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28a:アメリアにとってのアンダーソン公爵家
しおりを挟む「公爵家の責任追及が行われる。証言をお願い出来るだろうか?」
申し訳無さそうにアルフィーが言う。
現公爵夫妻を罪に問う為に、アメリアに両親の行動を証言させるのだ。
普通なら多少の躊躇が見られるのに、アメリアは「かしこまりました」といつもの笑顔だった。
実際に、議会の場でも、アメリアは淡々と証言していた。
「ミア・アンダーソン子爵が私とフーリー様のお茶会に割り込もうが、一度も注意しておりません」
「ミア・アンダーソン子爵とフーリー様が一緒に通学していたのも、放置しておりました。私はロバーツ・パーソン伯爵のエスコートで通学しておりました」
「私とフーリー様の婚約破棄の原因が、ミア・アンダーソン子爵なのも気付いていない様子でした。特に咎めたりもしておりません」
アメリアが証言する度に、公爵も夫人も「報告がなかった」「ミアの生活の保証と教育はちゃんとしていた」「ミアへの義務は果たしていた」と、ひたすら訴えていた。
決定打になったのは、ロバーツの「ミア・ アンダーソン子爵が公爵令嬢として振る舞っていても、両親は放置していた」と言う証言だった。
「フーリー元第一王子の婚約破棄の原因であるミア・アンダーソン子爵の監督不行届として、アンダーソン公爵は、即刻、ロバーツ・パーソン伯爵に爵位を譲るように」
議会の決定を受けて、アンダーソン公爵夫妻は、アメリアを真正面から見る。
「アメリア、両親が公爵じゃなくなっても良いのか?」
「家族でしょう?親を助けなさい」
公爵夫妻に言われて、アメリアは微笑む。
「アンダーソン公爵、公爵夫人。私は公爵家の娘ですが、貴方達の娘ではありません」
物心ついた時から、アメリアがずっと言われていた事だ。
「公爵家の娘だが、その身は王家のものである」と。
「犯した罪は償うのが当たり前です。恥を晒さず、決定に従いなさい」
凛とした声が部屋に響いた。
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