精霊の国に嫁いだら夫は泥でできた人形でした。

ひぽたま

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第4話

不思議なおばあさん、登場

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 見張りは牛舎のそばにいたけれど、なぜか追ってこなかった。ディランが彼らを留めおいてくれたのかもしれない、ということがちらっと脳裏を掠めたものの、引き返して感謝を告げるには琥珀の気持ちがぐちゃぐちゃすぎた。
 こんなはずじゃないのに。
 虹の国の琥珀姫はいつも前向きで、叱られて泣くことはあっても人を憎んで泣くことなんてしないはずだったのに、なぜディランには大きらいなどと言ってしまったのだろう。
 夫には従順であれ、素直であれ、寛大であれ。姉たちの教えが次々に思いだされる。
『琥珀が琥珀らしくいるだけで、きっとだれもがあなたを愛さずにいられなくなるわね……』
(それは買いかぶりだったみたいよ、お母様)
 ほんとうの琥珀はわがままで口が悪くて意地っ張りで可愛らしさのかけらもない娘。
魔法の国の王子、ディランと仲良しの夫婦になることなんて、十年どころか百年たってもできそうにない。
 ほっと溜息をついたとき、
 モォウ。
 牛の声に、はっとして顔をあげた。
 走り続けるうちに丘を一つ越えてしまって、聖牛のいる牛舎の丸屋根は見えなくなっていた。
 代わりに、村が見える。緑の芝生のずっと向こうに柵があって、その向こうが人の暮らす集落らしかった。琥珀の故郷の国よりも、空気が濃くて体にまとわりつく感じだ。
 そして琥珀の前を塞いでいるのが牛で、五頭ほどがまんべんなく横腹をこちらに向けながら、あまり機嫌がよさそうではなく、モォウ、と鳴いてくる。
なんとなく、怖い。琥珀は集落に行きたくて先に進もうとするのだけれど、そっと通り過ぎようとする先に牛が現れて、琥珀を睨みつけながら泣いた。
「なによ、見張りのつもり? 意地悪しなくたっていいじゃないの……」
 こうなったら無理やり通るつもりで、熊の手で威嚇しようとしたのがかえってまずかった。
「モォウゥゥ!」
「きゃー!」
 牛が走りだす。突進してくる! 琥珀は両手を挙げて逃げだした。聖牛舎には戻りたくないので自分でもどちらに向かっているのかわからないまま草原をひた走る。途中でほかほかした柔らかいものに足を突っこんでしまい、心底悲しくなった。それでもスカートをからげて走っていくと、放牧地を仕切る柵の向こうに、ようやく人の姿を見つけた。
「おばあさーん!」
 まったく見知らぬ老婦人だったけれど、無我夢中だったせいで自分の国にいるときのような気安さが出てしまった。白髪の老婦人は琥珀を見て驚いた様子だったが、柵を越えるために手を貸してくれる。
 そして、琥珀の熊の両手に気づいて、二度びっくりした様子だった。
「あ……」
 琥珀はすぐに後悔した。この国で琥珀は厭われる存在なのだから、無関係の女性に触れたりしてはいけなかったのだ。
 真っ赤になってうつむく琥珀の耳に、カラン、と乾いた鈴の音が聞こえる。顔をあげる暇もなく、生温かいもので頬を舐められた。視線を横に移すと、牛がいる。
「ひゃっ……な、な」
「あらあらあら、ラブったら、おまえは若い娘が好きだねえ」
「グルルル」
 妙な鳴きかたをする牛だった。老婦人は荷車を曳かせている痩せた牛の首筋を叩くと、柔らかな笑みを琥珀に向けた。
「悪いのだけど、道が悪くてこの子一人ではなかなか進めないの。手伝ってもらえないかしらねえ」
 なんのことかと思ったら、麦束を積んだ荷車の車輪がわだちの溝にはまっていて、痩せ牛が進もうと試みても重みに負けてしまうらしい。琥珀は牧場から牛が襲ってくるのではないかと気が気ではなかったが、
「大丈夫よ。牛はね、目の高さの柵は越えられないわ」
 と、おっとりしているようでいて鋭く琥珀の心を読んだ老婦人が教えてくれたので、手伝ってもいいかなという気分になった。
 袖をまくり、熊の両手で荷車を押す。わだちが思ったより深かったので、荷台を下から支えるように踏んばってみたところ、思いがけなく軽々と荷台が持ちあがってしまった。
「あらまあ、力持ちなのねえ、あなた」
 老婦人がはしゃいだように笑う。琥珀はじっと手を見た。牛舎の作業も、慣れていないわりに軽々と済ませられたのは……力も熊並みだから?
(だったらものすごく便利じゃないの。今度牛が襲ってきたら返りうちにしてやるわ)
 しゅっしゅっと熊の手を突きだして威嚇の練習をしてみたのだが、老婦人がにこにこしながら不思議そうな顔をしているので、琥珀はおとなしく荷車を押した。
 カラコロカラコロ。車輪が回るたび、痩せ牛につけた鈴がカランコロンと鳴る。
「良い天気ねえ」
 琥珀の後ろを歩きながら、老婦人が言った。雨ではないが晴天というわけでもなく、空には灰色の雲がかかっているので、琥珀はつい正直に、
「そうですか? 霧も出ていますし……」
「草が湿って生き生きとするわね。それに、温かいというのは大事なことだわよ。牛も年寄りも寒いのは苦手ですものねえ」
「そうなんですか」
 これはこれで良い天気なのかと思ってみると、頬に霧が吹きつけてくるものの、空はほんのり明るいし、どこまでも広がる草原は広げた葉いっぱいに露を受けとめている。肌が日にやけなくてもすむし、確かにこれはこれでいい。
「曇りも素敵なものですね」
「ええ、そうね。晴れも素敵なものよ。素敵というのは良い言葉だわね。心が浮き浮きとして、みんな太陽のほうに向かわずにはいられなくなりますからね」
「じゃあ、雨はきらいですか」
「雨の日は良いものだわ。雨の日がなければ家のなかで繕いものをすることなんてできませんからね。雨は良い天気よ」
「つまり、どの天気も素敵ということなのね」
「そうだわねえ」
 琥珀も老婦人も納得して、牛と荷車はカラコロと進む。地面は泥道というほどではないが、ぬかるんでいて、すでに泥だらけの琥珀はともかく、老婦人の履き物も汚れてしまっていた。
「あの、荷車に乗りませんか? わたしは力持ちみたいなので、おばあさん一人くらい押すのはなんでもありません」
「まあ、こんな重いおばあさんはほかにはありませんよ。荷物を押してくれるだけでじゅうぶん」
「いいから、いいから」
 贖いのために押しつけられた仕事はいやだけれど、自ら望んで働くのは嬉しいことだ。それに、エルクウァルに作業を手伝ってもらったことで、ずるをしたという気持ちがどこかにある……琥珀が何度も申しでたので、老婦人は恥ずかしそうに「じゃあ」と、靴の泥を落として荷台にのぼった。
「ラブも重いでしょうねえ。家までもう少しだから辛抱してちょうだい」
 グフゥ、とやる気のない返事。
「行きますよ」
 と、張りきって荷台を押しだした琥珀だが、そのあまりの重みに「う」とうなった。
「どうかしたの?」
 老婦人がおっとりと聞く。見かけは華奢でなんの変哲もないおばあさんなのに、なかなかの重さだ。かといって、重いから降りてほしいなどとはいまさら言えず、琥珀は、
「な、なんでもありません。良い天気ですよねえ、ほんとに」
 などとごまかして、腕に力を込めた。
 ゆっくり、ゆっくり、わだちに車輪をめり込ませながら荷車は進む。ラブにやる気がないので、ほとんど琥珀一人で押しているようなものだ。老婦人は膝に手をのせ、景色を楽しむようににこにこと周りに視線を落としている。
「良い日に外に出られたものだわねえ。精霊が草の陰で水浴びをしているわ」
「精霊?」
「見ないふりをしてごらんなさい。ほら、そこの草むら」
 琥珀は荷車を押しながら、目を動かさないようにして老婦人の指さした草むらを視界にとらえた。やはり琥珀の膝丈ほどの身長の、こちらは緑色の人が二人、露をためた草の葉を交互に揺らしては雫で緑の髪の毛を洗っている。
 彼らがこちらを見そうになったので、琥珀は慌てて顔を逸らした。
(精霊なのね……)
 琥珀のような人間と同じようでいて、なにか雰囲気の違う小さな人たち。琥珀が息を詰めていると、老婦人が藁のなかから瓶を引っぱりだして、琥珀に渡した。
「後ろを向いたまま足元に置くのよ。すると精霊が話しかけてくるでしょうから、願いごとを言ってごらんなさい」
 言っている意味がよくわからなかったが、瓶にはミルクが入っていた。琥珀は言われるまま瓶の蓋をとり、後を向いたまま足元に置いた。すると、
『名前、なんだ』
「……琥珀よ。虹の国の王女、琥珀」
『なんか礼がいるか』
 琥珀はどきっとしたが、正直に言った。
「わたしのこの熊の手、もとに戻せる?」
 両手にじろじろと視線を感じたが、
『魔法使いが、方法を知ってる』
「え?」
 驚いて振り向いたとたん、話しかけてきた気配はぱっと草むらに引っこんでしまった。ミルク瓶が空になっている。
草むらの精霊から充分に遠ざかってから、琥珀は老婦人に言った。
「わたし、この国は魔法の国だと聞いていました。きっと人が空を飛んだりなにもないところから黄金を出したりするものだと……だけど、すぐそこに見える小さな精霊のほうがずっと不思議で、なんだか別の世界に来たみたい」
「あらあら。彼らが見えるのなら、あなたにとってこの国はべつだん不思議なところでもなんでもありませんよ。空を飛ぶのも黄金を運んでくるのも、精霊に上手に頼めばできることですからね……この国でまったく魔法を使えないものは、そうね、コルマクの息子のディランくらいかしら」
 意外なところで意外な名前を聞いた。琥珀の胸がどきりと鳴る。
「ディラン様は……どうして魔法を使えないのかな」
「どうしてかしらねえ。代々の王はみんな詩人の魂をお持ちで精霊に愛されておいでなのに、ディランにはその魂がないの」
 魂がない? どういうことだろう。
 老婦人は一つの丘を指さした。その指のずっと先にさらに小高い丘があり、青緑色の屋根の建物が周囲の影すべてを呑みこむような威容をさらしている。
「ディランはいつもあの神殿を訪れているようよ。あそこの年若い巫女なら、あなたの知りたいことを教えてくれるでしょうね」
「あ、あの、わたしは別に、ディラン様のことを知りたいわけじゃ……」
「ディランのこととは言っていませんよ」
 老婦人はくすっと笑い、荷台から両脚を下ろした。
「このあたりまででいいわ、可愛らしい熊の手をした琥珀姫。あなたがこの国の花嫁になるあかつきには、私はまっさきに駆けつけてあげましょう」
「わたしがだれだかご存じだったんですかっ……それなのにわたしに関わったりして、おばあさんが叱られたりはしない? おばあさんのお名前を訊いてもいいかしら」
「よいですとも。わたくしはアルティオというのよ」
「アルティオさん……せっかくだからお家まで荷車を押しましょうか?」
「優しい娘だこと。だけど、もう充分にあなたの心映えはわかったわ」
 アルティオが何度も辞退するので、無理じいもできなくなって琥珀は神殿のある丘へと歩を踏みだした。望んでそうしたかったというよりも、アルティオがにこにこしながら見張っているのでそうせざるを得なかったというか。
 振り向くたびアルティオは微笑みながら手を振ってくれる。あまり長く見送ってもらうのも悪いような気がして、琥珀は足を速めた。もうじき神殿につくというところになって最後のつもりで振り向くと……。
 アルティオのいたところに毛皮の衣を翻した長い黒髪の女性が。痩せ牛のラブがいたところに、痩せた熊が立っていた。
「え」
 幻か。琥珀は慌てて目をこすり、再びいま来たばかりの道に目を凝らした。すると、そこにはだれもいなくなっており、ただ細い道が長く伸びているだけだ。
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