騙されて快楽地獄

てけてとん

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 最近、肩こりが辛い。ずっと家に引きこもって課題と読書ばかりする生活になってしまっているし、高校を卒業してからは運動もろくにしていない。この肩こりでは、レポートをやろうにもろくに集中することすらできない。
「それならさ、ここのマッサージ店おすすめだよ。」
 大学でできた友人の雅也から教えてもらったそのお店は、大通りからは外れた小さな路地裏にあった。
「本当に大丈夫なのかな…。でも、せっかく雅也が教えてくれたんだから、行かないわけには…」
 正直不安はあったが、友人の紹介なので大丈夫だろうという気持ちの方が大きかった。それに、雅也は際立って変な人というわけではなかったから、それなりに信頼はしていた。

「こんにちはー…」
 店の中は暗く、誰かいる気配もない。どうやら僕以外にお客さんはいないようだった。
「やべ、今日営業時間外だったかな…」
「こんにちは、珍しいねこんな時間に」
 突然、すぐ右側の方から声がした。その声に驚いて思わず後ずさった拍子に、被ってきた帽子が外れて床に落ちてしまった。
「あはは、そんなに驚かなくてもいいのに、可愛い」
「は、ははは…」
 初対面の男にいきなり可愛いと言うなんて、変な人だ。あまりに大袈裟に驚いてしまったためそのまま動けないでいると、店員さんが近くに寄ってきた。
「雅也くんの紹介で来てくれた人、でいいよね。彼が話していたから、君のことは知っているよ。聞いていた通り、目が大きくて可愛い子だね。雅也くんとは同年代なのかな?」
 いきなり人の顔について言及してくるその言動に不信感を抱かないわけにはいかなかったが、僕のことを知っている人を邪険に扱うわけにもいかない。
「そうです…19歳で、雅也とは同年代です。彼は大学の友人で…」
「そうなんだ。こっち来て。準備はできてるから」

 店員に連れられて奥に進むと、少し広い部屋に大きめのベッドや棚が置いてあった。店の外観と比べると小綺麗な部屋で、少し安堵している自分がいた。
「そこに横になってもらえるかな。あ、下着姿になってね。全部は脱がないでいいから。」
「わかりました…」
 店員の視線を感じながら服を脱ぎ、下着姿になってベッドに横たわる。少ししてから、温めたアイマスクを目元につけられる。その温度が目の奥まで染み渡り、ひさびさにくつろいだ時間を過ごせているような気がした。
「肩の力抜いて、ゆっくりしていってね。」
「はい…ありがとうございます。」

 深呼吸すると、吐く息と共にここ数日の疲れが抜けていくような気がした。目を閉じると共に、店員の手が僕の体をほぐし始めた。はじめに脚、そして腰回り、肩を揉んで、首のあたりにも力が加わっていく。適切な力で、じっくり時間をかけて、石のように固まった僕の体を解いていく。
「凝ってるねー。ここ最近、ずっと座ってばかりだった?」
「はい…、あまり外に出る機会がなくて」
「なるほど。若いんだから、ちゃんと運動しないとだめだよ」
 若いって、あなたも僕とそんなに歳離れてるようには見えなかったけど…。と思っていたら、店員の手が僕の体の表面を弱い力でなぞり始めた。その優しい手触りに僕の皮膚が敏感に反応し、思わず呼吸が少し浅くなってしまった。
「大学一年生、なんだっけ?高校生の頃は何か部活とかやっていたの?」
「はい………、っ、陸上やってました」
「そうなんだ。確かにそんな感じする」
 そう言うと店員は、手を僕の腰回りに移動させた。そして脚の付け根を、弱い力で優しく触っていく。
「この辺りとか、ちゃんとほぐしておかないと、大変だからね」
 店員は、ここが重要なんだ、ここが健康に良いんだと言いながら、体のあらゆる場所を触ってくる。その手触りに妙に身体が反応し、時々背中がゾクゾクとする。特に首筋、脇腹、へその辺りをいじられたときは一層息が上がった。
「一見肩こりに関係なさそうでも、このあたりも大事だから」
「…、、そう、なんですね」
 そう言って店員は、脚のあたりに手を戻した。同時に、僕は無防備に脚を開いた姿勢をずっと取り続けていることに気づいた。
(やばい。さっきから店員さんの手触りが気持ち良くて、やばい、勃っちゃったかも)
 しかも、さっきから呼吸が少し荒々しくなっている。そんなつもりはないのに、勘違いされてしまうかもしれない。マッサージで感じてしまったなんて、恥ずかしすぎてバレたくない。
(バレて、、ない…よな。うん、バレてないはず…。そんな、激しく呼吸しているわけじゃないんだし)
 そんなことを思っていると、脚の付け根をいじっていた店員の手が、僕の腰あたりから胸の横まで、体の側面を少し強い力で押し上げた。
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