精霊の国に嫁いだら夫は泥でできた人形でした。

ひぽたま

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第6話

頼りになる美形と…

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牛舎から出てはいけないはずの琥珀が、なぜ剣の神殿まで行ったのか。
 呪われた身で神聖な剣に触れていいものなのか。
 ……突っ込まれたらかなり重大な問題があるような気がするのに『琥珀が剣を抜いた』という事実の前ではすべてが些細なことになってしまうらしい。
「千年ぶりの英雄の帰還ぢゃ! 国をあげて盛大な宴を催そうぞ!」
(いやー!)
 布に包んだ剣を抱いて、びくびくしている琥珀そっちのけでコルマクは宣言し、すぐに宮殿じゅうが動きだした。もともとディランと琥珀の結婚式の下準備まではできていただけあって、使用人たちの動きも速い、速い。
「あの、コルマク様。わたしの装飾品をどうかお返しください……」
「ん? そうぢゃな、黄金の首環に腕飾り、耳飾り、留め金にサンダル、錦織のマントに鮮やかな衣。なんといっても英雄なのぢゃからな、国をあげて飾りたててさしあげるのはもちろんのことぢゃ!」
「そうじゃなくて、わたしの琥珀玉を返し……」
「その前になんといっても風呂ぢゃな! 侍女、召使! 琥珀姫を浴室へご案内せよ!」
(どうして話を聞いてくれないのー!)
 泣きそうだけれど、とりあえず宮殿に入ることはできた。ドルイドたちもここにいるのだから、琥珀玉を返してくれるように頼む機会は、これからいくらでもあるはず。
(……ディラン様はどうするのかな……)
 琥珀をコルマクのもとへ連れてきて、剣を抜くまでのいきさつを上手に説明してくれたのはディランだった。王が宴の開催を決めたところで、自分の役目は終わったとばかりに離れていってしまって、いまは姿が見えない。
 琥珀よりも剣を必要としているのはディランなのだから、彼が剣を抜いたことにしてくれても、琥珀はいっこうに構わなかったのに。
(夫婦になるのだから、どちらが王でもいいじゃないの……それともやっぱり、夫婦になるつもりはないから、こういうことはちゃんとしておかなきゃって思っているのかな)
「琥珀様、剣をお預かりいたします」
「え、ああ、お願い」
 これから湯浴みをするのに、剣を抱いたままではいけないだろう。手を差しだした召使に包んでいる布ごと剣を渡し、琥珀は溜息をついた。
 少し落ちついて宮殿を眺められる。
 巨大な木の柱に支えられた円形の建物で、内側の壁はぴかぴかに光る銅の板で仕切られていた。天井が高く、そこは渋い青緑色の青銅が張られており、外部から差しこむ光やなかで灯すランプ灯りを反射して、宮殿全体が輝いているように見える。
 前後左右を召使に取り巻かれながら、琥珀は戸口の狭い部屋に通された。ずいぶん小さな浴室なのだと思う。
「どうぞ」
 と、召使が扉を開けて、慇懃な態度で琥珀を通した。椅子しかない、床も壁も石で囲まれた小部屋である。
(ここで服を脱ぐのかしら?)
 だとしたら、あの召使たちは入りきれまい。案内の礼を言うつもりで振り返ったところ、琥珀一人を部屋に残して、部屋の扉がばたんと閉まった。
「…………」
 真っ暗だ。
 琥珀は手探りで扉に辿りつき、押してみる。隙間に爪をかけて引っ掻いてみる。叩いてみる。
 熊並みのはずの腕力に期待して殴りつけてみたが、木の扉は岩のようにびくともしなかった。
「どういうこと」
 声に出さずにいられなかったが、察しは悪いほうではないので、答えはわかっていた。
 閉じ込められたのだ。
 考えなくてもわかりきったことではないか。ひょっこり現れたよその国の王女が剣を抜いたくらいのことで『英雄』などと認められるわけがない。しかも、呪われている身だ。
 琥珀は扉に手を置いたまま、ずるずると座りこんだ。
 こんなことならおとなしく、あの憎たらしい牛の世話をしていたらよかった。それなら少なくとも、十年待ったら自由になれる可能性はあったのだし。
 憧れの魔法の国で、琥珀が体験できたことといえば、手が熊になったこと。聖牛の世話をしたこと。アルティオと……熊の守り神と会ったこと。それからシアヴィルに会い、岩に刺さった剣を抜いたあと……ディランの髪がさらさらなことと、少しは琥珀を気にかけてくれていたのかもしれない、ということを知った。
 こみあげてくるものがあって、鼻をすする。顔に手をあてると、ふわりと香油が香った。
「いい匂い……野薔薇かな」
シアヴィルがきれいに洗って梳いてくれたお陰で、熊の毛皮は暖かく、ふかふかになっていた。
 琥珀は両方の熊の手に顔を埋める。
 考えよう。いまはまだ閉じこめられただけで、殺されたわけではない。コルマクは宴を催すと宣言したのだから、琥珀をここに入れたのは、魔法の国の人間にしかわからない特別な理由があってのことかもしれないではないか。
 たとえば?
 たとえば……剣にまつわる魔法を蘇らせるための儀式の一環とか?
 儀式のつきものといえば……牛を生贄にしたり、羊を生贄にしたり、琥珀を生贄にしたり。ディランが言っていたように、剣に吸いこまれる血の一滴に自分が含まれるところを想像してみて、琥珀はすっくと立ちあがった。
「そんなのいやあああ!」
 またもや扉に手を叩きつけ、反応がないとわかると部屋じゅうの壁を叩いてまわった。手に触れた椅子をつかみ、床となく壁となく叩きつけ、疲れきって床に転がるなり、心からの叫びが口をついて出た。
「ばっかやろ――――っっっ!」
 ディランはこうなることを予想していただろうか。していなかったかもしれないけれど、コルマクに説得されるはずだ。彼の地位を守るために琥珀は邪魔だと。
 ディランがそのことに納得しなかったとしても、
(この部屋に魔法が掛けられていて、わたしが閉じこめられているのなら……ディランには見つけられないし、見つけたとしても出すことはできないんだわ)
 魔法の国の、魔法を使えない王子様。彼は魂を持たないというけれど、きっと心は優しいのに……琥珀をここに閉じこめた連中よりもずっと優しいのに……どうして精霊たちは彼に力を貸さないのだろう。
 目を瞑り、闇に潰されるようにして眠っていた琥珀の肩に、そっと触れる指があった。
 とんとん、とんとん。
 ちょうど故郷の両親の夢を見ていたところなので、起こされたくない。琥珀がいやいやをして寝がえりを打とうとしたところ、頬にそっと手のひらが添えられる。
「椅子の破片で怪我をしてしまいますから」
 歌のような独特の響きを持つ声。琥珀はぱっと目を開いた。闇があるのを覚悟していたのに、その人の周りだけ内側から炎を灯しているようにぼんやり明るい。
「エルクウァル……どうしてここに?」
「ああよかった。まだ生きていらした」
 銀の髪に紫の瞳を持つ魔法使いは、半身を起こした琥珀に両腕で抱きついた。見た目は華奢なのに、腕のなかは思いがけなく広くて温かい。
「……まだ、って。あなたはどうしてわたしがここにいることを知っているの」
「僕は魔法使いですよ。魔法で隠された扉はすぐに見つけられます……琥珀は大変なことをしでかしたそうですね。神殿の祭壇を破壊して、剣を奪ったのでしたっけ」
「そういうことになっているのっ?」
 エルクウァルの腕から逃れて彼の顔を見つめた琥珀は、あまりに繊細な眼差しに見つめ返されて頬が熱くなるのがわかった。
「ええ、そうです。間違いなのですか?」
「間違いではないけれど……間違いではないのよね。だけど、わたしがこうして閉じこめられている理由は、よその国の王女だからかしら。それとも呪いをかけられているから?」
「ドルイドとディランがぐるだからですよ。ディランはその資格もないのに王位を狙っていて、ドルイドも自分たちの権限を守りたいがために、ディランの不当な行為を黙認しています」
「不当な行為だなんて……たとえばどういうことなの」
「たとえば? あなたの婚約者は、ほんとうは僕だということとか」
「えっ……」
 絶句した琥珀の唇に、エルクウァルは人差し指を押し当てて「しっ」と言った。
「長話をしていてはドルイドたちに気づかれます。場所を移しましょう、いいですね?」
「ど、どうやって。扉は塞がっていたし……あなたはどこからここに入ってきたの」
「僕は魔法使いですよ?」
 エルクウァルはたいそう優美に笑ってみせ、琥珀を片腕に抱いて立ちあがると、樫の杖で空間に奇妙なかたちを描いた。杖の残像がついた空間から歌のようなものが洩れ聞こえてくる。エルクウァルは琥珀の肩を強くつかみ、
「行きます」
「待って、壁にぶつかるわ……っ」
 目を閉じても予想していたような衝撃は訪れず、代わりに涼しい風が顔に吹きつけた。夜の空気だ。琥珀の足もとには草地があり、周囲の空間は開けていて、ところどころに松明の灯りが行きかっている。
 ――いたか……っ?
 聞こえてきたのはディランの声だった。外はとっくに日が暮れていて、松明を掲げたディランが建物から建物へと走りまわっている。
 ――どこにいる……琥珀っ。
(わたしを探しているんだわ)
「うるさい連中が、ちょろちょろと」
 エルクウァルは舌打ちして、琥珀の耳にくっつかんばかりに唇を近づけ、囁いた。
「僕がいいというまでじっとしていられますね? 飛びますよ」
「飛……待って、わたしはディランのところに」
「見つかったら、また監禁されますよ。それよりも魔法を見たくありませんか?」
「うわあ」
 彼の杖が切り裂いた空間から風が現れ、二人の体に帯のように巻きついて宙に浮きあがらせる。はばたきもいらず、助走もいらない。鳥よりも鮮やかにエルクウァルは琥珀を空へと連れていった。
「……!」
 霧のしぶきが頬に叩きつける。足を支えるものはなにもないのに、地面の上にいるのと同じくらい安定していた。雲を抜け、上昇が緩やかになると、エルクウァルは腕の力を緩めて琥珀に周りが見えるようにした。
 一面の夜だ。
 足もとの薄い雲の広がりの下に、魔法の国の灯りがちらちらと揺れている。頭上の星空と比べてあまりにも小さいが、生きている人々の星だ。それから、周りは海。遠くのほうに細く月が浮かんでいて、その淡い光が水平線を銀色に縁どっている。エルクウァルが琥珀の肩を軽く押した。
「ずっとあちらに小さな明かりのかたまりが見えるでしょう。あのあたりがあなたの故郷、虹の国です」
「あそこ……お父様とお母様がいるところ」
 なんて小さくて、なんて温かい色なんだろう。虹の国では夜中に漁をするために舟に灯を点すことがよくあった。琥珀の親しんだ人たちがみんなあの光のなかにいるのに、琥珀はここでなにをしているのだろう。
 無意識にエルクウァルの衣に手を乗せていた。エルクウァルがくすっと笑う。
「そうそう。あなたに頼まれもの渡すのを忘れていました」
「頼まれもの?」
 エルクウァルが翻した手の指に紐がぶら下がり、その先に琥珀玉が揺れていた。琥珀は息を呑み、しばし言葉も出てこない。
(取り返して……くれたの? エルクウァルが)
「もう必要ありませんでしたか? これだと思ったんですが」
 琥珀はぶんぶん首を横に振り、エルクウァルの袖を両手で挟んでうつむいた。
「ありがと……ほんとうに、嬉しいわ……」
「きれいな琥珀玉ですね。あなたのお守りなのでしょう?」
「わたしと一緒に生まれてきたの。わたしの名前も、これからもらったの」
「そんな大事なものを奪うなんて、ドルイドもディランもひどいですね」
「ディランは違うわ。取り戻そうとしてくれたのだもの……」
 エルクウァルが短く溜息をつき、琥珀の手に琥珀玉を渡した。そして、
「降りましょうか。そろそろ、精霊たちも息切れをしてきている」
 のぼってきたときと同じように空中を歩くような滑らかさで、琥珀と、琥珀の肩を抱いたエルクウァルは高い山の上に降りたった。
 そこはちょうど雲の高さにある断崖の上だが、明らかに人の手で切りだされた石のバルコニーだった。
 硬い床に足がついたところで、琥珀ははっとして振り向く。大きな窓の内側に灯りが点っており、色つき硝子を通して長椅子や家具が整然と配置された居間が見える。
「僕の館です」
 エルクウァルの言葉に我に返って、琥珀は魔法使いを振り仰いだ。
「かくまってくれるつもりなの? もしもコルマク様に知れたら、あなたの立場が悪くなってしまうわ」
「僕に立場なんてもともとありゃしません。それよりも、琥珀姫を手に入れることのほうが重要なんですよ」
 エルクウァルの内側から発する光は消え、周りは霧に包まれているので、いまは硝子を通した光だけが魔法使いの顔を照らしていた。あまりに整いすぎていて、微笑みのほかはすべてさみしい表情に見えてしまう。
 琥珀は自分の琥珀玉を首にかけ、ようやく、心の隙間が埋まった心地になりながらエルクウァルに訊ねた。
「あなたはわたしの恩人で、心から感謝しているわ。だけど……にわかには信じられっこないの。ディランがわたしの監禁に関わっているとか、あなたがわたしの……ほんとうの婚約者だなんていうことは」
 霧が肌に沁みて、ぶるりと寒気がする。熊の手に顔を埋めてくしゃみをした琥珀の背に手を添え、エルクウァルは城へ入るようにと促した。
「ここは安全ですから、なかへどうぞ。濡れた服を着替えて、遅い夕食でもとりながらゆっくりお話しましょう。僕のことと、あなたのことを」
 ディランのことも。琥珀は心のなかで付け足した。
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