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10歳 その8
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コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえて即座に「どうぞ」と声をかける。
この部屋に訪れる人間は限られているから、相手を確認する必要はあまり感じられなかった。
お茶の用意をしに来た侍女あたりだろうと考えてソファに座ったままドアに視線を向けると、そこには思いもよらない人物が立っていた。
「エミィ」
「フィル兄様っ!?」
すぐに立ち上がってフィル兄様の方へ駆け寄ると、ごく自然に抱き止めてくれる。
そのまま頬に口付けが落ちてきて、思わず身体が強張ってしまった。
「どうかしたかい?」
私のそんな反応にフィル兄様は心配したように眉根を寄せて視線を合わせてきた。
失敗した。と思っても時すでに遅し。
エイミーとしてはあり得ない挙動だとわかりつつ、条件反射というものは止めようがない。
フィル兄様――フィリップ・シュタットフェルトも、前世の私にとっては「貴方と私で幸せに」の攻略キャラクターの一人なのだから。
現世では兄だとはわかっていても、美少年にほっぺにちゅーされて思わず固まってしまうのは許してほしい。
「何でもありませんわ。フィル兄様」
緩く首を振ってから微笑んで、フィル兄様の頬に唇をそっと当てる。
前世に引きずられた思考ではこの行動を恥ずかしいという気持ちはゼロではないけれど。それ以上にフィル兄様に対しては攻略対象として見る目より兄として慕う気持ちの方が強くあって。
妹として久々に会った兄へいつものように挨拶を返したいと自然に思えたのだ。
瞬間――妹として接してくれているのであれば、リチャード様から頬に口付けをされた際にも同じように返すべきなのかと考えたが……すぐに諦めた。
いや! 無理! 推しのほっぺにちゅーは難易度高すぎる!
「本当に大丈夫かい? エミィ。怪我をしたのだろう? 話を聞いてから心配で、心配で……」
フィル兄様の指がそっと前髪に触れ、額に巻かれた包帯に痛々しい物を見るような視線を向けてくる。
その表情に、きゅっと胸が痛んだ。
心配をかけてしまった事がありありと伝わってくるその顔に、私は精一杯の笑顔で返す。
「大げさに包帯巻かれてしまっていますけど、そんなに大した事じゃありませんから」
気休めにもならないような台詞にフィル兄様の顔がますます歪んでいく。
「大したことないだなんて! 傷が残るんだろう!?」
焦った声でかけられた言葉に私はやっぱり笑顔を作るしかできない。
「本当はもっと早く会いに来たかったんだけど……」
眉尻を下げながらフィル兄様の指が私の前髪をかきあげる。
「消えない傷が残ると聞いてついカッとなってね。リチャードの奴に文句を言ったら母上からここに来るのを禁止されてね」
「リチャード様にそんな事を!? 私の自業自得ですのに……」
「現場に一緒に居たんだ。文句の一つでも言いたくなるさ……不幸な事故だとわかっていてもな」
どこか自虐的に笑うフィル兄様の姿に私は二の句が告げられなくなってしまう。
「と言っても、エミィと奴が婚約した以上は今まで通りという訳にもいかないんだろうな」
「フィル兄様はリチャード様に対して遠慮がなさすぎますから」
「物心つく前から一緒に居ればな。たまに王子様だって事を忘れそうにもなる」
そんな事を言いながらフィル兄様は肩をすくめて笑う。
「と言っても王子様には変わりがないから。エミィを取られるのは悔しいけど最良の相手だとは認めてるよ」
「その発言が失礼ですよ兄様」
「こればっかりは言わせてもらいたいね。本当はどこにも行ってほしくはないんだから」
そんなシスコン丸出しの台詞を臆面もなく言ってのけるフィル兄様。ゲームの設定と少しもぶれないその姿勢に思わずくすっ と笑ってしまう。
このシスコン具合からわかるように「貴方と私で幸せに」において、フィリップルートのライバルキャラクターもやはりエイミーであった。
ライバルと言っても特殊な立ち位置ではあったから正確ではないけれど。なんせフィリップルートに突入するためには、まずエイミーの好感度を上げる必要があったのだ。
つまりフィリップには妹の友人という立場が無いと見向きもされないという訳で。私もその条件がわかるまで、ゲームをプレイしながらフィリップの好感度の上がらなさにやきもきしたものであった。
そこまで考えて、私の中のずるい私が顔を出した。
これから現れるであろうヒロインにはフィリップルートを選んでもらいたい。だなんて。
そのルートでは、エイミーとリチャード様の仲を取り持ちながら、ヒロインもフィリップと仲を深めていくのだ。
だからもし、ヒロインがフリップルートを選べばリチャード様の婚約者のままでいられるなんて。本当にどうしようもない。
おとなしく身を引くと決めたはずなのに。やっぱりどこかでチャンスを伺っている自分がいて。
この一週間リチャード様の傍にいた事で、生身のリチャード様に触れた事で、ますます好きだという気持ちが大きくなっていて。
嬉しい気持ちと苦しい気持ちで板挟みになっている自分がいる。
「エミィ。どうした? 傷が痛む?」
そんな物思いにふけっていた私はよほど怪訝な顔をしていたのだろう。心配そうなフィル兄様の声でふっと我に返る。
「いえ、大丈夫です。少しだけ考え事をしてしまって」
「もしかして、リチャードとの婚約に思うところでもあるのかい? エミィはアイツの事を慕っていたし上手くいっているのだとばかり思っていたけれど……」
「まさか! リチャード様との婚約はとっても嬉しいです」
反射的に言葉が出た。そう、リチャード様との婚約は嬉しい。色々と考えてはしまうけれど、行きつくところはその気持ちに他ならない。
「それならいいけれど。何かあればすぐに言うんだよ? 何があっても俺はエミィの味方だからね」
「はい。ありがとうございます。フィル兄様」
前世の記憶と混ざり合ったこのぐちゃぐちゃな気持ちを相談できるわけではないけれど。それでもフィル兄様のそんな言葉は何よりも心強い物だった。
この部屋に訪れる人間は限られているから、相手を確認する必要はあまり感じられなかった。
お茶の用意をしに来た侍女あたりだろうと考えてソファに座ったままドアに視線を向けると、そこには思いもよらない人物が立っていた。
「エミィ」
「フィル兄様っ!?」
すぐに立ち上がってフィル兄様の方へ駆け寄ると、ごく自然に抱き止めてくれる。
そのまま頬に口付けが落ちてきて、思わず身体が強張ってしまった。
「どうかしたかい?」
私のそんな反応にフィル兄様は心配したように眉根を寄せて視線を合わせてきた。
失敗した。と思っても時すでに遅し。
エイミーとしてはあり得ない挙動だとわかりつつ、条件反射というものは止めようがない。
フィル兄様――フィリップ・シュタットフェルトも、前世の私にとっては「貴方と私で幸せに」の攻略キャラクターの一人なのだから。
現世では兄だとはわかっていても、美少年にほっぺにちゅーされて思わず固まってしまうのは許してほしい。
「何でもありませんわ。フィル兄様」
緩く首を振ってから微笑んで、フィル兄様の頬に唇をそっと当てる。
前世に引きずられた思考ではこの行動を恥ずかしいという気持ちはゼロではないけれど。それ以上にフィル兄様に対しては攻略対象として見る目より兄として慕う気持ちの方が強くあって。
妹として久々に会った兄へいつものように挨拶を返したいと自然に思えたのだ。
瞬間――妹として接してくれているのであれば、リチャード様から頬に口付けをされた際にも同じように返すべきなのかと考えたが……すぐに諦めた。
いや! 無理! 推しのほっぺにちゅーは難易度高すぎる!
「本当に大丈夫かい? エミィ。怪我をしたのだろう? 話を聞いてから心配で、心配で……」
フィル兄様の指がそっと前髪に触れ、額に巻かれた包帯に痛々しい物を見るような視線を向けてくる。
その表情に、きゅっと胸が痛んだ。
心配をかけてしまった事がありありと伝わってくるその顔に、私は精一杯の笑顔で返す。
「大げさに包帯巻かれてしまっていますけど、そんなに大した事じゃありませんから」
気休めにもならないような台詞にフィル兄様の顔がますます歪んでいく。
「大したことないだなんて! 傷が残るんだろう!?」
焦った声でかけられた言葉に私はやっぱり笑顔を作るしかできない。
「本当はもっと早く会いに来たかったんだけど……」
眉尻を下げながらフィル兄様の指が私の前髪をかきあげる。
「消えない傷が残ると聞いてついカッとなってね。リチャードの奴に文句を言ったら母上からここに来るのを禁止されてね」
「リチャード様にそんな事を!? 私の自業自得ですのに……」
「現場に一緒に居たんだ。文句の一つでも言いたくなるさ……不幸な事故だとわかっていてもな」
どこか自虐的に笑うフィル兄様の姿に私は二の句が告げられなくなってしまう。
「と言っても、エミィと奴が婚約した以上は今まで通りという訳にもいかないんだろうな」
「フィル兄様はリチャード様に対して遠慮がなさすぎますから」
「物心つく前から一緒に居ればな。たまに王子様だって事を忘れそうにもなる」
そんな事を言いながらフィル兄様は肩をすくめて笑う。
「と言っても王子様には変わりがないから。エミィを取られるのは悔しいけど最良の相手だとは認めてるよ」
「その発言が失礼ですよ兄様」
「こればっかりは言わせてもらいたいね。本当はどこにも行ってほしくはないんだから」
そんなシスコン丸出しの台詞を臆面もなく言ってのけるフィル兄様。ゲームの設定と少しもぶれないその姿勢に思わずくすっ と笑ってしまう。
このシスコン具合からわかるように「貴方と私で幸せに」において、フィリップルートのライバルキャラクターもやはりエイミーであった。
ライバルと言っても特殊な立ち位置ではあったから正確ではないけれど。なんせフィリップルートに突入するためには、まずエイミーの好感度を上げる必要があったのだ。
つまりフィリップには妹の友人という立場が無いと見向きもされないという訳で。私もその条件がわかるまで、ゲームをプレイしながらフィリップの好感度の上がらなさにやきもきしたものであった。
そこまで考えて、私の中のずるい私が顔を出した。
これから現れるであろうヒロインにはフィリップルートを選んでもらいたい。だなんて。
そのルートでは、エイミーとリチャード様の仲を取り持ちながら、ヒロインもフィリップと仲を深めていくのだ。
だからもし、ヒロインがフリップルートを選べばリチャード様の婚約者のままでいられるなんて。本当にどうしようもない。
おとなしく身を引くと決めたはずなのに。やっぱりどこかでチャンスを伺っている自分がいて。
この一週間リチャード様の傍にいた事で、生身のリチャード様に触れた事で、ますます好きだという気持ちが大きくなっていて。
嬉しい気持ちと苦しい気持ちで板挟みになっている自分がいる。
「エミィ。どうした? 傷が痛む?」
そんな物思いにふけっていた私はよほど怪訝な顔をしていたのだろう。心配そうなフィル兄様の声でふっと我に返る。
「いえ、大丈夫です。少しだけ考え事をしてしまって」
「もしかして、リチャードとの婚約に思うところでもあるのかい? エミィはアイツの事を慕っていたし上手くいっているのだとばかり思っていたけれど……」
「まさか! リチャード様との婚約はとっても嬉しいです」
反射的に言葉が出た。そう、リチャード様との婚約は嬉しい。色々と考えてはしまうけれど、行きつくところはその気持ちに他ならない。
「それならいいけれど。何かあればすぐに言うんだよ? 何があっても俺はエミィの味方だからね」
「はい。ありがとうございます。フィル兄様」
前世の記憶と混ざり合ったこのぐちゃぐちゃな気持ちを相談できるわけではないけれど。それでもフィル兄様のそんな言葉は何よりも心強い物だった。
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