【完結】生真面目インキュバスは襲われたい〜だから飢えてなんていませんってば!〜

ネタバレありのあらすじ

 弱肉強食が色濃く残る魔界。インキュバスで魔王の孫、ニコはそんな世界を憂いていた。

 日々ニコが通う学校で行われる『洗練』という名の暴力が、ニコは嫌いだった。自分は奇跡的に授かった命、そのおかげで殺しが嫌いなニコは、暴力で殺される魔族を一人でも救おうと人間を真似して風紀委員を始める。

 しかし、そこで現れたのは『洗礼』を好んで行うバーヤーンという青年。彼の目に余る行為を止めているうちに、彼にもそれなりの矜持があることに気付く。

 どうしても『洗礼』をして成り上がりたいバーヤーンと、『洗礼』を止めさせたいニコ。二人は対立しつつも、お互いの矜持が似ていることに気付いていく。それは、大切なひとを守りたい、というものだった。

 ところがある日、バーヤーンの家族が奪われ彼は暴走状態に。これ以上殺しをして欲しくないと彼を止めたニコは、大人しくなった彼を配下に置き夜伽の相手をお願いする。インキュバスであるニコは精気を得られ、バーヤーンは成り上がりの足掛かりとしてニコを利用する。一見ウィンウィンのように見えたけれど、その頃のニコは本当は優しいバーヤーンに対して恋心を抱いていた。

 これは処理としての夜伽、そこに感情は要らないと、心を押し殺して抱かれるニコ。いずれ魔王になる身だから自由恋愛は諦めようと思うけれど、バーヤーンへの想いは募るばかりだった。

 そしてニコの推薦が魔王に通り、バーヤーンは魔王に仕えることになる。ニコは寂しさに押し潰されそうになりながらも、これでいいんだ、と自分に言いきかせて過ごしていると、バーヤーンの故郷で不穏な動きが。魔王の命によりニコは紛争を鎮めに行ったバーヤーンの手伝いに行く。最初は魔力で戦闘を止めさせることができていたニコだったが、傷付けられたバーヤーンを見て暴走する。気付けば辺り一面瓦礫と死体の山になったバーヤーンの故郷を見て、ニコは自己嫌悪に陥る。殺しをしたくないと思っていた自分が、ここまで跡形もなくバーヤーンの故郷を壊してしまったことで、彼に顔向けできないと思ってしまったのだ。

 やがて時は過ぎ、ニコは魔王になった。バーヤーンは先代魔王の誘いを断りニコに仕えていた。自分の首が飛ぶかもしれないのに、先代魔王の誘いを断ったバーヤーンの行動の意味を、ニコは考えたくなかった。なぜならニコはもう、魔王として生きなければならなかったから。世継ぎを産むことができない恋愛など、している場合ではない、とニコはバーヤーンの告白やプロポーズを断り続ける。けれど、バーヤーンは「お前のそばにいられないなら殺してくれ」と首を差し出し、ニコは彼のその想いの強さに折れるのだった。

【陰キャなインキュバスは襲われたい】の二人の子供、ニコのお話です。
この作品は、ムーンライトノベルズ、fujossyにも掲載しています。
24h.ポイント 0pt
0
小説 223,393 位 / 223,393件 BL 31,020 位 / 31,020件

あなたにおすすめの小説

博愛主義の成れの果て

135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。 俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。 そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

長年仮番として務めてきましたが、王子は正式な番を娶るそうです

けふ
BL
王都を守る巨大結界は、王族の魔力によって維持されている。 第二王子アデルの傍らには、常に一人の騎士がいた。 近衛騎士レオン。 彼は長年、王子の「仮番」として特別な任務を担っている。 しかし王子は、他国の王女との正式な番契約が決まってしまった。 仮番の役目は、そこで終わるはずだった。 だが結界塔で行われる儀式の中で、 二人の関係は次第に変わり始める。 王族と騎士。 主と臣下。 越えてはならない境界を前にしても、 王子は騎士の手を取る。 「共に立て」 ※オメガバースではありません ※ふんわり読んでください ※なんでも許せる方向け ※イラストはChatGPTさん

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

最悪の婚姻から始まるただ一つの愛

統子
BL
最悪の婚姻だった。 皇太子の正室として迎えられながら、 与えられたのは祝福ではなく、冷たい部屋と拒絶だけ。 触れられることすら恐ろしく、 ただ静かに時間が過ぎるのを待つしかなかった。 けれど—— 差し出された手は、思っていたものとは違っていた。 無理に触れない。 急がない。 ただ、こちらの様子を確かめるように、少しずつ距離を縮めてくる。 気づけば、隣に座ることが当たり前になり、 言葉を交わす時間が、夜の習慣になっていた。 触れられるたびに怖さは消え、 代わりに残るのは、離れがたい温もり。 これは、最悪の婚姻から始まった関係が、 やがて“ただ一人”へと変わっていく物語。 望まれなかったはずのはじまりが、 いつしか、何よりも大切なものになるまでの—— 静かで、優しい、溺れるような愛の記録。

人間嫌いな公爵様と離婚手続きをしたら夫の執着と溺愛がとんでもないことになりました

荷居人(にいと)
BL
旧題:人間嫌いの公爵様との契約期間が終了したので離婚手続きをしたら夫の執着と溺愛がとんでもないことになりました 書籍化決定!!! 第12回BL大賞奨励賞作品2025/3/2完結。 人間嫌いと言われた公爵様に嫁いで3年。最初こそどうなるかと思ったものの自分としては公爵の妻として努力してきたつもりだ。 男同士でも結婚できる時代とはいえ、その同性愛結婚の先駆けの1人にされた僕。なんてことを言いつつも、嫌々嫁いだわけじゃなくて僕は運良く好きになった人に嫁いだので政略結婚万歳と今でも思っている。 だけど相手は人嫌いの公爵様。初夜なんて必要なことを一方的に話されただけで、翌日にどころかその日にお仕事に行ってしまうような人だ。だから使用人にも舐められるし、割と肩身は狭かった。 いくら惚れた相手と結婚できてもこれが毎日では参ってしまう。だから自分から少しでも過ごしやすい日々を送るためにそんな夫に提案したのだ。 三年間白い結婚を続けたら必ず離婚するから、三年間仕事でどうしても時間が取れない日を除いて毎日公爵様と関わる時間がほしいと。 どんなに人嫌いでも約束は守ってくれる人だと知っていたからできた提案だ。この契約のおかげで毎日辛くても頑張れた。 しかし、そんな毎日も今日で終わり。これからは好きな人から離れた生活になるのは残念なものの、同時に使用人たちからの冷遇や公爵様が好きな令嬢たちの妬みからの辛い日々から解放されるので悪い事ばかりではない。 最近は関わる時間が増えて少しは心の距離が近づけたかなとは思ったりもしたけど、元々噂されるほどの人嫌いな公爵様だから、契約のせいで無駄な時間をとらされる邪魔な僕がいなくなって内心喜んでいるかもしれない。それでもたまにはあんな奴がいたなと思い出してくれたら嬉しいなあ、なんて思っていたのに……。 「何故離婚の手続きをした?何か不満でもあるのなら直す。だから離れていかないでくれ」 「え?」 なんだか公爵様の様子がおかしい? 「誰よりも愛している。願うなら私だけの檻に閉じ込めたい」 「ふぇっ!?」 あまりの態度の変わりように僕はもうどうすればいいかわかりません!!