まさか転生? 

花菱

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『おまたせ~。ビャク、このテーブルの上に置いて大丈夫? 欲しい物は言ってね、取り分けるから』

 ビャクに確認しながらテーブルの上にどんどん料理を置いていくが、返事がないので見ると、テーブルの上に視線が釘付け。

『うふふ……、ビャク~食べようか?』「いたらきましゅ」
〔ああ! 食べよう……いたらきます? どうゆうこどだ?〕

『ごめん滑舌が悪くて~〈いただきます〉だよ。
 これは、肉や魚、野菜にしてもすべて生きていた物を食べるでしょ? あと、育て作ってくれた人とか、あらゆるものに感謝していただきます。
 それから食べ終わったら命と労力に美味しかったですって感謝して、〈ごちそうさまでした〉って言うの』

〔なるほど、いい言葉だ……いただきます〕
 食べ始めると一瞬固まったように見えたが気のせいだったのか、ガツガツと食べ進める。今のビャクは大型犬位だが元々が大きかったので大人2~3人分を盛りつけてみた……が、わたしがロースカツの一切れとオーク汁に口を付けただけなのに対し、サラダ以外はほぼ食べ終わり。

『ビャク……夢中で食べてくれるのは嬉しいけど、サラダも食べて?』

〔ギクッ! わ、わかった。……ん? 美味いな、これまで食べた時はただの草だったのに……
 エア、肉のお代わりをくれ、この汁も頼む。どれもホントに美味い。サラダ? も美味いとは驚きだ〕
 
『そう? 良かった。あっ、ビャクは甘いのは好き? 食後に甘過ぎはキツイからサッパリにするつもりだけど』

〔よくわからんが、たぶん大丈夫だ〕

『了解~、後でおいしいの食べようね~、わたし甘いの好きなんだよ、食べ過ぎたら太るけど……』

 ビャクが食べ終わるのを待って食後のスイーツ

「あっしゃりちょ、みかんにょじぇりーでしゅよ。」

〔おお! 不思議な食感、ツルリとしていくらでも食べられるな!〕

『〔ごちそうさまでした〕』



 大量に作った料理は3分の1ほど残ったので、インベントリに保管してクリーンで片付けをして食休み。
 リビングに移動してようやくビャクと色々お話しましょう。

『まず大事な質問から、ビャク! 空飛べるの?』

〔んん~? エア、それが一番大事な事なのか? こう言っては何だが、他に聞く事があると思うのだが〕

『大事だよ! え? 他に聞く事……なんかある? サイズ変化の確認はしたから……あっ! わたしが乗ってても飛べる?』

〔……(他にあるだろう? 神獣とか!)そうか、飛べるぞ、駆ける感じだが〕

『すごいね~、じゃ今度お願いしてもいい?』

〔いつでもいいぞ〕
 きゃ~やった~。と大はしゃぎのエアを見て優しい目をして尻尾をフワフワ。
 ……イケメンがいます。

『聞きたいことは終わったから、今度はわたしの事を説明するね? あの……〔ちょっと待て〕ね……?』何か?

〔もうないのか? 本当に?〕
 ? なんかある? ないよね? 頭の中にハテナマークが飛び散ってしまいます。

〔…………(エアは大丈夫だろうか? 心配だ)そうか。ではエアの事を聞こうかな〕 
 ちょっと失礼なことを考えてませんか?

『昨日気付いたらここにいて、その時はテントも結界石もない状態で外に寝てたの。
 何の知識もない状態で手探りでお昼ぐらいから過ごしたんだよ、テントとかは持ってたから夜にはきちんと出来て安全に寝れたけどね。
 そしたら夢で神様の声がして簡単に説明されたんだけど、他の世界で死んでこの世界に3歳の状態で転生したらしいよ。
 簡単にいうと異世界転生したの』

〔簡単にって、そんなあっさりと……〕

『ん~、でも実際その程度の事なのよ?
 もちろん捨てたかった訳でも、気掛かりがない訳でもないけれど、たとえ異世界であっても前世の記憶もあって今こうして生きてる。

 それに神様からの愛情をしっかり感じながらね。

 神様すっごく優しくてね、前世は魔法とか無い世界だったからだと思うけど、前世の言葉に細かな点まで気がついて配慮が行き届くって意味の言葉で 〈痒い所に手が届く〉 っていうのがあったけど、この世界に来て初めて実感したわ~。
 このテントの設置とかも、しっかりイメージしたら良いだけになってるの。優しいんだよ~』
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