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06:お嬢様、奥様になる ※下ネタ入りますw

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「うわ~ん、痛い~。朝より今のが痛い~」
 ベッドの上でM字開脚をしながらリリーアンヌは嘆く。
「痛いでしょうね。切れてますから」
 マリッサが薬を塗り込みながら言う。
 本当に1日中やっていたのかと、ちょっと呆れたが口にはしない。

 リリーアンヌは湯浴みを済ませて、破瓜はかによる傷の手当てを受けていた。
 元凶であるサイラスは、現在湯浴み中である。

「今日はもう駄目ですからね」
 リリーアンヌの足を閉じさせて、マリッサは後ろにいるサイラスへと注意する。
「こちらも、もう打ち止めだよ」
 髪を拭きながらサイラスが苦笑する。
 さすがにサイラスはバスローブを身につけていた。

「処女には辛いサイズなのでしょうかね」
 薬をしまいながら、マリッサが呟く。
「どうだろう?私も初めてだから知りようがないね」
 リリーアンヌとマリッサが、同時にサイラスを見た。

「恋人は?」
「いた事もあるけど、王族の種を撒き散らすわけにはいかないだろう」
「性欲処理は?」
「主に右手」
「閨教育は?」
「座学と見学」

「国によって違うのですね、お嬢様」
「貴族の童貞は、未亡人が全部貰うもんだと思ってた!」
 交互に質問してきたリリーアンヌとマリッサ。
 その後二人で妙に納得している。
 楽しそうに話す二人を見て、実はよく似ているのでは?とサイラスは密かに思っていた。



 新婚だからと仕事を休んでいたサイラスが出勤すると、机の上には王と王太子それぞれから呼び出し状が置かれていた。
 将来的には王を補佐する為に需要な役職に就くのだが、それを狙って纏わりついてくる令嬢を酷く嫌っていたサイラス。
 そのサイラスが突然の結婚宣言をした為に、王宮ではプチパニックが起きていた。

 リリーアンヌ側から見ると1ヶ月での結婚だったが、リーンカネタル国側から見ると、さらに短かったからだ。
 隣国へ公務で行ったはずの第三王子が、そのまま1週間の休暇を申請してきた。
 そして隣国へ旅立ってから2週間後には、婚約者を連れて帰って来たのだ。
 2週間の内約は、3日の公務+休暇の1週間+往復の日数4日である。
 リーンカネタル国側から見ると、実質2週間での結婚だった。



「リリーアンヌ嬢は元気か?」
 王である父に問われ、サイラスはギロリと睨みつける。
「もう妻です」
 妻とは認めていないかのような呼び方に、サイラスは怒りを隠さない。
「あ、いや、すまない。そんな意図は無い。結婚までが短過ぎるのが悪いだろ!」
 焦る王に、サイラスはため息を吐く。

「それについては、申し訳ありませんでした。一生結婚しなくても良いかと思い始めていたら、運命に出会ったのです」
 大袈裟なサイラスの物言いに、今度は王がため息を吐く。

「パラボンナ公爵令嬢対策で結婚したのだろう?家族の前では無理はしなくても良いぞ」
 サイラスは父親の言葉に、驚いた顔を向けた。
「いや、私は本気でリリーに惚れてますけど」
 王が「へ?」と間抜けな声を出す。
「契約結婚……白い結婚なのだろう?」
「いいえ。侍女に止められるほど、やりまくってましたけど?」

「白い結婚で2年後には離婚するんじゃなかったのか!?」
 立ち上がって叫んだ王に、サイラスが冷たい視線を送る。
「何で勝手にそんな勘違いしたんですか」
「いやだって、スピード婚にも程があるだろ!裏が有ると思って当然だ!!」
「知りませんよ、そんな事」
 サイラスはソファから立ち上がると、部屋を出て行った。


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