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思い
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旭さんの家はかなり久しぶりだ。一年の頃1番尊敬してた先輩でハンドボールの相談で何度かお邪魔した。
出迎えてくれた旭さんは元気そうだった。
「最近調子どうだ?」と優しく聞く。
「千里から色々聞いているんでしょう」
「お前の口から聞きたい」
「もうあの日からチームの奴とコートには立ってないです。」
旭さんは黙ってる。
「あの時は取り返しのつかないことをしてしまいました。一年の僕が調子に乗らなかったらあんなことには、」
「違う!」
旭さんは食い気味で否定した。
「翔、実はなあの試合の前から俺は足をケガしていた、」
「えっ?」
「騙し騙しやってたんだ、でもあの試合で限界が来ちまった、あれは本当にお前のせいじゃなくて偶然なんだ」
「でも僕があそこでミスらなかったら…」
旭さんは笑顔で言った。
「お前は人一倍優しいからな、でも選手をやめないでくれ。」
僕は黙っていた。
「あと千里からも聞いたと思うけどこれを渡したかった。」
旭さんは袋を渡して来た、中を開けると旭さんが着ていたユニフォームだった。
「これって、」
「俺のユニフォーム、返しそびれててそん時お前が選手やめてユニフォーム返してきたって監督から聞いた。だからお願いして俺からまたお前が復帰するとき渡させてくださいってお願いしといた。それ着て今度のレギュラー選考出ろそして、レギュラーの椅子取ってこい。」
僕は今までの自分の馬鹿さに今更気づいた、こんなにも自分のことを考えてくれてるなんて。
自然と頰に涙が伝った、久しぶりに感情を露わにして泣いた。
「ありがとうございます…」
「おう、レギュラー選考俺も顔出すから期待してんぞ」
そうして旭さんの家を後にした。スマホを開き千里にLINEをした。
〈翔〉 色々迷惑かけてごめん、
〈千里〉 翔から連絡って珍しい
吹っ切れた?
〈翔〉 おかげさまでもう逃げないよ
〈千里〉 山川なんかに負けないでね
〈翔〉 なんで山川?
〈千里〉 この前何か言われたんでしょ
見返してやんなよ
〈翔〉 厳しいな、けど頑張るよ
〈千里〉 うん
監督に今までの勝手を謝罪して、次の日から練習に復帰した。ある日の帰り道、千里と歩いてると「練習はどうか」と聞かれた。
「1年生チームの中だから2、3年には敵わないかな」
と言うと千里はいきなり頰をつねってきた。
「痛えよ、なんだよ急に」
「レギュラーとるのにそんな弱気でいいの?」
「だって体力も前より落ちてるし」
と言うと、明らかに不機嫌な顔になったので急いで弁解
「大丈夫、僕は千里たちみたいにかっこいい活躍は難しいけど自分なりの戦い方はあるから」
ふーんと納得はしきってない表情で言った。家に着くと千里が、
「無事にレギュラーになれたらお祝いしようね、期待してるよ」と言って家に入って言った。
「期待してるよ」か前までは重荷にしか思えなかったその言葉も今は勇気を与えてくれる言葉に思えた。
出迎えてくれた旭さんは元気そうだった。
「最近調子どうだ?」と優しく聞く。
「千里から色々聞いているんでしょう」
「お前の口から聞きたい」
「もうあの日からチームの奴とコートには立ってないです。」
旭さんは黙ってる。
「あの時は取り返しのつかないことをしてしまいました。一年の僕が調子に乗らなかったらあんなことには、」
「違う!」
旭さんは食い気味で否定した。
「翔、実はなあの試合の前から俺は足をケガしていた、」
「えっ?」
「騙し騙しやってたんだ、でもあの試合で限界が来ちまった、あれは本当にお前のせいじゃなくて偶然なんだ」
「でも僕があそこでミスらなかったら…」
旭さんは笑顔で言った。
「お前は人一倍優しいからな、でも選手をやめないでくれ。」
僕は黙っていた。
「あと千里からも聞いたと思うけどこれを渡したかった。」
旭さんは袋を渡して来た、中を開けると旭さんが着ていたユニフォームだった。
「これって、」
「俺のユニフォーム、返しそびれててそん時お前が選手やめてユニフォーム返してきたって監督から聞いた。だからお願いして俺からまたお前が復帰するとき渡させてくださいってお願いしといた。それ着て今度のレギュラー選考出ろそして、レギュラーの椅子取ってこい。」
僕は今までの自分の馬鹿さに今更気づいた、こんなにも自分のことを考えてくれてるなんて。
自然と頰に涙が伝った、久しぶりに感情を露わにして泣いた。
「ありがとうございます…」
「おう、レギュラー選考俺も顔出すから期待してんぞ」
そうして旭さんの家を後にした。スマホを開き千里にLINEをした。
〈翔〉 色々迷惑かけてごめん、
〈千里〉 翔から連絡って珍しい
吹っ切れた?
〈翔〉 おかげさまでもう逃げないよ
〈千里〉 山川なんかに負けないでね
〈翔〉 なんで山川?
〈千里〉 この前何か言われたんでしょ
見返してやんなよ
〈翔〉 厳しいな、けど頑張るよ
〈千里〉 うん
監督に今までの勝手を謝罪して、次の日から練習に復帰した。ある日の帰り道、千里と歩いてると「練習はどうか」と聞かれた。
「1年生チームの中だから2、3年には敵わないかな」
と言うと千里はいきなり頰をつねってきた。
「痛えよ、なんだよ急に」
「レギュラーとるのにそんな弱気でいいの?」
「だって体力も前より落ちてるし」
と言うと、明らかに不機嫌な顔になったので急いで弁解
「大丈夫、僕は千里たちみたいにかっこいい活躍は難しいけど自分なりの戦い方はあるから」
ふーんと納得はしきってない表情で言った。家に着くと千里が、
「無事にレギュラーになれたらお祝いしようね、期待してるよ」と言って家に入って言った。
「期待してるよ」か前までは重荷にしか思えなかったその言葉も今は勇気を与えてくれる言葉に思えた。
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