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第二部 高校生編
仕事をするにあたっての心構えは店と心中しない事
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暇と怠惰の金曜日。
なじみとの同棲生活では実に貴重なプライベートの時間である。
これ以外と言ったらトイレと風呂ぐらいだ。風呂は時々一緒に入ろうとしてくるし。
しかしそんなプライベートの時間を金に換えるのが労働だ。
金は命よりも重いんだ。
そんなわけで目を付けていたバイト募集のチラシに電話した所人員不足だとかで即OKを貰った。
一目も見ないとかそういう運営だから人手が足りないんじゃないですかね。ボブは訝しんだ。
で、一応洋食屋らしいのだが。
「実家?」
「・・・そういうことさ」
なんとビックリ、いざ出勤してみたら利根川部長がいるではないか。
バイトリーダーとシフトの相談をしてくれと言われて向かえば、まさかの知り合い。
「となると、あの店長は」
「ああ、僕の父親だ。母親は今居住区にいるよ」
まさしく世間は狭い。
てか居住区て。間違ってはない、のか?
さておき、バイトリーダーたる部長と相談したところ、金土日の18~20時くらいの間は一番混み合う時間帯らしく、その辺に入れてくれるなら給料を多少割高にしてもいいとのこと。
何ともうまい具合に平日の暇な時間帯とかみ合ってくれたので了承。
部長と俺しか軽音部にはいないのでその辺の事情も加味出来て満足である。
そもそも軽音部は現在17時程度で終わりの緩い部活だ。活動限界まで作業しているなじみとはガチさが違う。まあそこまでやってるのはなじみ以外には少数らしいのだが。
そんなわけで月火金土日の18~20時にはシフトを入れることに。
一人の余暇がゴリゴリ削れていくが、自分で削っている以上言い訳もできず。
「じゃあこれからはバイト仲間としてもよろしく、安心院君」
「よろしくお願いします、部長」
「せっかくだから梅雨ちゃんと呼んでもいいんだよ?」
「HAHAHA」
「流された!?」
*
そんなわけで得た洋食屋のバイトであるが、率直に言ってしまえば、あまり流行っているというわけでもないようだ。
昔ながらの固定客は多数いるようだが大体が年配の方で、部長の父親より一世代上といった印象。
正直部長の父親が商売を引退するより先にこの方々が現世を引退する方が早いだろう。
店の装いも昔ながらと言った風で、一言さんお断りな雰囲気。
入店にはそこそこ勇気がいる。
さりとてバズった所で俺の給料に影響があるわけでもないので、別に良いのだが。どうせ腰掛だし。
部長からしてみれば死活問題なのかもしれないが、親密度としては友人未満の相手に骨身を削るつもりもなく。
これが微あたりなら結構頑張ってサポートするけども。
最も、所詮は素人が数時間を眺めた程度の話。
そうと決まったわけではないし、もしかしたら人気Y〇utuberあたりが『クッソ入りづらい店に入ってみた』みたいな企画を立ててこの店が抜擢され、一躍大流行って話があるかもしれない。
他力本願ここに極まれり。だが無いわけでもないのだ。
ちなみにバイト自体の仕事量ではあるが、まあフロアスタッフが一人だと修羅場だろうな、という程度で、別段忙しい印象はない。
鍛えた体幹と叩き込まれたマナーでウェイトレス業務は割と順調。レジ打ちは慣れが必要とかで触っていない。実際あのレジスターは頭がこんがらがりそうだ。
その他、掃除やら力仕事やら皿洗いやらもやったが、そちらは別のスタッフがいるとかで触りだけ。
その別のスタッフとやらは俺が入ってから裏に回されたらしいが・・・まあ、客商売には見目も武器、という事で。恨むなら筋肉のない貧相な体を恨むんだな。
「いやあ、安心院君が入ってくれたおかげで仕事が楽で楽で! 本当にありがとう!」
「それは仕事なんで別に良いですけど、新人をいきなりフロアに出すってどうなんですか。こういうのって皿洗いとかしながら色々研修で叩き込むところでは?」
「んー、ホントはそうなんだけど、安心院君は要領がいいからね。大丈夫だろうと踏んだんだ。この辺の横暴は個人事業主の特権さ。実際大丈夫だったんだし、問題ないだろ?」
「結果論じゃないですか」
「その結果が一番重要なのさ」
「否定はしませんが」
今は客が途切れての小休止、束の間の平穏だ。
モップで適当にフローリングを磨きながら、雑巾でテーブルを拭く部長と会話する。
「部長、何紙ナプキンぎっちぎちに補充してるんですか」
「・・・こういうのは補充の回数を減らすために一回当たりの補充量を増やすのがコツだから・・・」
試しに一枚引っ張ってみると、おまけだよと言わんばかりに何枚も同伴してくる。
「補充量と一緒に供給量も増えてるんで実質同じ、何なら紙ナプキンの料金分マイナスに見えますが」
「そこは複数枚必要なお客様を思っての事だね」
「多分一枚で十分な方が多いと思うんですが」
「マイノリティにも配慮できるのがいい女の条件だよ」
「・・・もういいです、それで」
色々反論はあったが、めんどくさくなってやめた。
経験則だが、『いい女』とか言い出した時は大抵めんどくさいのだ。部長に限らず。
「そういえば部長。この店って若い人の常連客はいないんですか?」
「あー、一人いるけど、ここを喫茶店か何かだと勘違いしてるらしくてね。コーヒーとオムライスでずっと粘ってたりするんだよ。本とか読みながらね」
「それは・・・どうなんです?」
「来るのは客が少ないタイミングだから、迷惑自体はしてないんだけど・・・ちょっと思う所はあるよね」
「まあでも時間帯選べば下手な喫茶店よりは静かそうですよね」
「ふぐぅ」
部長が肩を落とす。
「・・・主な客層がご老体だからね。客が多い時間帯でも静かな方さ」
「そうですね。部長自体がそういう客層向けの客寄せパンダみたいなところありますよね」
「ふぐぅ」
どうやら部長、そのちんまい背丈と店長の娘という立場から、みんなの孫みたいな扱いを受けている様子だった。
今日も何人のおばあちゃんが部長に飴を渡していたことか。その倍の人数は頭を撫でていたし。
傍から見ている限りは『微笑えましい孫と祖母と交流』という感じなのだが、何せ祖母率の高いこと高い事。
可愛がられているのは間違いない。
「それを言ったら君だって、色々弄られてたじゃないか!」
「それを利用して部長を弄る方がよっぽど楽しかったんだと思いますがね」
常連客の御老体連中だが『あら、お似合いねえ』なんて言いながら俺と部長を並べることが多々あった。
背丈としては完全に親子、せいぜい兄妹といったところだが『可愛い孫がいきなり彼氏連れてきた』みたいな反応になっていた。感覚的には間違っていないような気もする。
で、それを受けて顔を赤くする部長を尻目に『いやあ実はそうなんですよ』みたいな冗談を言って更に赤くなって慌てる部長を眺めていた。
その時客の一名がサムズアップしていたので、多分同好の士である。良い趣味してるぜ・・・。
「うう~、アレは今思い出しても恥ずかしい限りだ。多分君がバイト辞めない限りずっと続くんだろうな・・・」
「やめたとしてもしばらくは『あら梅雨ちゃん彼氏君とは別れちゃったの?』みたいなこと言われると思いますけどね」
「今の声真似無駄に上手いね・・・もう一回やってよ。録音するから」
「それを言われてやる奴見たことないですね」
「確かに」
なんだかんだで、部長も俺も楽しんでいる。会話は勿論の事、楽しい相手と一緒にすれば案外仕事も充分楽しいものだ。
そんな感じに、何とも平和なままでバイト初日はくれていったのだった。
ちゃんと定時退社しましたよ、ええしましたとも。部長の父親が凄い顔で睨んできましたが当然スルーして帰ってきましたよ。これだけはハッキリと真実を伝えたかった。
なじみとの同棲生活では実に貴重なプライベートの時間である。
これ以外と言ったらトイレと風呂ぐらいだ。風呂は時々一緒に入ろうとしてくるし。
しかしそんなプライベートの時間を金に換えるのが労働だ。
金は命よりも重いんだ。
そんなわけで目を付けていたバイト募集のチラシに電話した所人員不足だとかで即OKを貰った。
一目も見ないとかそういう運営だから人手が足りないんじゃないですかね。ボブは訝しんだ。
で、一応洋食屋らしいのだが。
「実家?」
「・・・そういうことさ」
なんとビックリ、いざ出勤してみたら利根川部長がいるではないか。
バイトリーダーとシフトの相談をしてくれと言われて向かえば、まさかの知り合い。
「となると、あの店長は」
「ああ、僕の父親だ。母親は今居住区にいるよ」
まさしく世間は狭い。
てか居住区て。間違ってはない、のか?
さておき、バイトリーダーたる部長と相談したところ、金土日の18~20時くらいの間は一番混み合う時間帯らしく、その辺に入れてくれるなら給料を多少割高にしてもいいとのこと。
何ともうまい具合に平日の暇な時間帯とかみ合ってくれたので了承。
部長と俺しか軽音部にはいないのでその辺の事情も加味出来て満足である。
そもそも軽音部は現在17時程度で終わりの緩い部活だ。活動限界まで作業しているなじみとはガチさが違う。まあそこまでやってるのはなじみ以外には少数らしいのだが。
そんなわけで月火金土日の18~20時にはシフトを入れることに。
一人の余暇がゴリゴリ削れていくが、自分で削っている以上言い訳もできず。
「じゃあこれからはバイト仲間としてもよろしく、安心院君」
「よろしくお願いします、部長」
「せっかくだから梅雨ちゃんと呼んでもいいんだよ?」
「HAHAHA」
「流された!?」
*
そんなわけで得た洋食屋のバイトであるが、率直に言ってしまえば、あまり流行っているというわけでもないようだ。
昔ながらの固定客は多数いるようだが大体が年配の方で、部長の父親より一世代上といった印象。
正直部長の父親が商売を引退するより先にこの方々が現世を引退する方が早いだろう。
店の装いも昔ながらと言った風で、一言さんお断りな雰囲気。
入店にはそこそこ勇気がいる。
さりとてバズった所で俺の給料に影響があるわけでもないので、別に良いのだが。どうせ腰掛だし。
部長からしてみれば死活問題なのかもしれないが、親密度としては友人未満の相手に骨身を削るつもりもなく。
これが微あたりなら結構頑張ってサポートするけども。
最も、所詮は素人が数時間を眺めた程度の話。
そうと決まったわけではないし、もしかしたら人気Y〇utuberあたりが『クッソ入りづらい店に入ってみた』みたいな企画を立ててこの店が抜擢され、一躍大流行って話があるかもしれない。
他力本願ここに極まれり。だが無いわけでもないのだ。
ちなみにバイト自体の仕事量ではあるが、まあフロアスタッフが一人だと修羅場だろうな、という程度で、別段忙しい印象はない。
鍛えた体幹と叩き込まれたマナーでウェイトレス業務は割と順調。レジ打ちは慣れが必要とかで触っていない。実際あのレジスターは頭がこんがらがりそうだ。
その他、掃除やら力仕事やら皿洗いやらもやったが、そちらは別のスタッフがいるとかで触りだけ。
その別のスタッフとやらは俺が入ってから裏に回されたらしいが・・・まあ、客商売には見目も武器、という事で。恨むなら筋肉のない貧相な体を恨むんだな。
「いやあ、安心院君が入ってくれたおかげで仕事が楽で楽で! 本当にありがとう!」
「それは仕事なんで別に良いですけど、新人をいきなりフロアに出すってどうなんですか。こういうのって皿洗いとかしながら色々研修で叩き込むところでは?」
「んー、ホントはそうなんだけど、安心院君は要領がいいからね。大丈夫だろうと踏んだんだ。この辺の横暴は個人事業主の特権さ。実際大丈夫だったんだし、問題ないだろ?」
「結果論じゃないですか」
「その結果が一番重要なのさ」
「否定はしませんが」
今は客が途切れての小休止、束の間の平穏だ。
モップで適当にフローリングを磨きながら、雑巾でテーブルを拭く部長と会話する。
「部長、何紙ナプキンぎっちぎちに補充してるんですか」
「・・・こういうのは補充の回数を減らすために一回当たりの補充量を増やすのがコツだから・・・」
試しに一枚引っ張ってみると、おまけだよと言わんばかりに何枚も同伴してくる。
「補充量と一緒に供給量も増えてるんで実質同じ、何なら紙ナプキンの料金分マイナスに見えますが」
「そこは複数枚必要なお客様を思っての事だね」
「多分一枚で十分な方が多いと思うんですが」
「マイノリティにも配慮できるのがいい女の条件だよ」
「・・・もういいです、それで」
色々反論はあったが、めんどくさくなってやめた。
経験則だが、『いい女』とか言い出した時は大抵めんどくさいのだ。部長に限らず。
「そういえば部長。この店って若い人の常連客はいないんですか?」
「あー、一人いるけど、ここを喫茶店か何かだと勘違いしてるらしくてね。コーヒーとオムライスでずっと粘ってたりするんだよ。本とか読みながらね」
「それは・・・どうなんです?」
「来るのは客が少ないタイミングだから、迷惑自体はしてないんだけど・・・ちょっと思う所はあるよね」
「まあでも時間帯選べば下手な喫茶店よりは静かそうですよね」
「ふぐぅ」
部長が肩を落とす。
「・・・主な客層がご老体だからね。客が多い時間帯でも静かな方さ」
「そうですね。部長自体がそういう客層向けの客寄せパンダみたいなところありますよね」
「ふぐぅ」
どうやら部長、そのちんまい背丈と店長の娘という立場から、みんなの孫みたいな扱いを受けている様子だった。
今日も何人のおばあちゃんが部長に飴を渡していたことか。その倍の人数は頭を撫でていたし。
傍から見ている限りは『微笑えましい孫と祖母と交流』という感じなのだが、何せ祖母率の高いこと高い事。
可愛がられているのは間違いない。
「それを言ったら君だって、色々弄られてたじゃないか!」
「それを利用して部長を弄る方がよっぽど楽しかったんだと思いますがね」
常連客の御老体連中だが『あら、お似合いねえ』なんて言いながら俺と部長を並べることが多々あった。
背丈としては完全に親子、せいぜい兄妹といったところだが『可愛い孫がいきなり彼氏連れてきた』みたいな反応になっていた。感覚的には間違っていないような気もする。
で、それを受けて顔を赤くする部長を尻目に『いやあ実はそうなんですよ』みたいな冗談を言って更に赤くなって慌てる部長を眺めていた。
その時客の一名がサムズアップしていたので、多分同好の士である。良い趣味してるぜ・・・。
「うう~、アレは今思い出しても恥ずかしい限りだ。多分君がバイト辞めない限りずっと続くんだろうな・・・」
「やめたとしてもしばらくは『あら梅雨ちゃん彼氏君とは別れちゃったの?』みたいなこと言われると思いますけどね」
「今の声真似無駄に上手いね・・・もう一回やってよ。録音するから」
「それを言われてやる奴見たことないですね」
「確かに」
なんだかんだで、部長も俺も楽しんでいる。会話は勿論の事、楽しい相手と一緒にすれば案外仕事も充分楽しいものだ。
そんな感じに、何とも平和なままでバイト初日はくれていったのだった。
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