29 / 117
第二部 高校生編
つららんまじつらたん
しおりを挟む
陸上部にて新しい友人を得た。
同好の士だ、もはや親友といっても良いかもしれない。それは流石に早すぎるか。
俺個人としては、彼の恋路を応援したいところだ。
兄妹のように育った二人が思春期の異性への意識からまやっとした距離感になりながらも、最終的には結ばれる。
これほどロマンチックな話があろうか。
白雪姫もシンデレラも否定する気はないが、長い目で見たときの幸福度は絶対に幼馴染の方が上だ。
理想的なパートナーとはTSした自分だと思う。それに一番近いのは幼馴染だろう。
そして俺はすでになじみで満たされている。
とくれば他人の幸福を応援したくなるもの。
最も、信照と俺では大分事情が違う。
何せ俺は好感度の稼ぎなおしなんて非効率なことをする必要がなかった。その辺を器用に立ち回れる辺り、やはり転生者は爆アドである。
さて、その花開院圭希なる女を人脈をフル活用して捜索しているのだが、どうも見つからない。
目立たないタイプなのか、単純に捜索範囲外にいるだけなのか。
いやしかしこの名前で目立たないという事はないだろうし、範囲外が有力な所か。
とりあえず全員に『ありがとう、もう大丈夫』とお礼と終了を告げる。
「こりゃ、信照からの情報待ちか・・・?」
一人の視点からの意見など大した意味はない。いくつかの視点から精査して初めて憶測が情報に変わるのだ。
多少時と場合に寄るが、情報の価値は大きく分けて速さと正確性で決まる。
その正確性が怪しいとなれば、話しは大分難しい。
下手をうって修復不能、という流れになっては本末転倒も良いところだ。
まあ、最大限できることはした。
それに俺がどうおぜん立てしても結局は信照自身の魅力と努力次第。
そもそも1から10までおんぶにだっこで出来た関係など脆いものだ。
どこまで行っても外野でしかないのだから、外野らしくのんびり眺めて、時々野次って発破を掛けていればいい。
そんな気楽な、金曜日の放課後であった。
何を隠そう、今の俺は暇人である。
20時まではあと5時間以上あるというのにやることはない。
こういう手すきの時間をバイトに当てたいのだが、そのバイトが見つからない。
求人サイトで見つかるのは丸一日働いて日当を得るような日雇いのものばかり。これに関しては検索エンジンが悪いのか?
週数回、数時間のバイトを長期的に行いたいのだが。
そんな風に思っていると、いきなりメッセージが飛んできた。
仰向けになっていたので思わず取り落としてスマホが顔面に不時着するが、それ以上のことはなく取り直す。
「姉さんから?」
『つららん』というアカウントから来たのは、乗っ取られてもいない限り、姉からのメッセージである。
曰く、『一週間頑張ったお姉ちゃんにご褒美をくれぇ』とのことだった。
最近社会人になった姉さんは随分とストレスを溜め込んでいるらしい。
お仕事お疲れ様です、という意味を込めて可能なら労いたいところだが、一方で姉さんが何を求めているのか全く分からない。
一週間頑張った、というフレーズからあまり重いものはやめておいた方がいいだろう。
確か甘党だったし、コンビニスイーツとかそんなところだな。
そんなもん自分で買って自分で食べてくれと思わんでもないが、こういうのは他人に渡されるという部分が重要なのだろう。
幸い今は実に暇だ。金については姉さんから貰った分を使えばいいし、今姉さんの暮らしているところは分かる。そこそこ遠いが俺なら走って往復できる距離だし、時間的にも余裕はある。
しかしそれはそれとして『めんどくせぇ』という感情があるのも事実。
個人的には『面倒くさい』以上の説得力があるフレーズはない。
というわけで『どんなご褒美が良いの?』と聞いておく。
数分したら『弟自身で考えて』と帰ってきた。
ふむ、と少し考えて。
「Aはアリス、階段落ちた。Bはブリンダ、クマにやられた」
ボイスメッセージ機能に『ギャシュリーク〇ムのちびっ子たち』をうろ覚えで、出来る限りイケボで録音し、メッセージで『ご褒美ボイス』と付けて送った。
親愛なる弟の声が聞けて大変満足であろう。
「あっそうだ」
姉さんにSAN値直葬ボイスを送り付けた所で、思い出したことがあった。
マッサージについて調べるつもりだったのだ。
なじみの肩が凝っていることを聞いてから考えていたのだが、何かとバタバタしていたために今の今まで忘れていた。
早速『巨乳 肩こり マッサージ』で検索。
「なんてこった、エロ動画しか出てこねえぞ」
ネット民は汚れてるな。
いや、これに関しては俺の検索ワードが悪いだけか。
次は『肩こり マッサージ』で検索。
「セルフマッサージばっかり。現代人は孤独なのが多いのか?」
晩婚化に少子高齢化、人口減衰とそうなる要素は多数あるが。
次は『肩こり マッサージ 他人』で検索。
「お、ようやく目当ての感じの奴が」
専門家が教える肩こり解消マッサージだそうだ。
生憎監修している専門家については全く知らないが、顔も名前も晒しているしその界隈では有名人なのだろう。
「ポイントは骨を押さないようにすることか。へー、最初は椅子に座って貰った方がいいんだ。なんかうつぶせのイメージあったけど・・・ああ、それは慣れてからね」
にわか知識でしかないが、素人考えであれこれするよりマシだろう。こういうのは情報の更新もほぼないだろうし。
「これで大なり小なり癒されてくれると良いんだが」
漫画研究部ともなれば肩こりも腰痛も慢性化するだろう。
なじみがそういった故障と無縁でいられるようにする手助けくらいしたいものだ。
「ま、ご主人様、だしね」
改めて口に出すと照れ臭いが、同時に口元がにやけるのも分かる。
あの時の俺が別段性欲が解消されたわけでもないのに手を出さなかったのは、精神的な部分で満足していたからだろう。
そんなことを考えつつ、俺はページを読み込んでいくのだった。
*
怒られた。
そりゃまあ、ご褒美ボイスといってSAN値直葬ボイスを聞かされたのだから致し方あるまい。
『というわけで、お姉ちゃんに何か言うことはありますか』
電話の向こう側で姉さんの少し怒り気味の声が聞こえる。
「ふと思いついたので衝動的にやった。反省も後悔もしていない」
『・・・もういい。弟のおいたに目を瞑るのもお姉ちゃんの務め。でも次はちゃんとしたご褒美ボイスを所望する』
「ちゃんとしたって、どういうこと言えばいいのさ」
『頑張ったねって猫なで声で言えばそれでいい』
そんなんでいいのか。
『練習してみよう、今、ここで。さあ!』
「さあ、じゃないでしょうが。ここで言ったらご褒美にならない。来週言ってあげるからそれで勘弁」
『むう、しかしあのメスガキには毎日言っているはず』
「誰だよ、そのメスガキって?」
『・・・なんという名前だったか。忘れた』
「まあ良いけど。生憎俺は毎日『頑張ったね』なんて言う相手いないよ」
睦み言なら毎日言っているが。
『本当!?』
「うお、なんで食い気味・・・まあ本当だけど」
『そう。なら良かった。そのまま弟は私の弟のままでいるのだ』
「むしろ弟以外の何になれるというのかね」
『むぅ・・・まあいい。やがて自分から望むことになるのだから』
「俺が姉さんに望む物ってなにさ」
『力が欲しいか』
「間に合ってます」
いや、本当に。
そのまましばらく電話を続けて、ようやくお開きという流れになった。
「よし、じゃあ姉さんも頑張ってね。俺も頑張ってるからさ」
『うむ、吉報を待つが良い』
「バイバイ」
『バイバイ』
耳に静寂が戻ってくる。
ああ、夕飯作んなきゃ。
掃除は、良いか。あとで汚れるし。
洗濯、もう済んでるや。
なじみは今日も遅いのかな。
てゆーか。
「吉報って何」
同好の士だ、もはや親友といっても良いかもしれない。それは流石に早すぎるか。
俺個人としては、彼の恋路を応援したいところだ。
兄妹のように育った二人が思春期の異性への意識からまやっとした距離感になりながらも、最終的には結ばれる。
これほどロマンチックな話があろうか。
白雪姫もシンデレラも否定する気はないが、長い目で見たときの幸福度は絶対に幼馴染の方が上だ。
理想的なパートナーとはTSした自分だと思う。それに一番近いのは幼馴染だろう。
そして俺はすでになじみで満たされている。
とくれば他人の幸福を応援したくなるもの。
最も、信照と俺では大分事情が違う。
何せ俺は好感度の稼ぎなおしなんて非効率なことをする必要がなかった。その辺を器用に立ち回れる辺り、やはり転生者は爆アドである。
さて、その花開院圭希なる女を人脈をフル活用して捜索しているのだが、どうも見つからない。
目立たないタイプなのか、単純に捜索範囲外にいるだけなのか。
いやしかしこの名前で目立たないという事はないだろうし、範囲外が有力な所か。
とりあえず全員に『ありがとう、もう大丈夫』とお礼と終了を告げる。
「こりゃ、信照からの情報待ちか・・・?」
一人の視点からの意見など大した意味はない。いくつかの視点から精査して初めて憶測が情報に変わるのだ。
多少時と場合に寄るが、情報の価値は大きく分けて速さと正確性で決まる。
その正確性が怪しいとなれば、話しは大分難しい。
下手をうって修復不能、という流れになっては本末転倒も良いところだ。
まあ、最大限できることはした。
それに俺がどうおぜん立てしても結局は信照自身の魅力と努力次第。
そもそも1から10までおんぶにだっこで出来た関係など脆いものだ。
どこまで行っても外野でしかないのだから、外野らしくのんびり眺めて、時々野次って発破を掛けていればいい。
そんな気楽な、金曜日の放課後であった。
何を隠そう、今の俺は暇人である。
20時まではあと5時間以上あるというのにやることはない。
こういう手すきの時間をバイトに当てたいのだが、そのバイトが見つからない。
求人サイトで見つかるのは丸一日働いて日当を得るような日雇いのものばかり。これに関しては検索エンジンが悪いのか?
週数回、数時間のバイトを長期的に行いたいのだが。
そんな風に思っていると、いきなりメッセージが飛んできた。
仰向けになっていたので思わず取り落としてスマホが顔面に不時着するが、それ以上のことはなく取り直す。
「姉さんから?」
『つららん』というアカウントから来たのは、乗っ取られてもいない限り、姉からのメッセージである。
曰く、『一週間頑張ったお姉ちゃんにご褒美をくれぇ』とのことだった。
最近社会人になった姉さんは随分とストレスを溜め込んでいるらしい。
お仕事お疲れ様です、という意味を込めて可能なら労いたいところだが、一方で姉さんが何を求めているのか全く分からない。
一週間頑張った、というフレーズからあまり重いものはやめておいた方がいいだろう。
確か甘党だったし、コンビニスイーツとかそんなところだな。
そんなもん自分で買って自分で食べてくれと思わんでもないが、こういうのは他人に渡されるという部分が重要なのだろう。
幸い今は実に暇だ。金については姉さんから貰った分を使えばいいし、今姉さんの暮らしているところは分かる。そこそこ遠いが俺なら走って往復できる距離だし、時間的にも余裕はある。
しかしそれはそれとして『めんどくせぇ』という感情があるのも事実。
個人的には『面倒くさい』以上の説得力があるフレーズはない。
というわけで『どんなご褒美が良いの?』と聞いておく。
数分したら『弟自身で考えて』と帰ってきた。
ふむ、と少し考えて。
「Aはアリス、階段落ちた。Bはブリンダ、クマにやられた」
ボイスメッセージ機能に『ギャシュリーク〇ムのちびっ子たち』をうろ覚えで、出来る限りイケボで録音し、メッセージで『ご褒美ボイス』と付けて送った。
親愛なる弟の声が聞けて大変満足であろう。
「あっそうだ」
姉さんにSAN値直葬ボイスを送り付けた所で、思い出したことがあった。
マッサージについて調べるつもりだったのだ。
なじみの肩が凝っていることを聞いてから考えていたのだが、何かとバタバタしていたために今の今まで忘れていた。
早速『巨乳 肩こり マッサージ』で検索。
「なんてこった、エロ動画しか出てこねえぞ」
ネット民は汚れてるな。
いや、これに関しては俺の検索ワードが悪いだけか。
次は『肩こり マッサージ』で検索。
「セルフマッサージばっかり。現代人は孤独なのが多いのか?」
晩婚化に少子高齢化、人口減衰とそうなる要素は多数あるが。
次は『肩こり マッサージ 他人』で検索。
「お、ようやく目当ての感じの奴が」
専門家が教える肩こり解消マッサージだそうだ。
生憎監修している専門家については全く知らないが、顔も名前も晒しているしその界隈では有名人なのだろう。
「ポイントは骨を押さないようにすることか。へー、最初は椅子に座って貰った方がいいんだ。なんかうつぶせのイメージあったけど・・・ああ、それは慣れてからね」
にわか知識でしかないが、素人考えであれこれするよりマシだろう。こういうのは情報の更新もほぼないだろうし。
「これで大なり小なり癒されてくれると良いんだが」
漫画研究部ともなれば肩こりも腰痛も慢性化するだろう。
なじみがそういった故障と無縁でいられるようにする手助けくらいしたいものだ。
「ま、ご主人様、だしね」
改めて口に出すと照れ臭いが、同時に口元がにやけるのも分かる。
あの時の俺が別段性欲が解消されたわけでもないのに手を出さなかったのは、精神的な部分で満足していたからだろう。
そんなことを考えつつ、俺はページを読み込んでいくのだった。
*
怒られた。
そりゃまあ、ご褒美ボイスといってSAN値直葬ボイスを聞かされたのだから致し方あるまい。
『というわけで、お姉ちゃんに何か言うことはありますか』
電話の向こう側で姉さんの少し怒り気味の声が聞こえる。
「ふと思いついたので衝動的にやった。反省も後悔もしていない」
『・・・もういい。弟のおいたに目を瞑るのもお姉ちゃんの務め。でも次はちゃんとしたご褒美ボイスを所望する』
「ちゃんとしたって、どういうこと言えばいいのさ」
『頑張ったねって猫なで声で言えばそれでいい』
そんなんでいいのか。
『練習してみよう、今、ここで。さあ!』
「さあ、じゃないでしょうが。ここで言ったらご褒美にならない。来週言ってあげるからそれで勘弁」
『むう、しかしあのメスガキには毎日言っているはず』
「誰だよ、そのメスガキって?」
『・・・なんという名前だったか。忘れた』
「まあ良いけど。生憎俺は毎日『頑張ったね』なんて言う相手いないよ」
睦み言なら毎日言っているが。
『本当!?』
「うお、なんで食い気味・・・まあ本当だけど」
『そう。なら良かった。そのまま弟は私の弟のままでいるのだ』
「むしろ弟以外の何になれるというのかね」
『むぅ・・・まあいい。やがて自分から望むことになるのだから』
「俺が姉さんに望む物ってなにさ」
『力が欲しいか』
「間に合ってます」
いや、本当に。
そのまましばらく電話を続けて、ようやくお開きという流れになった。
「よし、じゃあ姉さんも頑張ってね。俺も頑張ってるからさ」
『うむ、吉報を待つが良い』
「バイバイ」
『バイバイ』
耳に静寂が戻ってくる。
ああ、夕飯作んなきゃ。
掃除は、良いか。あとで汚れるし。
洗濯、もう済んでるや。
なじみは今日も遅いのかな。
てゆーか。
「吉報って何」
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
田舎に帰ったら従妹が驚くほど積極的になってた話
神谷 愛
恋愛
久しぶりに帰った田舎には暫くあっていない従妹がいるはずだった。数年ぶりに帰るとそこにいたのは驚くほど可愛く、そして積極的に成長した従妹の姿だった。昔の従妹では考えられないほどの色気で迫ってくる従妹との数日の話。
二話毎六話完結。だいたい10時か22時更新、たぶん。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる