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壊れた王子様

初めての性的快感と初めての絶頂

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 まぁ、部屋の奥に風呂場(お湯とかのはどういう仕組みになってるかはさっぱりだが)、トイレ、とかもあったのは驚きだ。
 どうやら王様が普段は隠して、必要時にだけ出現させる、みたいな感じだった。
 アルゴスは部屋の改造や、隠していた所の開放などの許可を王様からもらっているらしい。
 ただ、念入りに言われたことがある、鏡の使用はあまりしないようにと。
 どうやら王子様は鏡に己の姿が映るのを見た途端精神的に異常状態に陥るらしく、その為か、洗面台についている鏡は布で覆われていた。
 風呂場も鏡があるようだが、布で覆われて見えない状態になっていた。

 まぁ、とりあえずこの部屋からすぐ行ける場所とか、部屋の中はもう見た俺はちょっと疲れたのでベッドの端に腰を下ろした。
 アルゴスは空の器を手押し車の上に乗せて、何故かまだいる。
 なんだろう、目を閉じているが見られている感覚がする。

 アルゴスから感じる、今まで感じたことの無い視線に気を取られて俺は気づかなかった、後ろからいつの間にか目を覚ました王子様が俺に手を伸ばしている事に。

 昨夜の様に強い力で服を引っ張られ、俺は背中からベッドに倒れ込む。
「⁈」
 ずるずると引っ張られ、なんというか、王子様が俺に馬乗りになってる。
 荒い呼吸しながら俺の服を脱がせようとしているが、手がうまく動かないのか出来ずにいるようだ。
 無論俺も渾身の力で抵抗はしてるつもりなのだが、全く抵抗になっていない状態だ。

 やべぇ、俺貞操の危機!!

 王子様破こうとしているが、素材が俺が昨日着ていた服とは違うのか王子様の怪力でも引きちぎれないようだ。
「リアン様」
 アルゴスがいつの間にか近づいてきてた、助けてくれるのかと思った。

 が、その期待はすぐさま砕け散ることになった。

 アルゴスはさも当たり前の事のように俺の上着をこの状態のまま脱がせて、取り上げた。
 俺は凍り付く。

 おい、どういう事だ?

「ニュクス様、リアン様は忌まわしい行為の所為で性に関する欲が歪になり、その上ずっとそれを発散できず、かといって自分で慰める事もできずにいたのです、ですので申し訳ございません」
 アルゴスの囁きに、思考が停止しかける。

 俺は俺の貞操とおさらばしてほしい、という内容なのを把握するのに時間がかかった。

 まぁ、俺が思考停止状態から我に返った時、既に遅く、俺は素っ裸にされていた。
「ギャー!!」
 絶叫するわ、さすがにこっちの世話までしてくれと今はまだ王様に言われてないからな。

 いや、駄目だったら子作りしてくれとはいわれたが。

 何かアルゴスが何処からだしたと言いたくなる上、よく分からない物をベッドの上に置いている。
 王子様が何か透明な液体が入った瓶に手を突っ込んだ、何かねっとりした感じの液体なのが王子様の手から落ちる液体の感じで分かった。
 液体で塗れたと思わしき手が、自分の女性器を撫でたと思ったその瞬間指が入って来た。
「……」
 いや、指入れたことないから、なんとも言えない、気持ちよいとも感じない。
 ただ何か入ってる感触に違和感を感じた。
「い゛……」
 指の本数が増えた、なんというか気持ちよく無いどころか痛い、ちょっと痛い。
 爪は伸びてなかったから爪で痛いんじゃなくて指が痛い。
 正直そういう行為を見るような好奇心もなかったので、ずっと俺は顔をそらしてみないようにしていた。
 ぐちゅぐちゅっていう何と言うか粘質な液体の音が耳に届く。
 何か広げられる感触が微妙に気持ち悪い。
 指が抜けるのを感じた、諦めてくれたかなと淡い期待を抱く。
 顔をそらしていると、視界に白に近い金色の髪らしきのもが見えて顔を向ければ。
 絶世の美貌の王子様が俺の顔をじっと見つめていた。
「……終わり?」
 首を振りやがった。
 俺は舌打ちしたくなったがぐっとこらえていると、アルゴスが王子様に何か言っている。
「リアン様、舌でお慰めて差し上げては」

 舌?
 慰める?
 どこを?

 アルゴスの言葉に反応したのか王子様が何か移動した。
 王子様が移動した途端、俺の腕や上半身をアルゴスの奴が抑えつけた。
「ニュクス様」
「……」
 アルゴスの笑顔が何か怖い。
「女性の方が未経験である貴方には少し酷かもしれませんが、頑張ってくださいませ」
「は? いや、なにぃ⁈」
 何か纏わりついてる!!
 ぬめっとした物が何か剥いてるような。
「んひぃい⁈」
 内側ではなく、外側に出ている何かを液体で滑る何かで、刺激を与えられ変な声が出る。

 体を起こそうにも、アルゴスの凄まじい力の所為で起こせない、少しだけ起こせた頭ではなんか王子様が俺の股の間に顔うずめてるようにしか見えない、何してんだこれ⁈

「まだ、膣内には入ってません、かなり緊張していらっしゃるようですので、陰核――そうですねクリトリスともいいますね、其処をリアン様が舐っていらっしゃいます」
 そんな解説いらねぇ!!
 押さえ付けられてないはずので抵抗しようと思ったら、脚も抑えられている。
 ちらっとさっき見た限りでは王子様は俺の両脚には触ってない、関節部だ。

 誰が抑えている?

「申し訳ございません、ニュクス様。リアン様の為なので少々私の術で貴方様の脚を抑えさせてもらっております」

 お、ま、え、か!!

 にこやかに笑っているアルゴスの顔面を殴り飛ばしたいが、現在それができない。

 ああああ、やめろやめろ、俺はそういうのと無縁でありたかった!!

 だって、俺両方持ってるじゃん?
 普通と違うだろ?
 見た目だって、体つきだってどっちでもないんだよ。
 後、ぶっちゃけると男が来るのも女が来るものどっちも来てないんだよ俺。
 その所為か分からないけど性欲なんて全くわかなかった。
 義父さんが戸惑いながら渡してきた、どこから入手したか分からない、男向けと、女向けのそういう本を読んでも全く興奮しなかった、ぶっちゃけ意味が分からなかった。
 いやだから、無理!!

「――ああなる程、そうなのですね」
 アルゴスが何か俺の顔を見ながら何かに気づいたかのような事を言っている、何言ってるんだ此奴と思いながら変な感覚に体をびくつかせた状態で見ると。
「ニュクス様、ご安心を、未成熟でも絶頂することも、気持ちよくなることも可能です」
 言っている意味が全く理解できなかった。
 出てる――うん、アルゴスが言った事が事実なら陰核を刺激していた――王子様の舌が離れる感触がした。
 離れてすぐそこを指でつままれる。
「んぎぃ~~⁈」
 頭が真っ白になる。
 体を押さえつけられたままびくびくと震わせて、一気に脱力してしまう。
 荒い呼吸して、目を白黒させる、なんだ、今の?
「今のが絶頂――イったともイクともいいますね。良かったですねリアン様、ニュクス様の生で初めての絶頂が夫である貴方の手によるものですよ」
 嬉しそうにいっているアルゴスの顔をぼこぼこになるまで殴りたかった。
 王子様を殴ったら俺の命とかが危ないからできない分。
「おわ……たら、おぼえ、と……んひぃ!?」

 再びナカ――えーとおそらく膣内に指が入って来た、何かおかしいぞ、さっきは全く感じなかったのに何だこれ⁈
 液体なんかつけてなかったのに、くちゅくちゅって音がする。
 あと変な感じがする、なんだもどかしいというか物足りないというか……んがー!!
 わからん!!
 なんなんだよこの変な感覚は⁈
 変な声だしちまうし、何なんだマジで⁈

「それが性的行為による『気持ちよい』、『快感』という感覚ですよ、ニュクス様」
 アルゴスが相変わらずむかつく笑顔で俺に囁くようにいってくる、お前は人の思考でも読んでるのかと若干思いたくなったし文句も言いたいがそんな余裕が俺にあるはずもなく。
「ひ、あ、ふぁっ」

 いや、何なのこの声、俺の声なのに俺のじゃねぇ!!
 変な感覚――むかつくが、気持ちいいというのが今までの知識と今回の状況で一致した。
 となると、この音俺の女性器から分泌されてる体液――愛液が原因か?!
 いやでも確かあんまり感じなくても膣内とか女性器守るために分泌される……ああああああ、言い訳したいけど無理だこれ!!
 なんか下腹部が変に疼く!!

「んひぃ⁈」
 膣内の奥っぽいところを長い指で触られる感触に変な声が上がる。

 なんか、なんか奥⁈
 奥触られた!!
 何だこれ⁈

「ああ、子宮口ですね。良かった、ニュクス様は未成熟ですがそこで感じられるお体でいらっしゃるのはとても良いことです」
 相変わらずむかつく程いい声で俺にアルゴスの奴は囁いてくる。
 先ほどまでなら殴りたいと思うが今は殴れない――というかそんなこと考えれる状態ではなかった。

 これなんかやばい!!
 いや、なんというか性的行為慣れてない奴にやったら駄目な奴だろこれ⁇
 無理無理無理無理!!

「あ゛、あっあ……あ゛――!!」
 頭の中が真っ白になる。

 む、り。

 意識がぶつりと途切れるのを俺は感じた。




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