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第六章 【二つの世界】

6-455 決戦27

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――ドン!!シュー……



盾の創造者からの光線をモイスが避けながら、ハルナは最後の一体をロックオンし、光線を放つ。それは、別の盾の創造者からの光線を避けつつ、目標の小さな存在を貫いた。
霧のように消えていく小さな人型は、ホッとした表情でこの世界に別れを告げた。




『……』



「どうしたの?もう諦めちゃった?」



サヤの近くにモイスが降り立ち、ハルナも盾の創造者に警戒をしつつサヤの傍に近付いていった。
その背後にはラファエルも移動し、ハルナとサヤはこの場で圧倒的な不利な状態となった盾の創造者と向かい合った。
盾の創造者は、背後に四つの闇の球体を創り出しているが、サヤは用意できるのは二つでハルナも小さな人型への対応が不要となった今では、盾の創造者の光線を弾く程度の攻撃は四つまでなら余裕で出せる。
主な攻撃方法の数をこちらと相手の数を比較しても、優位な状況となっているのがこの場にいる者たちにはわかっていた。



「あんた、もうアタシたちに効く攻撃の手段は持ってないだろ?」

「え?そうなの?」

その言葉に、盾の創造者は何の反応も見せない。ハルナが反応するが、このままその流れに乗り、盾の創造者を追い詰めるために利用する。


「もぅ、ちょっとは、考えなって!?……ったく。あのね、もし、いっぱい出せるんなら、なんでこの状況で出さないの?」

「エー……っと。それは、もう疲れちゃった……とか?」

ハルナは恐る恐る初めに浮かんだ理由を口にする。だが、それは、誰でも思いつくような内容であり、そんな浅い考えに、当然怒られるとドキドキしながら質問に答えた。
だが、サヤから怒られることは無かった。



「まぁ、それはハズレてはないだろうね。あの人型を出すのに、結構な体力を使うんだよ。でもあの光線はずっと出せるのはって思ってるだろ?」

「う、うん……たしかに。で、でも私たちと同じように、光線で反撃してきたじゃない?」


「あれは、この空気中ある素や魔素を”操作”してるだけなんだ。あれだって扱い慣れていないなら疲れるだろうけど、コツを掴めばアタシだってずっと出せるんだよ……こうやってさ」


サヤは掌を上に向けて、その上に闇の光線の元となる球体を作り出したてみせた。
ハルナもほんの先ほどまで、必死になってこの球体を維持していたときのサヤの表情を思い出す。
今の動きは全く苦しさもなく、サヤの対応能力の高さに驚くばかりだった。


「だから、あの光線による攻撃はアタシたちくらいだと、そんなに疲れないもんなんだよ。だけど、あのちいさな人型は、自分の中にある資源を使って生み出したものだから、そんなに作り出せるものじゃないんだよ」


『……』


サヤが告げた状況は、盾の創造者にとって知られたくはない内容だった。
それに、何とかまだ手があるように見せかけて、この場の立場を優位にしようという目論見も、このサヤの前には通用しないだろうと悟った。

盾の創造者は、この状況を何と変えようとしていたがそれは許されなかった。



「さぁ……アイツとの約束もあるし。そろそろアンタにも消えてもらおうか?」




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