上 下
1 / 7

1

しおりを挟む
 暗い寝室の中、ベッドの側にある一つの小さな灯りが少女と母親を照らす。
 少女は自分の目をパチパチさせながらぽつりと呟いた。

「ねぇ、ママ。ご本読んで」

 少女はどうやら寝付けれないらしい。そんな少女の顔を見るやいなや母親は優しく返事をした。

「いいわよ。こっちへおいで」

 少女は母親の隣にちょこんと座り込み、母親は少女を包むように寄り添いながら、膝上にある一つの本を2人が見える様に大きく広げて読み始めた。
しおりを挟む

処理中です...