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第二部 高校生編
常識人判定は結局相対評価
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場所は移動して微の部屋。
俺の部屋にいたときもそうだったが、やはり一人暮らし用の部屋に三人も集まるとそこそこ窮屈だ。
特に俺はガタイが良いからなおの事だ。
「へー・・・同じ間取りでも結構雰囲気変わったりするんだね」
「そうかしら」
やはり部屋はその人の特徴が出るのだろうか。だとすれば俺の部屋は微からどう見えていたのだろう。なんとなく『十中八九ろくでもない感想が返ってくる』という予感がしたので聞かなくていいか。
「すまない微、喉が渇いてしまったので飲み物を貰っても良いか?」
「え? ああ・・・別に良いわよ。冷蔵庫の中にあるから好きに飲んで」
「ありがとう」
冷蔵庫の中にはお茶、牛乳、スポドリ、ぶどうジュースが入っていた。
迷うことなく牛乳を選択して飲み干す。元々量が少なくなっていたので軽いものだ。
「おおっとしまった思わず牛乳を全部飲んでしまったそういえば俺の部屋にももう牛乳が無いのであったこれは困ったスーパーで買ってもいいが今日は安売りしている日でもないし少し気が引ける所だなこれはカルボナーラを作るには何か代替品を探す必要があるどうしたことだろう」
「相手が死ぬまで続くコンボ攻撃やめなさい」
コンボ攻撃とは失礼な。俺はただ自分の失態を正直に告白したうえでどうやってリカバリーするかを早口で確認していただけではないか。
「じゃあ仁科さん、さっそく作ってくれるかな?」
「彼氏が彼氏なら彼女も彼女じゃないの」
「そんなお似合いの彼女だなんて・・・」
「言ってないし、褒めてないわよ」
などと言いつつ台所へ移動する。
一人暮らしの部屋でも手狭だったのに、一人暮らしの台所となるともうすし詰め状態だ。
奥から順に俺、微、なじみという並びであるが、移動もままならぬ。
「ふむ・・・これがいわゆる二輪挿しという奴か」
「ケーくん、これ三人いるんだから三輪挿しでしょ」
「叩き出すわよお馬鹿ども!」
おお、微が声を荒げている。
そうそう見ない激レアシーンだ。
まあそれはそれとして。
俺となじみが微の両腕を拘束して、痛くない程度に捻り上げる。
台所の窮屈さも相まって微はいよいよ身動きが取れない。
なじみが食器棚から計量カップを取り出し、微の目の前に置く。
「さあ」
「さあ」
「・・・」
沈黙を決め込む微だが、それを許すわけもなく。
いやしかしここで強姦未遂みたいな事はしたくない。なじみの好奇心を満たすために微を嵌めたような形なのだから、これ以上罪を重ねるのも気が引ける。
つまりなんとかして微を『その気』にさせなければならない。
俺はひとまず腕の持ち方を片手に変え、もう片方の手を自由にする。
「まあまあ微よ。俺としても別に無理強いがしたいってわけでもないんだ・・・どうせならお互いストレスフリーで行きたいと、そう思っている」
「ストレスがあると味が落ちるからかしら」
「その言い方だとまるで俺が微を乳牛か何かだと思ってるみたいじゃないか」
皮肉としてはとんでもない出来だと思うが。
「違うのかしら?」
「断じて違うが・・・まあ何を言っても弁護の余地なしか」
「そうでしょうが」
「え、仁科さんケーくんの家畜になりたくないの?」
なぜそこまで威風堂々と疑問符を提示することが出来るのががまさしく疑問だが、今この瞬間に限って言えば存外いい援護射撃かもしれん。
「・・・安心院君、色々話すべきことが出来たわね?」
畜生そううまくはいかないか。
「一応言っておくが別に俺から『そう』して欲しいと願ったことなんて一度もないし、誘導した覚えもないぜ」
「こんな幼気な子が、そんな過激な表現が似合う様な状況が好みだと? 何の誘導もなく、それが本質だと?」
「その通り」
つーか幼気って。1つしか違わんだろうに。
なじみの事ちゃんづけで呼ぶのといい、相当に年下に見えてるのか・・・?
まあ言動は真っ直ぐだから、そう思われるのも納得できんでもないが。
「ちょっとちょっと仁科さん。何を言うかと思えば私のケーくんへの愛を侮辱するつもり?」
「えっ。いや侮辱なんてそんな・・・」
おっとなじみから更に別角度の援護射撃が来たぞ?
正直こっからの流れが予測不能過ぎてもはや若干楽しくなってきた。夜更かしもしてないのに深夜テンションの気分だ。
「か、家畜なんて健全な恋人関係じゃないわよ! 女性側にも人権っていうか尊厳っていうかそういうものがあるでしょ?」
「その人権とか尊厳とかはそんなに大切なの?」
「そうよ!」
「じゃあソレをケーくんに上げたらきっと喜んでくれるね!」
「なんでそうなるの!?」
ちなみに俺の意見としては微よりである。
そうだそうだと小声で応援したいくらいだ。
そこまで愛してくれること自体は大変喜ばしいのだが、行き過ぎてもダッチワイフみたいになって虚しいのでちょうどいい塩梅を一緒に探していきたいところだ。
「あ、安心院君としてはどうなのかしら!? 重すぎるとかそういう事は・・・」
「いや別に。ただ捧げられすぎてもダッチワイフみたいで虚しいからちょうどいい塩梅が欲しい」
「もうこの娘ただのヤンデレよ!? それも相手に全部投げ捨てる依存系よ!?」
「まあなじみのものなら全部受け止める覚悟はあるし・・・」
自分でもちょっとガンギマリ状態が過ぎないだろうか。
まあ、別に良いか。
「くっ、やはり彼氏が彼氏なら彼女も彼女じゃない」
「そんなお似合いの彼女だなんて・・・」
「言ってないし、二回もやる様な下りじゃないでしょうが!」
このメンツが集まると微がツッコミ役に回るという事実に少し驚きだが、なるほど確かにその通り。
「じゃあひとまず話題を戻すとしようか」
「そうだねちょっと脱線が過ぎたからね」
「主にあなた達の所為でしょうが・・・」
微は頭が痛いと言わんばかりに表情をしかめるが、頭を抱えるための腕は未だ拘束されたままだ。
「さあ」
「さあ」
「・・・」
また沈黙する微。
しかし今回は違った。しばらくしてからその沈黙が破られたのだから。
「・・・そうよね。元から恋人がいる男に言い寄って、一回キッパリ振られたと思ったらその恋人に横恋慕を公認されて、挙句いきなり行く所まで行っちゃったんだから、異常だなんだなんて今更だわ。後続の私が追い付いて追い越すには、もっと全力で・・・自分の全部を投げ渡すぐらいじゃないと。それですら二番煎じなんだから」
自分に言い聞かせているようにも、ただの確認にも思えた。何せその呟きは無表情で行われた上、全部声色が一緒だったのだから。
無表情を至上の表情とする微には、平坦な声色こそ本質に近い。
暗示というには資料のようで、確認というには詩のようで。どちらにも思えて、どちらなのか俺でも判別できない。
ただ一つわかることと言えば、彼女が本当に本気でそれを言っているという事。その辺りのマジ具合の見極めには自信がある。
そういえば。
声にせよ顔にせよ、彼女から『表情』が抜け落ちるのは『素』の露出が始まった合図だ。
安心できる場所で、安心できる相手としか曝け出す事の無い微の『素』。
それが今。なじみも同席している今表出しつつあるというのは。
かねてよりの不安要素、本当に親しい人間を作り出す能力の欠如に対する、一つの大きな足掛かりとなる部分ではなかろうか。
「身を、捨ててこそ・・・浮かぶ、瀬も、あれ!」
覚悟完了と言った面持ちに、正直そこまで気合を入れんでも、と思わなくもないが。
まあなんか結局良い感じに纏め上げられたので良し、としようじゃないか。
勿論絞り上げるのはこれからだけどなぁ!?
俺の部屋にいたときもそうだったが、やはり一人暮らし用の部屋に三人も集まるとそこそこ窮屈だ。
特に俺はガタイが良いからなおの事だ。
「へー・・・同じ間取りでも結構雰囲気変わったりするんだね」
「そうかしら」
やはり部屋はその人の特徴が出るのだろうか。だとすれば俺の部屋は微からどう見えていたのだろう。なんとなく『十中八九ろくでもない感想が返ってくる』という予感がしたので聞かなくていいか。
「すまない微、喉が渇いてしまったので飲み物を貰っても良いか?」
「え? ああ・・・別に良いわよ。冷蔵庫の中にあるから好きに飲んで」
「ありがとう」
冷蔵庫の中にはお茶、牛乳、スポドリ、ぶどうジュースが入っていた。
迷うことなく牛乳を選択して飲み干す。元々量が少なくなっていたので軽いものだ。
「おおっとしまった思わず牛乳を全部飲んでしまったそういえば俺の部屋にももう牛乳が無いのであったこれは困ったスーパーで買ってもいいが今日は安売りしている日でもないし少し気が引ける所だなこれはカルボナーラを作るには何か代替品を探す必要があるどうしたことだろう」
「相手が死ぬまで続くコンボ攻撃やめなさい」
コンボ攻撃とは失礼な。俺はただ自分の失態を正直に告白したうえでどうやってリカバリーするかを早口で確認していただけではないか。
「じゃあ仁科さん、さっそく作ってくれるかな?」
「彼氏が彼氏なら彼女も彼女じゃないの」
「そんなお似合いの彼女だなんて・・・」
「言ってないし、褒めてないわよ」
などと言いつつ台所へ移動する。
一人暮らしの部屋でも手狭だったのに、一人暮らしの台所となるともうすし詰め状態だ。
奥から順に俺、微、なじみという並びであるが、移動もままならぬ。
「ふむ・・・これがいわゆる二輪挿しという奴か」
「ケーくん、これ三人いるんだから三輪挿しでしょ」
「叩き出すわよお馬鹿ども!」
おお、微が声を荒げている。
そうそう見ない激レアシーンだ。
まあそれはそれとして。
俺となじみが微の両腕を拘束して、痛くない程度に捻り上げる。
台所の窮屈さも相まって微はいよいよ身動きが取れない。
なじみが食器棚から計量カップを取り出し、微の目の前に置く。
「さあ」
「さあ」
「・・・」
沈黙を決め込む微だが、それを許すわけもなく。
いやしかしここで強姦未遂みたいな事はしたくない。なじみの好奇心を満たすために微を嵌めたような形なのだから、これ以上罪を重ねるのも気が引ける。
つまりなんとかして微を『その気』にさせなければならない。
俺はひとまず腕の持ち方を片手に変え、もう片方の手を自由にする。
「まあまあ微よ。俺としても別に無理強いがしたいってわけでもないんだ・・・どうせならお互いストレスフリーで行きたいと、そう思っている」
「ストレスがあると味が落ちるからかしら」
「その言い方だとまるで俺が微を乳牛か何かだと思ってるみたいじゃないか」
皮肉としてはとんでもない出来だと思うが。
「違うのかしら?」
「断じて違うが・・・まあ何を言っても弁護の余地なしか」
「そうでしょうが」
「え、仁科さんケーくんの家畜になりたくないの?」
なぜそこまで威風堂々と疑問符を提示することが出来るのががまさしく疑問だが、今この瞬間に限って言えば存外いい援護射撃かもしれん。
「・・・安心院君、色々話すべきことが出来たわね?」
畜生そううまくはいかないか。
「一応言っておくが別に俺から『そう』して欲しいと願ったことなんて一度もないし、誘導した覚えもないぜ」
「こんな幼気な子が、そんな過激な表現が似合う様な状況が好みだと? 何の誘導もなく、それが本質だと?」
「その通り」
つーか幼気って。1つしか違わんだろうに。
なじみの事ちゃんづけで呼ぶのといい、相当に年下に見えてるのか・・・?
まあ言動は真っ直ぐだから、そう思われるのも納得できんでもないが。
「ちょっとちょっと仁科さん。何を言うかと思えば私のケーくんへの愛を侮辱するつもり?」
「えっ。いや侮辱なんてそんな・・・」
おっとなじみから更に別角度の援護射撃が来たぞ?
正直こっからの流れが予測不能過ぎてもはや若干楽しくなってきた。夜更かしもしてないのに深夜テンションの気分だ。
「か、家畜なんて健全な恋人関係じゃないわよ! 女性側にも人権っていうか尊厳っていうかそういうものがあるでしょ?」
「その人権とか尊厳とかはそんなに大切なの?」
「そうよ!」
「じゃあソレをケーくんに上げたらきっと喜んでくれるね!」
「なんでそうなるの!?」
ちなみに俺の意見としては微よりである。
そうだそうだと小声で応援したいくらいだ。
そこまで愛してくれること自体は大変喜ばしいのだが、行き過ぎてもダッチワイフみたいになって虚しいのでちょうどいい塩梅を一緒に探していきたいところだ。
「あ、安心院君としてはどうなのかしら!? 重すぎるとかそういう事は・・・」
「いや別に。ただ捧げられすぎてもダッチワイフみたいで虚しいからちょうどいい塩梅が欲しい」
「もうこの娘ただのヤンデレよ!? それも相手に全部投げ捨てる依存系よ!?」
「まあなじみのものなら全部受け止める覚悟はあるし・・・」
自分でもちょっとガンギマリ状態が過ぎないだろうか。
まあ、別に良いか。
「くっ、やはり彼氏が彼氏なら彼女も彼女じゃない」
「そんなお似合いの彼女だなんて・・・」
「言ってないし、二回もやる様な下りじゃないでしょうが!」
このメンツが集まると微がツッコミ役に回るという事実に少し驚きだが、なるほど確かにその通り。
「じゃあひとまず話題を戻すとしようか」
「そうだねちょっと脱線が過ぎたからね」
「主にあなた達の所為でしょうが・・・」
微は頭が痛いと言わんばかりに表情をしかめるが、頭を抱えるための腕は未だ拘束されたままだ。
「さあ」
「さあ」
「・・・」
また沈黙する微。
しかし今回は違った。しばらくしてからその沈黙が破られたのだから。
「・・・そうよね。元から恋人がいる男に言い寄って、一回キッパリ振られたと思ったらその恋人に横恋慕を公認されて、挙句いきなり行く所まで行っちゃったんだから、異常だなんだなんて今更だわ。後続の私が追い付いて追い越すには、もっと全力で・・・自分の全部を投げ渡すぐらいじゃないと。それですら二番煎じなんだから」
自分に言い聞かせているようにも、ただの確認にも思えた。何せその呟きは無表情で行われた上、全部声色が一緒だったのだから。
無表情を至上の表情とする微には、平坦な声色こそ本質に近い。
暗示というには資料のようで、確認というには詩のようで。どちらにも思えて、どちらなのか俺でも判別できない。
ただ一つわかることと言えば、彼女が本当に本気でそれを言っているという事。その辺りのマジ具合の見極めには自信がある。
そういえば。
声にせよ顔にせよ、彼女から『表情』が抜け落ちるのは『素』の露出が始まった合図だ。
安心できる場所で、安心できる相手としか曝け出す事の無い微の『素』。
それが今。なじみも同席している今表出しつつあるというのは。
かねてよりの不安要素、本当に親しい人間を作り出す能力の欠如に対する、一つの大きな足掛かりとなる部分ではなかろうか。
「身を、捨ててこそ・・・浮かぶ、瀬も、あれ!」
覚悟完了と言った面持ちに、正直そこまで気合を入れんでも、と思わなくもないが。
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