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完璧な執事はふたなりの主人に溺愛される

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 私の名前はヘイル・グレイル。
 ローレンス侯爵家の執事です。
 執事、と言っても、屋敷に住んでいるのは私と主人だけで他の誰もいません。
 だからやるべき事が多いのです。
 朝早く目覚めると、家中の掃除をします。
 主人はまだ夢の中だからそれ以外の部屋や廊下を静かに掃除します。
 それが終わると主人の食事の支度をする。
 主人は見かけによらず大食らい……げふん、かなり召し上がるので量もそれなりにつくらなければなりません。
 それが終わったらいよいよ、主人を起こします。

「ご主人様、朝食ができましたよ、起きてください」
「ヘイルがちゅーしてくれたら起きるわ」

 男性ならときめくような美貌の持ち主。
 亜麻色の髪に、エメラルドの目、白い肌、薔薇のような唇。
 私の主人、エリス・ローレンス侯爵。
 見目は女性だが秘密がある、その秘密を知るのは王族と私ぐらいでしょう。

「そのようなことをおっしゃらないで下さい。ほら、起きて下さい」
「むー、つれないですね」

 ふぁと欠伸をしてエリス様は起き上がります。
 お湯で顔を洗い、亜麻色の髪の毛をとかし、お着替えの手伝いをします。

 そして食事を持ってきます。
「ヘイルの料理はいつも美味しいわ」
「感謝の極みでございます」
 そう言って料理を口にしているエリス様がとても愛おしいのです。

 私は孤児でした、そんな私を拾い上げて下さった方がエリス様でした。

 いつまでもお若く美しいエリス様。

 それ故悪評も絶えません。
 あれは悪魔との子だ、と。
 そんな評判が出たら国王陛下がその評判を出した者を潰して下さるのが助かります。
 それでも絶えない悪評に、エリス様は嫌気がさして私以外の者を雇うのを辞めてしまいました。

『仕事がたくさん増えるけど、無理にやらなくていいからね?』

 と私にエリス様はおっしゃいましたが、私は執事。
 何事にも全力で当たらねば。

 エリス様の食事が終わり、歯磨きの準備もして歯を磨いて貰い、そして執務室へと移動するのを見送って、私は一端外へ出ます。
 庭の手入れです。
 これも素早く、そして丁寧に行います。
 それが終わると、エリス様にお茶と菓子をお持ちしに行きます。
「エリス様、お茶と菓子が用意できました」
「ああ、もうそんな時間なの」
「エリス様お仕事はされましたか」
「したわ、うんざりするくらい」
 無邪気に笑うエリス様。
 その笑顔もまた、愛おしいのです。
 お茶と菓子の時間を終えると、私は夕食の準備をします。
 エリス様は昼食を食べない代わりに菓子をお食べになります。
 なので夕食は豪勢に作ります。

「エリス様、夕食のお時間です」
「ああ、もうそんな時間?」
「はい、その通りです」
「分かったわ」
 そうして食堂へ向かうエリス様、エリス様は作った料理を全てお召し上がりました。
 いつもですが、その細い体のどこにそんなに入るのか不思議でなりません。
「ヘイル、湯浴みをお願い」
「はい」
 湯浴み場へ行き、お湯につかるその姿はお美しいものでした。
 豊満な胸、細い腰、美しい肌、そして──それに異物のように見えるはずなのに、そう見させない男性器。
 これがエリス様の秘密です。

 エリス様は両性具有なのです。

 エリス様の髪の毛を洗っていると、エリス様はため息をつかれました。
「どうなさいましたエリス様」
「国王陛下がいい加減結婚したらどうだってまたよこしてきたのよ、私にはヘイルがいれば十分なの」
「エリス様、私はただの執事でございます」
「ヘイル」
 エリス様の声色が変わり、そして妖艶な笑みを浮かべて私を見ます。
「今日は私の寝室へ来なさい」
「は、はい……」
 その笑みが恐ろしいと思うと同時に、体が熱くなるのを感じてしまいます。


 寝室に行く前に、後孔を洗浄します。
 洗浄液で、何度も腹を満たし、トイレで吐き出します。
「っぐ……は……」
 魔道具のトイレなので水を流せば綺麗になる便利なものですが、貴族の一部にしか手に入らない程の高級品です。
 それをこんな風に使うことに申し訳なさを感じていますが、そうしなければいけない訳があるのです。


 寝室に向かい、ノックをします。
「ヘイルでしょう? 入ってきなさい」
「はい……」
 扉を開けると、ベッドの上で、裸体をさらけ出しているエリス様がいらっしゃいました。
「おいでなさい、可愛がってあげる」
 その言葉に、ぞくりと甘い快感が私の体を走りました。




「服を、脱ぎなさい。下着もよ」
「はい……」
 私は衣服に手をかけ、服を脱ぎます。
 その際もしわにならないように畳みながら脱いでいきます。
 素早く、丁寧に。
 裸になった私を見て、エリス様は妖艶に微笑みます。
「綺麗よ、褐色の肌に銀色の長い髪、とても綺麗。紫の目も素敵……なのに貴方はかくしてしまいがちだものね」
 私はこの目が大嫌いです。
 この目の所為で私は捨てられたのですから。
「さぁ、いらっしゃい」
 私は心臓が激しく鼓動を打つのを聞きながらエリス様のところへ行きました。
「エリス、様」
「さぁ、ベッドにのって」
 ベッドの上に乗ると、エリス様は私を押し倒し、キスをしました。
 舌で歯列をなぞり、私の舌と絡めさせるような口づけ。
 私に抵抗する資格などありません。
 ただエリス様のなさるままに、舌を絡めるだけです。
 舌をなぞられるだけでも、甘い快感が走り、体が熱を持ちます。
 絡め合うなら、さらに快感が強まり、体が汗ばみ始めました。
「ヘイルは汗っかきね」
「も、申し訳ございません」
「いいの、それもヘイルなのだから」
 そう言って私の首筋を舐めあげられました。
 ぞわぞわとした快感に、まだ触られても居ないのに私の雄は勃ち上がっていました。
「ヘイルは敏感ね、そんなところが可愛いわ」
 エリス様は妖艶に笑う。
「お尻をこっちに向けて、私の雄を貴方の可愛いお口で奉仕してちょうだい」
「は、はい……」
 いつもとは違う言葉に少し戸惑いつつも、私は申し訳なく思いつつエリス様の方へ尻を向けて、エリス様の雄を咥え込みます。
「んぅう⁈」
 後孔に何かぬたっとしたものが入り混み、手が私の雄をこちゅこちゅと扱き始めました。
 慌てて見れば、エリス様が私の尻に顔を近づけていました。
 まさか。
「え、エリス様! そ、それはおやめに、舌が穢れてしまいます……あ、あぁ‼」
 ちゅぽっと音がした。
「穢れないわよ、それに綺麗に貴方は洗浄してから来てるのでしょう? だからご褒美よ」
 再び舌が入りこみ、こりこりと私の弱い箇所を刺激します♡
「こーら、お口は?」
「ひゃひゃいぃ……♡」
 必死になって、エリス様の勃起した雄を咥え込み、じゅぽじゅぽと舐め上げ手ですり、雁首の部分を刺激して奉仕します♡
「そうそう、上手上手♡ いい子だから今度は指で触ってあげる」
 舌でふやけた後孔に指が入り込んできて、コリコリぐにゅぐにゅと弱い箇所を刺激し始めました。
「ん──‼♡」
 雄から液体が出る快感──射精をしてしまいました。
 しかも、エリス様の胸元に。
「も、申し訳ございません……♡」
「もうしょうがない子ね、ほら、こうしてあげる」
 と胸で押すをぬちゃぬちゃとしごかれ始めました。
「っ──‼」
 敏感になっているそこをしごかれて私は何度も胸の中で射精してしまいました……♡

「ヘイル、私まだ一回も射精してないの。分かってるわよね?」

 精液を吐き出せなくなったカライキを繰り返すようになった私に、エリス様はおっしゃいました♡
「は、はひ……♡」
 体制を変えて、エリス様の雄を自分の後孔に当て、ゆっくりと腰を下ろしていきます。
「はー♡ はー……♡」
「いい子いい子」
 エリス様は子どもをあやすように私を撫でられました♡
「じゃあ、動いて見せて」
「は、はひ……♡ んっ、んぁっ♡」
 たんたんたん、と上下に動かし雁首が、弱い箇所を、前立腺を刺激する快感に耐えながら私は腰を動かしました♡
「ちょっと遅いわね」
「もうし、わけ♡ ありま、せん♡」
「いいのよ、可愛いヘイル。私がやってあげるわ」
 そう言って腰をつかまれ、押し倒され、どちゅんどちゅんと勢いよく腰を動かしになって、私の腸内をえぐるように突き上げます♡
「いっぐぅう♡‼ まっへください、いぐのとまらにゃいでしゅ♡ おなかももういっぱいで……いっぐう♡‼」
「だって、私まだイってないのよ。出てるのはカウパー、カウパーと動いているだけでそんなに感じちゃって、可愛いわ」
 信じられない言葉を聞いた、けれども確かに射精したという感じではないのです、ああ、だめだ、またイく♡
「ん……そろそろ私も出そう、だから奥に出させてね」
「ひゃ、ひゃい……♡ お゛♡」
 どちゅんと奥に入ってくる感触♡
 そこを小刻みにどちゅどちゅと犯される快感♡
 ああ、たまらない♡
「ん……っ!」
「あぢゅいぃぃ♡」
 熱い精液がどぷどぷと奥へ注がれる感触に、私は潮をふいて絶頂してしまいました♡

「ふへぁ……♡」

 惚けている私の横で、エリス様は口を消毒されていました、そしてそれが終わると私の頬にキスしてきました……♡
「可愛いヘイル、もっともっと可愛がってあげる」
「ひゃい……えりしゅしゃま……♡」
 そう言って再び口づけをして、そのまま、また腸内全部をずりずりと刷り上げながら私を抱いて下さいました♡



 翌日、寝坊をした私は大慌てで仕事をしようとしたところ──
「今日はお休み、私の抱き枕になってなさい」
 とんとつながったまま眠った為私は甘い声をあげて──
「ひゃ、ひゃい……エリス様……♡」
 それからエリス様が本格的に起きるまで、ぐりぐりと奥をねちっこく押され、シーツをより汚してしまいました♡




「私の可愛いヘイル」
 イきすぎて意識を飛ばしたヘイルに、エリスは口づけをした。
「貴方がいれば私は何もいらないのよ。私の可愛いヘイル……」
 エリスはそう言ってヘイルを再び、抱き始めた。


 私の為に完璧な執事であろうとする貴方は可愛いわ。
 でも、無理はしてほしくないの。
 だからお仕置きを称して抱くの、無理はしてほしくないから。
 だから私は貴方に何度だって精液を注ぐわ、貴方がずっと私と一緒に居るためならね……






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