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第二部 高校生編
レバニラは美味いがレバニラにした理由はない
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結局なじみが帰ってきたのはお昼も過ぎたころだった。
彼女は食事もとっていなかったようで、俺お手製のレバニラをもりもり食べていた。
目を輝かせながら「美味しい美味しい」と食べてくれるのは嬉しいものだ。
きっとなじみが食事を作りたいと思う気持ちはこれが原因なのだろう。
好きな相手が自分の料理を食べていて、喜んでいる光景は『グッ』とくる。
「ん」
皿を洗ってテーブルを拭き、余った米をタッパに詰めて冷蔵庫に放り込んだ後。
なじみはベッドメイクをしていたようで、そこに座るよう俺に促してきた。
「んんー・・・」
少し無言で停止していると急かすような声を上げられた。
特に抗う理由もないので指示通りにベッドに座る。
とすん、となじみが俺の膝の上に乗りこんできた。
足も腰に回して、さしずめ対面座位だ。
ちなみに入っているわけではない。
今なじみが何を求めているかは直ぐにわかった。
なじみの体を軽く抱き締め、ゆっくりと髪を撫でる。
ここで頭を撫でる、という心持ちだと力が入って髪型を崩してしまい、結果機嫌が悪くなったりする。なので頭の表層、髪を撫でる心持ちであれば問題ない。
まあなじみは崩れるほどセットしているわけじゃないし、時にはぐしゃぐしゃにするぐらいで丁度良かったりもするのだが。
結局はケースバイケース。万人受けするマニュアルなど無い。
今回の『髪撫で』はどうやら正解だったようで、なじみは機嫌良さげに体を擦り付けてくる。
さっきまでの少し沈んだ感じが浮かれている感じに変わったのは表情を見なくても分かる程顕著だった。
「ケーくん」
「どうした?」
「私ね、漫画研究部に入ったの」
「そうか」
「ケーくんが昔お話してくれたのを漫画にしようと思って」
「そうか」
完全に著作権法違反です本当にありがとうございました。
い、いや、大丈夫だ。あの『夢と現に巣食う鼠王』については何も言っていない。荒〇先生が来れたんだから奴にしてみれば容易い事だろう。ハハッ☆
「ケーくんどうしたの? 汗凄いけど・・・」
「だ、大丈夫だ、問題ない。続けてくれ」
「そう? それでね、部員が男の人たちばっかりだったの」
「まあ、よくあることだわな」
典型的なまでにオタサーらしい。
ワンチャン腐女子の巣窟という線もあったが、現実にはそうそうないようだ。姉さんの入ってたところはそんな感じだったらしいが。。
「そこまでは良いんだけど・・・みんな凄く鬱陶しい」
「あー、ね・・・」
なじみがここまで否定的な感想を述べるとは珍しい。純粋なのか素朴なのか優しいのかはともかく、基本的になじみが他人の何かについて否定することはない。自己主張もそれなりに強いが、妥協点を探るのも上手い。
そのすべてを受け入れるかのような姿勢が『母性』を演出し、顔と体で『女性』を演出しているのだから完璧な美少女である。
だからこそ、なじみの口から『鬱陶しい』なんて形容詞が出たことに驚いてもいるのだが。
「みんな好意でやってくれてるのは分かるの。でも、その、限度があるっていうか・・・私の作業できるだけやろうとするし」
「まあ、なじみが来たんじゃあそうもなるさ。初心者のうちに先輩として少しでもカッコいいところ見せたいんだろうね」
「ケーくん以外にカッコつけられてもなー・・・ていうか私別に初心者じゃないし・・・氷麗お姉さんに教わってたし」
「そういやそうだな」
実家に来て早々に姉さんの部屋に籠りきりだったことは結構あった。
その度に母親から『なじみちゃんが取られて寂しい?』なんて揶揄われていたものだ。それについては『もちろん』とだけ返していた。
時々父親にも会っていて、既に家族全員と面談して全員と良好な関係を築いている。俺も同じなので、外堀はおろか本丸まで埋まり切っている。なじみの母親には少し冷たくされている気もするが・・・。
「だから普通にそれぞれ自分の作業に集中して欲しいっていうか・・・私が所属した理由、道具一式が高いってだけだし・・・」
「液タブ?」
「うん。良いのそろえると数十万はするから・・・アナログだと作業遅いし、インクで汚れるし、アンドゥとかないし・・・でもスケブの対応力はアナログの方が高いのかな・・・」
「それは、まずスケブ頼まれるような絵師になってからな」
「そうだね・・・あ、でも一人興味なさげにしてる人が居たよ」
お、あるあるだな。
絶世の美少女ヒロインが主人公に惹かれる理由としては手垢でベッタベタで拭き取ることすら躊躇うレベルの奴だ。
みんなにちやほやされるヒロイン。しかしそんなヒロインに主人公は興味なさげ。その言動にヒロインは興味をもって・・・という流れの、『ヒロインのかまってちゃんが過ぎるだろ』というツッコミがどこからともなく聞こえてきそうな展開だ。
「なじみ的にはその人好印象?」
「いや、一番気持ち悪かった」
平然と『死ね』以上の罵倒を。
「どうして?」
「なんというか・・・孤高に生きる俺カッコいい、みたいな感じがしたっていうか・・・しかもその上でチラチラ見て来るだけだったし・・・私含めた全員に『うるさい!』って怒鳴るくらいのことしてくれないと、その感じはないかなー・・・」
「あらら」
「よしんばあったとしても、絵がそんなにうまくなかったし」
「腕がスタンスに追いついてないのか・・・」
「あのスタンスで行くなら、村〇先生ぐらいの画力は欲しいかな」
「あんな画力お化けと学生を比べないであげて」
あの人はもうステージが違うから。
他にも色々話してから、なじみは話し終えたのか、不意に押し黙る。
しばらくしてから彼女の四肢がより強く俺に絡みつき、彼女の五体が弱く震える。
「ごめんね・・・いきなりこんな、愚痴っぽい事垂れ流しちゃって・・・ホントは、こんなこと言うつもりなかったの。でも、ケーくん見て、ケーくんのご飯食べたら、止まんなくなっちゃって・・・全部飲み込んで、今日も可愛い彼女で居るつもりだったのに、剥がれちゃった。幻滅、した、でしょ?」
とめどなく溢れ出るかのようななじみの声。
きっとこの絡みつく四肢は捨てられないための執着であり、震える五体は捨てられることへの恐怖なのだろう。
とはいえ、だ。
「舐めてもらっちゃ困るな」
「ケー、くん?」
「何を言い出すのかと思えば、俺は嬉しかったんだぞ?」
「嬉しい? なんで?」
「それはもちろん、なじみが本心をさらけ出してくれたからだ」
正直に言ってしまうが、俺はなじみが普段からそういう毒を飲み込んでいたことに微塵も気づかなかった。
今回だってあのレバニラが無ければ、なじみはきっと我慢をしていた、あるいは出来ていたのだろう。そして、俺はそれに気づきもしない。
十年以上一緒にいる、お互いのことは全部わかってる。そういう固定観念ゆえの見落とし。
なじみが『可愛い彼女』を演じているなんて思いもせず。
なじみは俺と恋人関係であると思っていた。俺は違うので、いつからなじみが演じているのかはわからないが、長ければ長いほど演じていることを打ち明けることは難しくなっていく。
今回打ち明けたのはレバニラが止めだったというだけで、色々な要因が重なったのだろう。
だからこそ、こうして不可抗力、あるいは偶然の力を頼ったのだとしても、その告白を大切に思いたい。
「なじみ、結婚生活に重要なのは、お互いに演技をしない事なんだ」
「えっ」
「毎日演技し続けるなんて疲れるだろ? 家庭が居場所になるには、そういうことが重要なんだ」
「へ、へぇー」
なじみは平静を装っているが、その顔に熱が集まっているのは分かる。
「なじみ、俺は責任を取るつもりだ。傷物にした以上な。だから、そういう将来を見据えた関係を築いていこうぜ?」
「う~・・・」
「そしてなじみは今の告白で『そういう関係』に近づいてくれたんだ。だから俺は嬉しい」
「う~・・・じゃあ、ケーくん」
なじみが顔を向き合わせて、いたずらっぽく微笑んだ。
「証明、して?」
俺はその言葉に、制服の上からブラのホックを外すことで応えた。
彼女は食事もとっていなかったようで、俺お手製のレバニラをもりもり食べていた。
目を輝かせながら「美味しい美味しい」と食べてくれるのは嬉しいものだ。
きっとなじみが食事を作りたいと思う気持ちはこれが原因なのだろう。
好きな相手が自分の料理を食べていて、喜んでいる光景は『グッ』とくる。
「ん」
皿を洗ってテーブルを拭き、余った米をタッパに詰めて冷蔵庫に放り込んだ後。
なじみはベッドメイクをしていたようで、そこに座るよう俺に促してきた。
「んんー・・・」
少し無言で停止していると急かすような声を上げられた。
特に抗う理由もないので指示通りにベッドに座る。
とすん、となじみが俺の膝の上に乗りこんできた。
足も腰に回して、さしずめ対面座位だ。
ちなみに入っているわけではない。
今なじみが何を求めているかは直ぐにわかった。
なじみの体を軽く抱き締め、ゆっくりと髪を撫でる。
ここで頭を撫でる、という心持ちだと力が入って髪型を崩してしまい、結果機嫌が悪くなったりする。なので頭の表層、髪を撫でる心持ちであれば問題ない。
まあなじみは崩れるほどセットしているわけじゃないし、時にはぐしゃぐしゃにするぐらいで丁度良かったりもするのだが。
結局はケースバイケース。万人受けするマニュアルなど無い。
今回の『髪撫で』はどうやら正解だったようで、なじみは機嫌良さげに体を擦り付けてくる。
さっきまでの少し沈んだ感じが浮かれている感じに変わったのは表情を見なくても分かる程顕著だった。
「ケーくん」
「どうした?」
「私ね、漫画研究部に入ったの」
「そうか」
「ケーくんが昔お話してくれたのを漫画にしようと思って」
「そうか」
完全に著作権法違反です本当にありがとうございました。
い、いや、大丈夫だ。あの『夢と現に巣食う鼠王』については何も言っていない。荒〇先生が来れたんだから奴にしてみれば容易い事だろう。ハハッ☆
「ケーくんどうしたの? 汗凄いけど・・・」
「だ、大丈夫だ、問題ない。続けてくれ」
「そう? それでね、部員が男の人たちばっかりだったの」
「まあ、よくあることだわな」
典型的なまでにオタサーらしい。
ワンチャン腐女子の巣窟という線もあったが、現実にはそうそうないようだ。姉さんの入ってたところはそんな感じだったらしいが。。
「そこまでは良いんだけど・・・みんな凄く鬱陶しい」
「あー、ね・・・」
なじみがここまで否定的な感想を述べるとは珍しい。純粋なのか素朴なのか優しいのかはともかく、基本的になじみが他人の何かについて否定することはない。自己主張もそれなりに強いが、妥協点を探るのも上手い。
そのすべてを受け入れるかのような姿勢が『母性』を演出し、顔と体で『女性』を演出しているのだから完璧な美少女である。
だからこそ、なじみの口から『鬱陶しい』なんて形容詞が出たことに驚いてもいるのだが。
「みんな好意でやってくれてるのは分かるの。でも、その、限度があるっていうか・・・私の作業できるだけやろうとするし」
「まあ、なじみが来たんじゃあそうもなるさ。初心者のうちに先輩として少しでもカッコいいところ見せたいんだろうね」
「ケーくん以外にカッコつけられてもなー・・・ていうか私別に初心者じゃないし・・・氷麗お姉さんに教わってたし」
「そういやそうだな」
実家に来て早々に姉さんの部屋に籠りきりだったことは結構あった。
その度に母親から『なじみちゃんが取られて寂しい?』なんて揶揄われていたものだ。それについては『もちろん』とだけ返していた。
時々父親にも会っていて、既に家族全員と面談して全員と良好な関係を築いている。俺も同じなので、外堀はおろか本丸まで埋まり切っている。なじみの母親には少し冷たくされている気もするが・・・。
「だから普通にそれぞれ自分の作業に集中して欲しいっていうか・・・私が所属した理由、道具一式が高いってだけだし・・・」
「液タブ?」
「うん。良いのそろえると数十万はするから・・・アナログだと作業遅いし、インクで汚れるし、アンドゥとかないし・・・でもスケブの対応力はアナログの方が高いのかな・・・」
「それは、まずスケブ頼まれるような絵師になってからな」
「そうだね・・・あ、でも一人興味なさげにしてる人が居たよ」
お、あるあるだな。
絶世の美少女ヒロインが主人公に惹かれる理由としては手垢でベッタベタで拭き取ることすら躊躇うレベルの奴だ。
みんなにちやほやされるヒロイン。しかしそんなヒロインに主人公は興味なさげ。その言動にヒロインは興味をもって・・・という流れの、『ヒロインのかまってちゃんが過ぎるだろ』というツッコミがどこからともなく聞こえてきそうな展開だ。
「なじみ的にはその人好印象?」
「いや、一番気持ち悪かった」
平然と『死ね』以上の罵倒を。
「どうして?」
「なんというか・・・孤高に生きる俺カッコいい、みたいな感じがしたっていうか・・・しかもその上でチラチラ見て来るだけだったし・・・私含めた全員に『うるさい!』って怒鳴るくらいのことしてくれないと、その感じはないかなー・・・」
「あらら」
「よしんばあったとしても、絵がそんなにうまくなかったし」
「腕がスタンスに追いついてないのか・・・」
「あのスタンスで行くなら、村〇先生ぐらいの画力は欲しいかな」
「あんな画力お化けと学生を比べないであげて」
あの人はもうステージが違うから。
他にも色々話してから、なじみは話し終えたのか、不意に押し黙る。
しばらくしてから彼女の四肢がより強く俺に絡みつき、彼女の五体が弱く震える。
「ごめんね・・・いきなりこんな、愚痴っぽい事垂れ流しちゃって・・・ホントは、こんなこと言うつもりなかったの。でも、ケーくん見て、ケーくんのご飯食べたら、止まんなくなっちゃって・・・全部飲み込んで、今日も可愛い彼女で居るつもりだったのに、剥がれちゃった。幻滅、した、でしょ?」
とめどなく溢れ出るかのようななじみの声。
きっとこの絡みつく四肢は捨てられないための執着であり、震える五体は捨てられることへの恐怖なのだろう。
とはいえ、だ。
「舐めてもらっちゃ困るな」
「ケー、くん?」
「何を言い出すのかと思えば、俺は嬉しかったんだぞ?」
「嬉しい? なんで?」
「それはもちろん、なじみが本心をさらけ出してくれたからだ」
正直に言ってしまうが、俺はなじみが普段からそういう毒を飲み込んでいたことに微塵も気づかなかった。
今回だってあのレバニラが無ければ、なじみはきっと我慢をしていた、あるいは出来ていたのだろう。そして、俺はそれに気づきもしない。
十年以上一緒にいる、お互いのことは全部わかってる。そういう固定観念ゆえの見落とし。
なじみが『可愛い彼女』を演じているなんて思いもせず。
なじみは俺と恋人関係であると思っていた。俺は違うので、いつからなじみが演じているのかはわからないが、長ければ長いほど演じていることを打ち明けることは難しくなっていく。
今回打ち明けたのはレバニラが止めだったというだけで、色々な要因が重なったのだろう。
だからこそ、こうして不可抗力、あるいは偶然の力を頼ったのだとしても、その告白を大切に思いたい。
「なじみ、結婚生活に重要なのは、お互いに演技をしない事なんだ」
「えっ」
「毎日演技し続けるなんて疲れるだろ? 家庭が居場所になるには、そういうことが重要なんだ」
「へ、へぇー」
なじみは平静を装っているが、その顔に熱が集まっているのは分かる。
「なじみ、俺は責任を取るつもりだ。傷物にした以上な。だから、そういう将来を見据えた関係を築いていこうぜ?」
「う~・・・」
「そしてなじみは今の告白で『そういう関係』に近づいてくれたんだ。だから俺は嬉しい」
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