豊かな僕が乏しい彼女の通い夫状態なんですが

八瀬北瑠

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日曜日の朝

4:乗り過ごしちゃった

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‐004‐



「戻るか」

「そうだな」
「ですね」

一駅分乗り過ごしてしまった、でも大丈夫。結局一駅分ですから。
電車でもたった二分しかかからない程度の距離だ。

「一応連絡入れとくわ」

『件名:すまん

 本文:すまん、ひと駅乗り過ごした。てか、今どこ?』

と打ち終えて、送信したときに電車が入ってきた。

「おーい、乗るぞー」

「りょーかい」

すぐに乗り込むとそれは京阪の車両だった。

「ぎりぎりの四両目か」

「そっそー、ぎりぎりだけど、乗れたからよし」
と東胡は親指を立てて合図してくる。

そういえばさっきメールした藤谷から返信が来ないな。
彼女にしては珍しい、携帯を鞄にでも入れてるのだろうか、ちなみに言っておくと、彼女はスマホを持っていない、いわゆるフューチャーホン?というのか何か知らないが、あのパカッって開けてカコカコボタンを操作するあれ、いわゆるガラパゴスケータイすなわちガラケーだ。

「あれでも結構バイブレーションするはずなんだがなぁ。」

「ん?あれってなに?」
「バイブ、レーション?」
二人の声が重なる

「お前ら仲いいな、ちなみにあれってのはガラケーのことで、バイブレーションてのは携帯のバイブ機能のことだな」

「まあな、ふむふむ、そういうことか」
「まあね、そーいうことだったのね」
二人の声がさらに重なる

「そーいことだ。ってかもう降りるぞ」

「「あー、りょーかい」」
二人の声が完全に重なった。

たいへんだな、と思いつつ電車を降りて階段へ向かう。
後ろにいちゃつくバカップルを従え、うんざりとしつつも階段を上っていく。

すると、改札の外にその藤谷が立っていてこちらのことに気づく様子もなく、文庫本に目を注いで読書に熱中してるではないか。

ひとこと言おう、彼女は普段あまり読書をするタイプではなく。むしろ本など読まず、窓を見上げているようなミステリアスなタイプなのだ。

「おーい!ふじっちー‼」

彼女は弾かれた様に顔を上げてこちらを見る

彼女は髪を肩に付くか付かないかのあたりで切りそろえた黒髪に、淡いブルーの縦ストライプが入った白いワンピースに薄手の上着を羽織ったようなラフな出で立ちだった。
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