているロープから抜け出した。人化するとそのまま温泉に走って行ってしまった。
バシャバシャ、キャッキャと騒がしい。楽しくて仕方ないようだが、余計に疲れが出そうだな。
音に気が付いたのかレックスの小屋から魔狼が顔を覗かせた。やっぱり奥さんがいたんだな。
奥さんの後ろからまだ小さな魔狼が顔を覗かせた。家族が増えたんだな。何匹いるんだ? 四、五、六匹か?
驚いてはいないようで、尻尾をゆっくりと左右に振っている。奥さんとは会話できないんだよね。近づいて頭を撫でたが、嫌がる素振りはない。
驚かせないようにゆっくりと近づいて行く。奥さんの後ろに隠れる子や、俺の足元にやって来て体を擦りつける子、俺の手を甘噛みしてくる子と性格は様々だ。
奥さんも嫌がっていないから、大丈夫だな。座り込んで本格的に子供たちをモフモフする。ナニコレかわいい。大きくなると魔狼の毛は硬くなるが、生まれて余りたっていないのか柔らかい。
お腹をさすってやるとひっくりかえってしまった。前足で手招きするようにして、もっとさすってくれと催促してくる。かわいい奴だ。ぐりぐりぐり。
そんなに気持ちいいのか? ぐりぐりぐり。 何度でも催促してくる。
他の子もやってほしいのか俺の手を甘噛みしてきた。ほれほれこれでどうだ!
いかん! 時間を忘れてしまいそうだ。早く帰らないと!
何かおみやげをやりたいが、肉は燻製しかないからやれないな。今度、柔らかい美味しいハンバーグを作ってやるからな。待っていてくれ!
奥さんに燻製肉を差し出すと咥えてくれた。頭をさすり立ち上がる。おい放してくれよ。二匹の子が俺のズボンの裾に噛みついてじゃれている。小さいが歯は鋭いな。しっかりズボンに食い込んでいる。
腹をさすると噛む力が弱まる。そのすきに離す。やめろ、他の子が面白がるようにもぶれついてくる。やめてくれ、脱出できなくなる。歩くと踏みつけてしまいそうになる。仕方なくホバリングして、ズボンに噛みついてぶら下がっている子を引き離した。
急ぎ温泉に向かう。ついて来ようとしていたが、奥さんが咥えて逃がさなかった。流石だな。
〈チビ、ベビ、ごめん! 遅くなるからまた温泉にはゆっくり入りに来よう!〉
ちょっと嫌そうにしていたが、素直に温泉から出ると荷物の置いてある場所に行ってくれた。ゆるんだロープの間に器用に体を滑り込ませると、段々と大きくなり始めた。どんどんと応用が利くようになっている。お陰で結び直さなくていいから助かる。
道沿いに飛行して屋敷を目指す。あれ、また森を大規模に開墾しているな。不必要に開墾しないように言っといたんだけどな。きっとマシューさんが犯人だな。今度は何を作る気なんだ?
どこにも、魔物の被害は見えないようだ。レックスたちには感謝だな。美味しいモノをいっぱい御馳走しなければ。
屋敷が見えてきた。俺たちに気が付いた人が手を振ってくれる。俺も振り返しておこう。
荷物が多いから、屋敷じゃなくて、裏のシェルターの保存庫に運び込もう。
屋敷の裏手、道を挟んだ練習場に降りることにした。上空からレックス家族と訓練している兵士の姿が見えた。気が付いたのか手を止めて上を見上げ、手御振ってきたきた。
降下していくと、レックス家族と兵士たちは移動し、降りれるように中央を開けてくれた。歓声が巻き起こる中でチビとベビと着地した。
やっと帰って来た。
長い間走らせていないから、陸揚げして船底の整備もした方がいいだろうな。カキやフジツボが付着すると船足に影響が出るからね。帆にカビが発生していなければいいけど、一度、天日干しした方がいいな。心のやることリストに追加しておこう。
エグザイルエルフはどれくらい移住する気なんだろうか? まさか全員で移住はしないよね。もしもそうなら、大掛かりな住宅建設が必要になるぞ。
エグザイルエルフの船着き場や住居を作る時に、製塩所も拡張した方がいいが、何人来るか分からないと計画が立てられないぞ。
住居だけ先にいくつか造っておくか? それとも、住居が完成するまでは船上で生活するきだろうか?
帆船を造る技術があるんだから、家なんて簡単に造れそうだな。なんかそんな気がしてきたぞ。
帰ることばかり考えていたから、打合せしなかったのは失敗だった。移住してくる人数と住居をどうするかだけでも聞いておくべきだったな!
魔物の被害は出ていないか、船着き場と製塩所の周りを調査してみたが問題はないようで安心した。きっと、レックス家族がいい仕事をしてくれていたんだろう。
道の状況を確認しながら別荘へ向かって飛んでいる。魔大陸にチビとベビを届けに行ったのに一緒にいるんだから、きっと、レックスの家族は驚くだろうな。
レックスの小屋が見えてきた。外に姿が見えない。狩りに出かけているのか、それとも我が家の警備に行ってくれているのかな? 小屋もどこも壊れていないようだ。
通るついでに、別荘と温泉の状況も確認しておこう。これといって壊れた所は無さそうだな。
〈チビ、ベビ、別荘と温泉を確認するから、少しだけ待ってくれる?〉
〈温泉に入るダォ!〉〈入るノ!〉
そうか、人化できるようになったから温泉に入りたいんだな。
〈疲れただろうから、ゆっくりと入っておいで!〉
ふたりは地上に降りると、直ぐに小さくなりだし、荷物を固定しているロープから抜け出した。人化するとそのまま温泉に走って行ってしまった。
バシャバシャ、キャッキャと騒がしい。楽しくて仕方ないようだが、余計に疲れが出そうだな。
音に気が付いたのかレックスの小屋から魔狼が顔を覗かせた。やっぱり奥さんがいたんだな。
奥さんの後ろからまだ小さな魔狼が顔を覗かせた。家族が増えたんだな。何匹いるんだ? 四、五、六匹か?
驚いてはいないようで、尻尾をゆっくりと左右に振っている。奥さんとは会話できないんだよね。近づいて頭を撫でたが、嫌がる素振りはない。
驚かせないようにゆっくりと近づいて行く。奥さんの後ろに隠れる子や、俺の足元にやって来て体を擦りつける子、俺の手を甘噛みしてくる子と性格は様々だ。
奥さんも嫌がっていないから、大丈夫だな。座り込んで本格的に子供たちをモフモフする。ナニコレかわいい。大きくなると魔狼の毛は硬くなるが、生まれて余りたっていないのか柔らかい。
お腹をさすってやるとひっくりかえってしまった。前足で手招きするようにして、もっとさすってくれと催促してくる。かわいい奴だ。ぐりぐりぐり。
そんなに気持ちいいのか? ぐりぐりぐり。 何度でも催促してくる。
他の子もやってほしいのか俺の手を甘噛みしてきた。ほれほれこれでどうだ!
いかん! 時間を忘れてしまいそうだ。早く帰らないと!
何かおみやげをやりたいが、肉は燻製しかないからやれないな。今度、柔らかい美味しいハンバーグを作ってやるからな。待っていてくれ!
奥さんに燻製肉を差し出すと咥えてくれた。頭をさすり立ち上がる。おい放してくれよ。二匹の子が俺のズボンの裾に噛みついてじゃれている。小さいが歯は鋭いな。しっかりズボンに食い込んでいる。
腹をさすると噛む力が弱まる。そのすきに離す。やめろ、他の子が面白がるようにもぶれついてくる。やめてくれ、脱出できなくなる。歩くと踏みつけてしまいそうになる。仕方なくホバリングして、ズボンに噛みついてぶら下がっている子を引き離した。
急ぎ温泉に向かう。ついて来ようとしていたが、奥さんが咥えて逃がさなかった。流石だな。
〈チビ、ベビ、ごめん! 遅くなるからまた温泉にはゆっくり入りに来よう!〉
ちょっと嫌そうにしていたが、素直に温泉から出ると荷物の置いてある場所に行ってくれた。ゆるんだロープの間に器用に体を滑り込ませると、段々と大きくなり始めた。どんどんと応用が利くようになっている。お陰で結び直さなくていいから助かる。
道沿いに飛行して屋敷を目指す。あれ、また森を大規模に開墾しているな。不必要に開墾しないように言っといたんだけどな。きっとマシューさんが犯人だな。今度は何を作る気なんだ?
どこにも、魔物の被害は見えないようだ。レックスたちには感謝だな。美味しいモノをいっぱい御馳走しなければ。
屋敷が見えてきた。俺たちに気が付いた人が手を振ってくれる。俺も振り返しておこう。
荷物が多いから、屋敷じゃなくて、裏のシェルターの保存庫に運び込もう。
屋敷の裏手、道を挟んだ練習場に降りることにした。上空からレックス家族と訓練している兵士の姿が見えた。気が付いたのか手を止めて上を見上げ、手御振ってきたきた。
降下していくと、レックス家族と兵士たちは移動し、降りれるように中央を開けてくれた。歓声が巻き起こる中でチビとベビと着地した。
やっと帰って来た。
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