精霊の国に嫁いだら夫は泥でできた人形でした。

ひぽたま

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第17話

2・最終決戦

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 吹き抜けの穴は、熊の体には狭かった。毛皮が石垣に擦れる。鈎爪を石の隙間に引っかけてぶら下がってみたが、手を離すしか降りる方法はなかった。相当な高さをお尻から落ちたものの、アルティオの毛皮に守られてぽよんと弾む。もともと身軽なディランは、転がっている琥珀のそばに音もなく降りたった。
(ずるい)
 文句を言おうとして、息が詰まる。空気が赤く、熱で揺らいでいた。パン焼き釜のなかにいるようだ。アルティオの毛皮がなければとっくに胸が焼けていただろう。
「大丈夫か?」
 ディランは息をしていないので平気らしい。訊ねられて、頷く。ディランが頷き返して、奥の壁を指さした。
 迷路のあった壁が消えていた。瓦礫の向こうが夕焼けのように光っている。天井に空いた穴から吹きこむ風が火の粉を散らし、炎は風に抗って空に伸びようとしていた。穴の縁がじわじわと広がっていく。
 火と風の混ざりあう轟音のなかで、ガラスが割れるような悲鳴が聞こえていた。
(女王様、女王様、おやめください!)(お鎮まりください、メイヴ様……!)
 ダナーの民だ。身を低くして瓦礫に近づき、下を覗きこむと、ねじれた炎が数百も絡まって炎の大木となり、上空に枝を、足元に根を伸ばして、ミミズのようにうねりながら広がっていくなか、きらめく姿のダナーの民が炎につかまっては宙に投げあげられ、蒸発するように消えてしまう。
(ひどい)
 メイヴは正気を失っているのだろうか。自分の民を守れないのなら、王を名乗る資格もない。赤と金の混ざる火のなかにゆらめくひときわ強い光の中心に、唯一動かずに突き刺さっているものがあった。ルーの剣だ。
「あれを抜けばいいんだな」
 ディランが呟く。琥珀もそれはわかっているのだが、どうやって? 二人まとめて黒焦げにされるよりは、どちらかがメイヴの気を引き付けているうちに、もう1人が……と頭のなかで契約を練っているうちに、ディランがいきなり立ちあがった。彼の足元から瓦礫の石が落ち、炎のなかに吸い込まれていく。
 誰じゃ……っ?
 聞こえてきたのは――声というよりも、炎のうなる音。火がねじれてできた細い枝が伸び、ディランの体をちらちらなぞる。悲鳴をあげそうな琥珀を、ディランが片手で制していた。やがて、
 シアヴィルかえ?
 炎がディランの体をなぞるたび、シアヴィルが振りかけた鱗粉が爆ぜるのだ。焼けつく空気のなかに、わずかに香る花。ディランは一言も口を利かないまま、一歩踏みだす。
 よくお戻りだねえ……わらわの妹。おまえが千年守ってくれた剣がいまこうして、わらわの新たな力となった。
 激しい炎のなか、メイヴは気配だけで相手を見ているらしい。腕を広げるように炎を枝分かれさせて、ディランが通れるだけの隙間をつくった。
 こちらへおいで、シアヴィルや……わらわのそばへ。おまえにはまだ役目があるのじゃ。新しいエリウの神となるわらわを、そばで祀るという役目が……。
 炎のあいだからのぞく地面はひびわれていた。その隙間に光るのは溶けた石。ルーの剣は使い方次第で、緑の島をこうも残酷に変えられるのか。いっそ美しいほどの光景に見入っている琥珀の目の前で、ディランが迷いなく隙間に飛びこんだ。
「ディ……!」
 声をあげかけ、熱を吸ってしまう。噎せているあいだにディランを見失った。琥珀の声に気づいたのか、炎の腕がちらりと毛皮を掠めた。熱さよりも、ちりっという衝撃が強い。
 コリドウェンか……っ?
 メイヴの厳しい声。ちり、ちり、と炎が毛皮を焦がす。ここで黙ったまま焦がされていくより、少しでもメイヴに近づいたほうがいい。琥珀も思い切って身を乗りだし、体を丸めて溶岩の上に落ちた。溶けた石は柔らかく、衝撃はさほどでもないものの、毛皮越しに熱を感じる。
(熱……)
 毛皮をできるだけ掻きよせる。じわじわと沁みる熱さ。息もできない。長く持たない、といったアルティオの言葉が思いだされる。
 メイヴの炎の幹が、目の前で揺らいでいた。
 コリドウェン……ではないな。そなたは――アルティオか。熊の守り女神よ、わざわざわらわのもとへ来て、命乞いか?
 長くはもたない。メイヴはまだ気づいていない。琥珀は熊の毛皮に身を埋めながら熱い地面を踏みしめ、一歩、一歩、炎に近づいていく。周囲で火の粉が爆ぜ、毛皮を焦がした。
 メイヴの周囲で舞っているのは、蒸発したダナーの民の衣だ。命を取られ、衣は燃やされ、炭に変わる。いまメイヴを止めなければ、エリウのすべてが彼らのように燃やし尽くされてしまう。
 どうしたのじゃ、アルティオ。なぜわらわに近づく? 消し炭にされたいのか?
「……」
 返事をしないのは、息ができないからだ。目を開けたら眼球が燃えてしまいそうで、薄目でようやく判別がつく視界のなか、一歩一歩メイヴに近づく。足の肉球が焦げ、爪が根元から取れてしまう。皮一枚を隔てて足に伝わる熱は、熱いというよりも痛かった。止まればもう動けない。ディランは……? 探す余裕もなく、琥珀はただ自分の役目を果たすだけ。
 メイヴの目の前に来た。黄金に燃え盛る炎のなか、ほっそりした女性のかたちが揺らいでいる。それがメイヴだ。もとは美しい女王だったのに――……。
 メイヴは自分のそばまで近づくものがいると思っていなかったらしく、おののくように身を揺らした。剣で自分自身をつなぎとめているから、その場から動けないのだ。
 なんじゃ! アルティオ! 無礼じゃぞ、下がれ! さもなくば。
(……メイヴ。様)
 かわいそうな女王。心のなかで呟いて、焼け残った毛皮ごと炎のなかに両腕を突っ込む。すぐに全身炎に包まれ、薄皮一枚を残して熊の毛は焼け落ちてしまった。剣に近い両手の先は薄皮すら剥がれて、少女らしい白い両手があらわになる。炎の勢いが一瞬緩み、黒ずんだ炭のような女王の顔が確かに、琥珀を見おろした。口元が動く。ひびわれた声で、
『そなた……琥珀姫、か?』
「っ……」
 琥珀はルーの剣をつかんだ。手が溶けそうな熱を感じながら、力を込める。メイヴがようやく琥珀の目的を察し、炭を吐きながら呪いの声をあげた。
『おのれええ!』
 熱風が足元から吹きあがり、琥珀の足元をさらった。体が宙に浮きながらも、両手はルーの剣の柄に張りついたまま剥がれない。なんとかメイヴから引き抜こうともがいてみるものの、深々と刺さった剣はびくともしなかった。
「――メイヴ!」
 二人の頭上から声が響く。ディランだ。メイヴの真上に移動していたディランは、炎の枝から琥珀を襲う渦のなかに飛びこみ、二人のすぐそばに降りたつ。メイヴはぴくりと反応したものの、一度壊した人形の息子になど目もくれないらしかったが、
「母上、おれはバロールの永遠の命を持っているぜ!」
 なんじゃ、と……! 寄こせ……!
 琥珀を取り巻いていた炎の渦がほどけ、ディランに向かう。襲ってくる炎の渦をかわしたディランは琥珀を抱きとめ、ぐったりした体に覆いかぶさるように包みこんだ。
「悪い、ちょっと遅れた。……熱かったろ。がんばったな」
(……うん)
 熱かったけれど、もう平気。ディランが一緒だから、もっとがんばれる。琥珀の手に手を重ねて、ディランも剣を握りしめた。力を振り絞り、息を合わせて強く引く。
 炭の顔のメイヴが、黒い口で訴えた。
『ディラン、バロールの永遠の命はどこじゃっ?』 
「それは……」
 口ごもる。メイヴの注意をそらすための方便だったからだ。嘘に気づきかけたメイヴが再び炎を燃え立たせ、より大きな渦でディランと琥珀ごと焼き尽くそうとする。視界すべてが黄金色に染まるなか、体が完全に炎に包まれる寸前、琥珀が口を開いた。
「わたしの琥珀玉よ」
『なんじゃと……!』
 琥珀の大事な宝物、生まれたときに握っていたという琥珀玉は、衣が焼け、むき出しになった胸元できらめいていた。琥珀にとってこれはずっと、いつか魔法の国へ行くためのお守りだったが、バロールの話を聞いたあと、虹の国に残る英雄の言い伝えと重ねることでわかった。

 ――『王は虹を渡って、湖のそばに降りたった』
 ――千年前の戦いののち、我は不死の魂を親友に譲ってしまったのだ。ルーは我の魂を呑みこみ、我の残骸をここに封じて、この地を去っていった。
 ――『我が再びこの地に還るとき、剣の封印は解かれる』……。

 バロールの本性は大木。琥珀は永遠に近い歳月を経て木が生みだした宝石――つまり、木の命だ。ルーは呑みこんだバロールの魂を子孫に伝え、魔法の国に返すために琥珀に預けたのだろう、と。
『その通り』
 ディランの口を借りて、バロールが言う。
『ルーは不死の魂などほしくない、いつか我に返すと約束していった。だが、我にももはや還る肉体はない。琥珀玉は、琥珀姫が好きなようにすればいい』
 琥珀だって、永遠に生きたいとは思わなかった。人間としてのささやかな命があればじゅうぶんだし、それだって、ディランと共にでなければ意味がない。だったら、
「メイ、ヴ……永遠の命が欲しいなら、あげる。わたしの琥珀玉を持っていけばいいわ。ただ、エリウの地は……精霊たちに返すと……約束して」
『寄こせぇぇ……っっっ!』
 メイヴが手を伸ばした。炭の指が琥珀玉をつかむ寸前、ディランが一方の手でメイヴの手首をつかみ、押さえこむ。
「母上、琥珀に誓え! でなければ、琥珀玉は渡せない!」
 ディランの体からはがれた泥が、琥珀の目の前で火の粉に変わった。瞼が熱くて、涙も出ない。琥珀は剣を引く手に最後の力をこめる。
(エルクウァル、シアヴィル、アルティオさん、力を貸して……バロール。英雄ルーの血が少しでもわたしに流れているのなら、どうか、このエリウの地を守るために、力を!)
 ずる、と剣が動いた。熱せられ、黄金色の光を帯びた塊が、ずるり、ずるりとメイヴから離れていく。メイヴはもがいたが、腕をディランに抑え込まれて抵抗できない。
『離せ、寄こせ……永遠の命は、わらわのもの……ぉぉっっっ!』
 メイヴの首が体から離れた。琥珀玉に唇が触れるのと同時に、ルーの剣が完全に女王の体から抜け落ちる。一気に収束した炎が剣に吸い込まれていき、しかし、高温で熱せられ続けた刃はもはやかたちを留めておけなかった。刃が溶け、黄金の輝きを放ちながら琥珀の足元に落ちた。
 琥珀も、英雄の剣の柄を握ったままその場にくずおれる。熱い地面に倒れ込む寸前、自分を庇うように差しだされたのは、かさかさに乾いたディランの腕。
(琥珀玉、が……)
 紐が焼け焦げた琥珀玉が、意識を失いかけた琥珀の胸からころりと落ちた。ルーの剣だった塊に触れ、まだわずかに残る魔法がバロールの永遠の命を吸い、メイヴが吸いあげた精霊たちの命と混ざりあい、膨らんで、そして――。
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