野花のような君へ

古紫汐桜

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そうだ!会いに行こう!!!!

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蔦田さんにそんな口をきける人間を、僕は未だかつて見たことが無い。
アワアワしている僕を他所に、蔦田さんはニコニコして
「嫌だなぁ~、蓮君。私は悠希君一筋だよ」
って返していて、それはそれで別の意味で怖い!
でも、今目の前に居る彼は、僕の知っている冷めた目をした男では無く、何処か穏やかに見えた。
そんな彼を冷静に見ていられる僕も、随分丸くなったもんだなぁ~と思っていると
「はぁ?いい加減ハルを追い掛けるの止めろ!」
と叫ぶ蓮君の声。
僕が驚いて蔦田さんの顔を見ると
「諦められたら、とっくに諦めてるよ。そう言うもんじゃ無いだろう?恋愛感情って」
そう答えていた。
ハルさんは困ったように苦笑いを浮かべ、蔦田さんにコーヒーを差し出す。
3人の雰囲気からして、これがお約束ごとなのかもしれない。
美鈴と暮らしていた頃より穏やかな顔をしている彼を寂しいと思いながらも、彼も幸せになって欲しいと願わずにはいられなかった。
すると、蓮君とハルさんが他の人の接客をしている間に、蔦田さんが僕の背中合わせの席に座って
「こんな私を見て怒鳴ると思ったのに、怒らないんだな」
と話しかけて来た。
「まぁ……正直、驚きましたけどね」
そう呟く僕に彼は小さく微笑み
「私も、きみが随分穏やかな顔をしているんで驚いたよ。きっと、今のきみを見たら『彼女』も喜んでくれるよ」
とだけ呟き、蔦田さんが席から立ち上がると
「あ!クソジジイ!創さんの近くに行きやがって!」
そう叫んだ蓮君にハルさんがシルバートレイで蓮君の頭を叩いて
「いつも蓮が、本当にすみません」
と、嫌がる蓮君の頭を下げさせながら頭を下げている。
そんなハルさんを愛おしそうに見つめる蔦田さんに、疑問が浮かぶ。
美鈴と子供まで作ったのに、今、好きな人はハルさん?
そうなると、蔦田さんはゲイだったという事?
ハルさんと美鈴は、全く対照的なので首を傾げる。
男性か恋愛対象でも、政略結婚だと好きじゃなくても抱けるのだろうか?
何か胸に引っ掛かるものを感じながら、僕は3人のやり取りを見ていた。
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